7日決定した緊急経済対策では、中小企業と家計向けに計6兆円超の給付金が盛り込まれた。資金繰りの厳しさが増す企業や家計から期待が大きい。ただ、準備には何が必要か、だれが給付を受けられるかなど複雑な部分が多く、申請窓口では混乱も予想される。支給開始は夏ごろになるとの見方もあり、対応が遅れれば企業や個人の安心感を高める効果が薄れる。企業向けの名称は「持続化給付金」。売り上げが半減した事業者に対し、法
本年度のノーベル経済学賞が14日夜(日本時間の18時45分頃)に公表され、 ・Abhijit Banerjee(MIT) ・Esther Duflo(MIT) ・Michael Kremer(Harvard) の3名が選ばれました! 受賞理由は “their experimental approach to alleviating global poverty” 「世界の貧困を軽減するための実験的なアプローチ」 に対して。デュフロ教授は経済学賞で最年少の受賞者(なんと46歳!)で、女性としては2009年のエリノア・オストロム教授に続いて二人目。いずれも素晴らしい快挙ですね!ご本人も電話インタビューの中で、早すぎる(?)受賞に少し驚かれているようでした。 【関連書籍】 『貧乏人の経済学―もういちど貧困問題を根っこから考える』はバナジー&デュフロ両教授による名著。未読の方はこの機にぜひ!経済学
ベーシックインカムとは一言でいうと、「すべての人に無条件で一定の額のお金を給付する」制度のことである。 前回(「今、『ベーシックインカム』とは何か?」)はAI技術が職を奪う恐怖などから、世界規模で注目が集まっていること、またベーシックインカムの定義などを紹介した。 今回は、昨年末まで2年に渡ってフィンランド政府がおこなったベーシックインカムの給付実験について紹介する。 フィンランド政府の給付実験と暫定結果 フィンランド政府が実施したベーシックインカムの給付実験の概要は、以下の通りである。 失業手当受給者から学生などを除いた母集団(25歳以上58歳以下)から、ランダムに2000人を選び、月額560ユーロ(約7万円)を給付。 この額は税引き後の失業手当とほぼ同額である。失業手当の場合は、職を探していることが条件であり、また収入がある場合にはその額に応じて減額されるが、実験対象者には2年の間、そ
政府は2019年10月の消費増税に合わせて導入する軽減税率の財源に社会保障費から約1千億円を充てる方針だ。事業の終了で浮く事務費や過去の社会保障改革で生じた剰余分を回す。全体で約1兆円の軽減税率の財源にメドが立った形だ。軽減税率は10%に消費税率を引き上げた後も飲食料品や新聞などの税率を8%に据え置く仕組み。低所得者の医療や介護の負担を軽くする「総合合算制度
本来、働き盛りとされる40代が世帯主の低所得世帯の割合が20年間で1.5倍に増えたことが厚生労働省のまとめで分かりました。 厚生労働白書によりますと、世帯主が40代で年間所得が300万円未満の世帯の割合は、2014年までの20年間で11%から17%に増えました。単独世帯やひとり親世帯が増加し、全体的に所得が下がったことが影響しています。一方、世帯主が65歳以上の高齢者の世帯では20年間で低所得の割合が減り、中所得の割合が増加していました。高齢の世代は年金で所得の格差の広がりが抑えられています。厚生労働省は、現在の社会保障制度は現役の世代よりも高齢の世代への給付が手厚くなる傾向があると分析しています。
[Tyler Cowen, “Is the great wage stagnation over?” Marginal Revolution, September 15, 2017] もしかするとそうかも.ただ,せめてもうしばしいい年が続いてくれるならありがたい.ノイズや遅れてきたキャッチアップ成長の部分もありそうだ.とはいえ,これまでの傾向から変化が起きているようだ: 2015年に,世帯所得の中央値は 5.2 パーセント上昇した.国勢調査局が1960年代から記録を取り始めて以来,パーセンテージでみて最速の上昇だ.一人暮らし女性の所得は,8.7 パーセント上がった.ヒスパニック系の所得中央値は 6.1 パーセント上がった.帰化した人々を除く移民の所得は,10 パーセント以上もの飛躍を見せた. これは,とりわけ貧困層にとってよい知らせだ.全所得のうち,下位5分の1にいる最貧困層に流れた割合は
Simon Wren-Lewis, “Inequality or poverty“ (Mainly Macro, 18 April 2017) トニー・ブレアの有名な言葉にこういうものがある: 人々の収入に開きがあるのを気にかけていないということではない。大金を稼ぐ人々がいるかどうかでもない。それらは私の関心ごとではない。私が気にかけているのは、機会に恵まれず、不遇で、貧しい人々だ。 労働党政府を含めほとんどのひとは、ブレア元首相が格差是正ではなく貧困対策に注力するつもりだと解釈しただろう。格差是正の歴史的トレンドと、その他さまざまなものとともに労働党が推し進めた貧困削減プログラムがそこに与えた影響(そしてこのプログラムが近い将来取り消されるかもしれない可能性)については、リックの素晴らしい議論を参照してもらいたい。 私は最近、格差より貧困のほうが問題だというマイルス・キンボールによるとて
「あなたがいまのポジションにいるのは、努力や才能ももちろんあるけど、やはり運に恵まれたんですね」 こう言われて、むっとした人はおそらく社会的に成功している人だ。自分が成功したのはたゆまぬ努力を続けて、他の人よりもリスクを取ってきたからだ、と言いたがる人かもしれない。 人は成功は自分の努力のおかげ、失敗を不運のせいだと考えがちだから、それも致し方ない。 しかし、成功は本当に努力や才能だけによってもたらされるものなのか? 経済学者はこう考えた『成功する人は偶然を味方にする』(日本経済新聞出版社)を書いた経済学者のロバート・フランクの主張は明快だ。 リスクを取ることと成功との因果関係はない。リスクを取るとは、いくら努力を重ねたところで、どうしても失敗を避けられない要素があるということだ。 努力すればするほど確実に手に入れることができるという類のものではない。 従って、リスクを取って成功した、とい
井手英策・慶應義塾大学経済学部教授の記事「(あすを探る 財政・経済)中の下の反乱、食い止めよ」を読んでみた。 hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)の「水島治郎『ポピュリズムとは何か』」 のコメ欄に紹介されていたり、ツイッターで話題になっていたので読んだが、どうにも論理がわからなくて混乱している。 記事は、「「一億総中流」を信じ続ける時代は一体いつまで続くのだろうか。」と始まり、「この20年で中間層の多くが低所得層に加わった」と続ける。 井手氏の考えでは、今の日本は「財源が限られ、給付に所得制限がつき、財政が低所得層の利益で固められている。」しかし、「持てる者から奪い、弱者を助けるやり方では分断を深めてしまう」 そこで以下のように論じる。 中の下の反乱を食い止め、中低所得層に連帯をうながす方法、それは、すべての生活者のニーズを満たし、増税への合意を引き出し、生活と財政の将来不安
デヴィッド・スタックラー&サンジェイ・バス「経済政策で人は死ぬか? 公衆衛生学から見た不況対策」草思社 橘明美・臼井美子訳 まず皆さんにお礼を言いたい。「このたびは臨床試験にご参加いただき、ありがとうございます」。 ――まえがき わたしたちが大恐慌のデータから学んだことは、対策によっては不況下でも国民の健康促進は可能であり、またそれが経済そのものの回復にも一役買うということだった。 ――第1章 ニューディール政策は人々の命を救ったか ロシアでは1990年代に数百万人もの成人男性の人口が減った。ロシアだけではない。旧ソ連・東欧諸国全体では970万人も減少した。 ――第2章 ソ連崩壊後の死亡率急上昇 鍵になるのが、「政府支出乗数」と呼ばれる値である。これは政府支出を一ドル増やしたときに国民所得が何ドル増えるかを表す数字で(略) アイスランドの場合、最も乗数が大きいのは保険医療と教育で、どちらも
所得が低い人ほど、コメやパンなど穀類の摂取量が増える一方で、野菜や肉の摂取量が少なく、栄養バランスのよい食事が取れていないことが、厚生労働省の調査で分かりました。 それによりますと、コメやパンなど穀類の1日の摂取量は、所得が200万円未満の世帯では、男性は535グラム、女性は372グラムと、所得が600万円以上の世帯より20グラムから40グラム多くなっていました。 一方、野菜の摂取量は、所得が200万円未満の世帯では、男性は253グラム、女性は271グラムと、所得が600万円以上の世帯より40グラムから70グラム少なくなっていました。 所得の低い人は肉の摂取量も少なく、所得が低い人ほど栄養バランスのよい食事が取れていないことが分かりました。 また、健康診断を受けていない人の割合は所得が600万円以上の男性では16.1%だったのに対し、所得が200万円未満の男性は42.9%と、所得が低くなる
イェシバ大学のAriel Malkaとトロント大学のMichael InzlichtがNYT論説でそう書いている(H/T Economist's View、本石町日記さんツイート)。 Our research, which we published along with Christopher J. Soto of Colby College and Yphtach Lelkes of the University of Amsterdam, was the largest cross-national test of how a conservative personality style actually relates to cultural and economic attitudes. Analyzing responses from over 70,000 people fro
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