製薬企業と大学医学部などの医療機関がカネで癒着して、特定の薬の効果を証明する臨床試験のデータを改ざんあるいは捏造して、実際にはない効果を「ある」とする報告(論文)を公表し、企業は論文を利用して大々的に宣伝、医師はどんどん患者に投薬したら何が起こるのか。 それは、あまりにも明白だ。その薬を処方された患者は、効くと信じて医療費を支払い、薬を飲み続けているのに、症状が改善されなかったり、危惧していた副作用が生じたりするという被害を受けることになりかねない。 一方、製薬企業はその薬の売れ行きを大きく伸ばして巨額の収益を得、臨床試験の主任を務めた教授クラスの医師は製薬企業から多額の奨学寄付金を大学に提供させて、学内での権威と地位を高めることになる。そんな「患者無視」の偽りの臨床試験と偽りの薬の販売は、医の倫理・企業の倫理に反することであり、絶対にあってはならないことだ。 ところが、まさにその通りの事