75年前の激戦地に立ち「戦争の悲惨さを風化させたくない」と語る中村功さん。「シュガーローフの戦い」には当時、姉と兄が参加した=8日、那覇市 高層ビルや大型商業施設が立ち並ぶ那覇市北部の「那覇新都心」。その南東部に位置する「おもろまち」地区は、75年前の沖縄戦で最激戦地の一つだった。米軍基地返還後、著しい発展を遂げたことで「跡地利用の成功例」として語られる一方、過酷な歴史は風化しつつある。「発展の裏で多くの犠牲があったことを忘れないでほしい」。戦争を繰り返さないために、体験者やその家族らは語り部として活動を続けている。 【写真】激戦が繰り広げられた丘、シュガーローフ 市中心部の県庁前からモノレールで7分。おもろまち駅で降り、5分ほど歩いた場所に、白いタンクが立つ小高い丘がある。周囲には30階建てのツインタワーマンションや高層ホテル、大型免税店が並ぶ。丘の上からは30キロ以上離れた慶良間諸島が