出かける前、しばらく穿いていなかったGパンを穿いたら、がんばらなければウエストのボタンを留めることができなかった。大きな衝撃を受け、「ふちりんのメタボリックが半端じゃねえことになっているな!」と思った。ボタンをとめないまま、チャックを少し下ろした。ベルトをはめ、腰周りを固定した。 「このようなメタボ腹では、梨華ちゃんにガッカリされてしまうかもしれないな……。そんなのやだ! しばらく断食することによって痩せよう。ジョギングとかはめんどくさいのでヤダ」と独りごとを言った。 宇都宮駅に向かう電車の中で、行書の参考書を開いたが、隣に座っている若い女性の匂いと感触が気になって勉強どころではなかった。「梨華ちゃん……他の女の人にドキドキしてしまってごめんね……。でも浮気は絶対しないから安心してね」不可避的に鼻をクンクンさせながら、そう思った。 宇都宮駅につくと、「スタバのあたりに居ます」とシヴイさんか