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買ってよかったもの
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2021年02月19日 劔幹人さんの原作を映画化した『あの頃。』を公開初日に観てきた。とてもいい映画でした。 ぼく自身は劔さんより18歳年上で、この映画で描かれているアイドルオタクたちよりはかなり古い世代になる。ただ、アイドルを好きになる衝動は不変のものなので、そこはとても共感できた。 以前にもツイッターでつぶやいたことだが、ぼくの初現場は1979年の相本久美子『チャイナタウンでよろめいて』の新曲発表会だ。生歌を聴き、レコードを買って、列に並んでサイン色紙をもらい、握手をした。ガッチガチに緊張して、満足に会話もできなかった。まるで劇中の松坂桃李のように。 そのとき親父のカメラを借りていって撮った写真 その後、ぼくは1983年に手にしたミニコミ『よい子の歌謡曲 8号』で、アイドルを必要以上に追いかけている人たちと出会い、その編集部に入り浸るようになる。これは劔さんが松浦亜弥きっかけでハロプロ
2020年12月3日 宅八郎の訃報を知った。ご家族の話ではどうやら8月に脳出血で倒れ、そのまま還らぬ人となったらしい。 彼はミニコミ『東京おとなクラブ』のスタッフだった人で、本名を矢野守啓という。ぼくは同時期に刊行されていた歌謡曲ミニコミ『よい子の歌謡曲』のスタッフだった関係で、『東京おとなクラブ』の編集部にも出入りしていた。時期を考えると彼と知り合ったのは1985年くらいのはずだが、直接会って話をしたような記憶はない。 やがてぼくはフリーライターになって、下北沢に仕事場用のアパートを借りた。ある日、仕事もなく部屋でゴロゴロしていたら、彼から電話がかかってきた。そのとき彼は「覚えてますか、矢野です」と言い、ぼくは少し考えたのち「ああ、おとなクラブの!」と言った記憶がある。ということはやはり一度は会っているのだろう。 電話の要件は仕事の依頼だった。その頃の彼は『週刊SPA!』で仕事をしていて
7年ほど経営していたマニタ書房を2019年の4月末に閉店して以来、古本の仕入れツアーをすることはなくなっていた。ぼくが古本の仕入れといったら、それは「ブックオフめぐり」であることは、とみさわ昭仁を知る人ならばわかっているはず。 閉店後も個人的な趣味でブックオフに行くことはあるが、それは仕事で都内を移動している途中にあればちょっと覗く、という程度のものだ。そして、それらの店舗はすでに訪問済みの支店ばかり。だから、日本一ブックオフに行く男の踏破記録は「552店舗」で止まっていた。これが増えることは、今後はそうないだろう。 と思っていたのだが、ふと思いついたことがあった。 かつて頻繁にブックオフツアーをやっていたとき、ときどき支店の近隣移動があることに気づいていた。あるブックオフの支店が、これまであった店舗を閉鎖する。それとほぼ同時くらいのタイミングで、少し離れた場所に新店ができる。近隣移動は同
ライター、ゲームクリエイターの柴尾英令くんが急逝したのは4月2日。ぼくよりひとつ年下で、まだ55歳の若さだった。 同業であり、友人でもあった彼との別れを惜しんで、「さよなら柴尾くん」という短文を書いたのが4月の12日。それをお互いが連載している『メルマ旬報』に掲載してもらい、後日、このブログにも転載した。 通夜も葬儀も済んで、四十九日も無事に過ぎたのだけど、それでも、ふとしたときに彼のことや、彼と交わした話題のことを思い出す。映画の話、お酒の話、女の子の話、バッファローシュリンプの話。 きっと、ぼくと同じ気持ちの人はたくさんいるだろう。多趣味であり、多岐にわたる仕事を手掛けていた柴尾くんだけに、友人・知人は多い。だから、そんな人たちが集まって、柴尾くんとの思い出を語り合える機会を作りたい。 というわけで、共通の友人である石川亨さん、木村真人さんとぼくとの3人で、柴尾くんを偲ぶ会を計画しまし
ぼくは16歳から(フハハ!)ずーっとタバコを吸い続けてきた。 40歳のとき、子供ができたのをきっかけにしてタバコをやめようと思ったのだけど、多くの禁煙失敗者の例に漏れず、なかなか禁煙できなかった。固い意思でやめると決意し、タバコの箱を握り潰したのに、しばらくするとタバコを買いに行ってしまう。三日坊主どころか、三時間坊主の有様だ。 そんなとき、友達から紹介されたのが『禁煙セラピー』という本だった。まだ読む前、その友達の話を聞いている段階で、すでにヤバイ予感がした。ぐんぐんタバコをやめたくなってきた。この本はマジで効くな、と直感した。 すぐに書店に駆け込んで購入した。そのとき手持ちのタバコが切れていたが、どうせこれから禁煙するんだし、いいタイミングだ。もうタバコを買う必要はないと、そう考えて読み始めたら……、最初の方にこんなことが書いてあった。 「本書を読み終わるまでタバコをやめないでください
『無限の本棚〈増殖版〉』の増殖原稿、最後の紹介は巻末に収録した伊集院光さんとの対談です。TBSラジオ「伊集院光とらじおと」には、わたしも水曜日の人気コーナー「アレコード」にたびたび出演させていただいています。 ■増殖の3 ラジオのリスナーならご存知の通り、伊集院さんは変なレコード(アレコード、おバ歌謡)はもちろんのこと、町歩きで見つけたいろんな珍物件を写真に撮ったり、変なカルタを集めたりするなど、実はコレクターとしても非常にユニークな視点を持っている方なんですね。 この機会に、そのへんの話をぜひ聞いてみたいということで、多忙なスケジュールの合間をぬって時間を割いていただきました。いちおう「対談」という形をとってはいますが、出てくるエピソードがいちいちおもしろくて、しかも磨き上げられた話術にぼくなんかが太刀打ちできるはずもなく、実際には伊集院さんへのインタビューみたいなものですね。 コレクシ
アスペクトより刊行した拙著『無限の本棚』が、3月6日にちくま文庫として発売されます。まだ元本を刊行してから2年しか経っていないということもあり、今回の文庫化にあたっては大量に書き下し原稿を加え、『無限の本棚〈増殖版〉』としました。 「同じ本で何度も商売しやがって!」というご意見もあるかと思います。でも、そこにはやむを得ない事情もあるのです。詳しいことは省略しますが、著者であるとみさわ昭仁は、元のアスペクト版『無限の本棚』に関して、いまだ一銭も原稿料をいただけていません(これで事情を察してください)。 元本はすでに版元との出版契約を解除したので、現在は絶版です(あるのは在庫のみ)。けれど、著者としては『無限の本棚』をこのまま終わりにはしたくなかったので、必死の思いで別の版元を探しました。その結果、ありがたいことに筑摩書房さんが受け入れてくれました。そして今回の文庫化が実現したというわけです。
すっかり放置しっ放しで、たまに更新されたかと思えば宣伝ばかりになってしまっている当ブログ「蒐集原人」なのですが〜、凝りもせずまた宣伝のために更新するのです! とみさわ昭仁の書き下ろし新刊が、3月22日にアスペクトより刊行されます。タイトルは『無限の本棚 手放す時代の蒐集論』というもので、小学生のときに酒ブタ(日本酒のキャップ)を集めることからコレクションの道に足を踏み入れたぼくが、以後、ミニカーやら漫画本やら古鍵やら顔出し看板やら廃盤レコードやら人喰い映画DVDやらの様々なコレクション活動を経てゆくなかで見つけ出した、前代未聞の蒐集論です。 皆さんは、何かをコレクションする人というのは、「蒐集欲」が強い人だと思ってますよね? そして「蒐集欲」というのは、すなわち「物欲」であるとも思っていることでしょう。ところが、そうではなかったのです。 自分で物を集めることも大好きだけど、それ以上に、何か
年が明け、1月7日に父が亡くなった。享年84。 ずいぶん前に脳梗塞で倒れてから、とりあえず復活はしたものの、最近はかなり恍惚の人状態だったので、そろそろ秒読みだと覚悟はしていた。昼間、ひとりで風呂に入って湯船に浸かった途端に心不全を起こし、そのままポックリ、ということらしい。16日(金)に通夜、17日(土)に葬儀を済ませた。両親の親戚だけを呼んで、あくまでも控え目に。 亡くなったのが7日(水)だから、最初はその週末が葬儀の日程になるだろうと思った。おれは1月14日から16日まで岡山出張を予定していたので、9日(金)か10日(土)に葬儀を済ませれば、出張には行けるはず。予約したホテルもレンタカーもキャンセルせずに済むだろう。 そう楽観していたら、どうも正月に人がたくさん死んだようで、地元の火葬場ではズラリと死人が焼かれるのを待っている状態だという。我が家の仏さんは早くても15日にならないと焼
いよいよ明後日は文学フリマの日! 会場は東京流通センター・第二展示場。 浜松町から東京モノレールで区間快速か普通に乗り(空港快速に乗ったら停まらないよ!)、流通センター駅で下車。東京流通センター 第二展示場(入場無料)が文学フリマの場所。一階は主に小説などの文芸サークルが中心。とみさわ(マニタ書房)は評論分野なので二階に上がってちょうだいな。二階の会場に入ってすぐの「カ-2」にいます。カニブースと覚えよう! 開場は11:00、終了は17:00。 今回は新刊『蒐集原人5号』を頒布します。価格はいつもと同じ700円。表紙は吉田戦車先生で、プリケツ原人が皆様をお待ちしております。90冊ぐらい持っていくので、そんなに朝イチから慌てて来なくても大丈夫よ。 他にも『1号』から『4号』までのバックナンバーと、『覆面音楽祭』、土屋遊さんの『イカ・タコ』本も少しだけ持っていくつもり。バックナンバーは在庫が売
20年ほど前だったろうか。唐突にスカジャンが欲しくなり、どうせ買うならアメ横よりも本場で、と横須賀まで出向いていき、老舗のひとつであるプリンス商会で購入した。たしか15,000円くらいした。 ※写真はイメージ 生地はサテン、前身頃と後ろ身頃が赤で袖がシルバー、背中の刺繍はタイガー&ドラゴン。まだスカジャンのことをよく知らない状態で買ったので、いかにもスカジャン然としたモデルを選んだ。しかし、これがよくなかった。買ったはいいけどなんだか個性が感じられなくて、二、三度袖を通してそれっきりになってしまった。 次にスカジャンのことを意識したのは、14年前。娘が生まれたばかりの頃、女房と南大沢のショッピングモールをぶらぶらしていて、とある店に犬ぞりのスカジャンが吊るされていた。結婚前に女房は愛犬のシベリアンハスキーと犬ぞりをやっており、このスカジャンに飛びついた。買いはしなかったけど、興味津々で見て
マニタ書房のオリジナルグッズを作りたい、とは開業して以来ずっと考えていたことだった。だが、生来のメンドクサガリ屋のため、なかなか手をつけずに、ほつぽつておいた(杉山治夫の借金督促状風表記)。まあそのうち仕事がヒマになったらやりましょう、なんてね。 そうこうするうちにマニタ書房も2年目に突入し、グッズらしいグッズがずーっと無いまんまなのは、さすがに寂しくなってきた。そんなタイミングで見つけたのがSUZURIというサイトだった。ここは、オリジナルのデザイン作成してアップロードすると、それをTシャツ、トートバッグ、マグカップ、iPhoneカバーという4種のアイテムにプリントして、さらに販売代行までやってくれるサービスなのだ。 乗った! 自分でデザイン用意して、版下データ作って、製作業者見つけて、損益分岐点計算して、個数決定のうえ発注して、通販サイト立ち上げて、メールでやりとりして、梱包して発送し
そうか、わかってしまった! 何がわかったのか、それを説明する前に、事のあらましをおさらいしておこう。 いわゆるゴーストライター事件である。全聾の天才作曲家として知られていた佐村河内さんが、実は自分では作曲をしておらず、桐朋学園大学の音楽学部で講師をしていた新垣隆さんに指示を与えて曲を作らせ、さも自分が作曲したかのように振る舞っていたという、あの一件である。 ふたりの間でうまく話がついているうちはよかった。ところが、2014年の2月5日になってその新垣さんが突然、記者会見をひらいてすべて明らかにしてしまった。「本当はわたしがゴーストライターをしていました!」と、ぶちまけたのだ。 その後、今度は佐村河内さんが謝罪会見をひらいたものの、謝罪は最初のうちだけで、後半になると新垣さんを「裏切り者」呼ばわりするなどして、事態は完全に泥仕合の様相を呈しはじめた。数年前から少しは聴力がもどってきたが、それ
オークションで、おしゃれな文庫用のブックカバーを落札したよ! 素材は動物の命にやさしい合成皮革! だれも死んでない! スピン(しおり)の先にはマーカーが。 これ、なんの形かわかる? そう、ブックオフのあのイメージキャラ。 そしてカバー表面には……。 ブックオフのヘビィユーザー、清水国明さんの直筆サインが! こんなもん手に入れて喜ぶの、おれだけだ!
自分には“師匠”と思っている人物がふたりいる。 ひとりはゲームフリークの社長、田尻智氏。単なるゲーム好きだったおれに、なぜゲームはおもしろいのか、ゲームは何によって出来ているのか、ゲームを作るとはどういうことなのか、さらにはゲームの具体的な作り方のすべてを教えてくれた。ゲーム業界全体で見ればほとんど無名に近いおれだけど、それでも「ゲームデザイナーでござ〜い」ってな顔をしていられるのは、彼との出会いがあったからこそだ。 そしてもうひとりが、角川アスキー総合研究所取締役兼主席研究員の遠藤諭氏だ。そこでどんな仕事をされているのか、長い肩書きからはよくわからないのだけど、出会ったのは30年も昔。『東京おとなクラブ』というミニコミを作っておられた。飄々としているけど仕事には厳しく、適当なことばかり言ってるけど、実はたいへんな物識り。好奇心旺盛だけど、アジア料理とカレーしか食べない。そんな人。 フリー
痕跡本が好きなのと同様に、中古レコードに前所有者の痕跡が残っているモノもたまらなく好きだ。中古盤屋でエサ箱を漁っていて、ジャケットに落書きがしてあると無条件で買う。こんなのだったら最高だ。 マニタ書房を開業する直前、80年代アイドルのドーナツ盤を大量に仕入れて、1枚1枚検品をしていたときのこと。松田聖子のレコードの束の中に『ロックン・ルージュ』が入っていた。 松田聖子のレコードは大量にプレスされてるのでレアでもなんでもないし、この曲自体あんまりワタクシの好みではございません(ユーミンに興味がない)。しかも、ジャケを見るとなんか折りジワがついている。こんな傷モンじゃ商品にはできないし、捨てちまうかー! ゴミとして分別するために、袋からジャケを取り出した、そのとき。 光の加減で松田聖子の表情がうっすら変わり、「あれ?」っと思った。 縦に入った、3本の折りジワ。 ああ、そういうことか。 教科書と
埼玉県は所沢駅の正面、くすのきホールというところで「彩の国古本まつり」という古書市が年に4回ほど開催されている。ギリギリで年末進行を脱出したので、明日が最終日のところを滑り込みで見に行ってきた。 なんだかんだで収穫はあり、それなりに満足はしたのだが、心に引っかかるものを見た。 浅田真央の本である。 『浅田真央、15歳』(文藝春秋社)。 著者はノンフィクション作家の宇都宮直子さんだ。表紙の真央ちゃん、可愛らしいねえ。まだ15歳だよ。こんな子供が銀盤の上で大人顔負けの演技を見せるのだから、たいしたもんだよトリプルアクセル。 でも、おれは真央ちゃんファンではないし、フィギュアスケートに興味があるわけでもない。さらに珍本でもないからマニタ書房の仕入れにも必要ない。だからそのまま本をワゴンに戻した。 で、彩の国古本まつりはとにかく広い。本を見ながら会場内をしばらく歩いていたら、また浅田真央の本があっ
一度でもマニタ書房に来たことがある方なら、様々に分類された本のジャンルのひとつに「やくざ」というコーナーがあるのをご存知だろう。お客様のニーズに応えるという理由はもちろんあるが、それよりも、まず店主が極道者たちにひとかたならぬ興味をもっているからだ。自分の好きな本だけ売る。それがマニタ書房の基本姿勢である。 あるとき、こんな本を仕入れてきた。ブックオフではない。場所は忘れたが、都内のどこかで開催された古書市での収穫の1冊だったと思う。 『関東やくざ者(もん)/藤田五郎』(1971年/徳間書店) 仕入れてきた本をすべて読むなんてことは不可能なので、この本もしばらくは適当に積んでおいた。そしてあるとき、気まぐれで中をパラパラめくっていて、以下のような箇所を発見した。 本文のある箇所が、極太マッキーで黒々と塗りつぶされているのだ。分量にして3行。なぜ塗りつぶされたのか? 何が書かれていたのか?
昨晩は、とみさわ昭仁ライター生活30周年記念イベント「蒐集100万年@新宿ロフトプラスワン」へ、たくさんのお客様にお越しいただきまして、ありがとうございます。30周年と言いつつ、およそ50年に渡るコレクター人生のあれこれを詰め込んだイベントだったもんだから、ひとつひとつのネタについて語りきれなかった感はありますな。でもまあ、それはまたいずれ、還暦祝いのときにでもやらしてもらいましょう。 んで、イベントのときのはちょっと早足で「とみさわの好きなブックオフベスト9」を紹介したんですが、ちゃんと記録に残しておいた方がいいと思うので、あらためてここへ掲載します。あれからランクイン店舗を若干入れ替えたりして、「ベスト10」にしてあります。 ■第10位! 「京都六地蔵店」 まず、ポイントは黄色くないとこね。おそらくおもちゃ屋さんかなんかの跡地に居抜きで入ったんだと思うけど、あえて黄色く塗らずにもとの外
第一話「2001年リアル初版探しの旅」 第二話「ゾンビとの鬼ごっこを観る前にブックオフで鬼ごっこ」 第三話「4年越しでリアル初版探しに王手をかけた!」 このところ、古本屋のヒマヒマ店主である自分にしては珍しく忙しい日々が続いていた。それは無理もない。マニタ書房はヒマでも、ライター業の仕事が最近増えてきたことと重ねて、亡き妻の三回忌法要(10/27)、マニタ書房開業一周年記念パーティー(10/28)、トークライブ攻略本大博覧会(11/3)、文学フリマ出店(11/4)、古本ゲリラ主催(11/10)……といったように、様々なイベントの準備が立て続けにあったからだ。 しかし、古本ゲリラを無事に終えたことで、それらの波もいったんは過ぎ去った。まだ、いくつかの連載原稿はあるし、ムック本の制作もしている。12/3にはとみさわメインのトークライブも控えている。だから完璧にヒマになったというわけではないが、
すっかり告知が遅くなってしまったけど、第3回古本ゲリラの開催が迫ってきましたぞー! ■開催日時 2013年11月10日(日曜) 12時開場、19時終了 前回の古本ゲリラは、神田エリアでの大規模なアートイベント「TRANS ARTS TOKYO」の1プログラムという形で開催したんだけど、じつは今年も「TRANS ARTS TOKYO 2013」として開催されてるのね。なので、およそ芸術とはカンケーない古本ゲリラだけど、またまたアートの皆さんに混ぜてもらうことにしたのでした。 で、少しでもそれらしくしたいなーと思って、Bootlegのヴードゥー編集&暗黒デザインでお馴染み侍功夫氏に、古本ゲリラのロゴを作ってもらったよ。 かっこいいー!(小学生っぽい感想) ■出店者 稲垣豪/井上ダイスケ/大久保潤/越智灯子/香山哲/川崎ぶら/齋藤裕之介/酒徳ごうわく/柴尾英令/島影真奈美/島田真人/ジャンクハ
いまから4年前におれは「2001年リアル初版探しの旅」というエントリーを書いた。 過去ログを読むのめんどくさーい! というズボラ者のために要約してさしあげると、 「山田悠介大先生のデビュー作『リアル鬼ごっこ』は、従来の国語作法を超越した奇々怪々な文章で読む者の常識を激しくグラつかせる。だが、現在手に入るのは重版がかかるたびに校正を繰り返して文章のトゲが抜け落ちたものでしかない。やはり初版を読みたいよねー。よし、おれは初版探しの旅に出る!」 というものだった。 リアル鬼ごっこ 作者: 山田悠介出版社/メーカー: 文芸社発売日: 2001/11/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 222回この商品を含むブログ (88件) を見る そして、その2ヶ月後に、初版探しの続報を書いた。 ふたたびズボラ者のために要約してさしあげると、 「いままで持っていたもっとも若い版が「第6刷」だったんだ
ブックオフには大きく分けて2種類ある。「歩いて行ける店」と「そうでない店」だ! たとえば、「新宿駅東口店」なんかはJR新宿駅から徒歩5分かそこらのところにあって、それこそ紀伊国屋書店よりも駅に近いぐらいだ。歩いて行くのに問題はない。他にも新宿には近頃出来た「新宿駅西口店」、さらに「西新宿小滝橋通り店」と、徒歩で行ける支店が3つもある。 あるいは地方にしたって、岡山県の「東古松店」だったら宇野線大元駅から直線距離で約500メートルだから、岡山在住の人にとっては間違いなく徒歩圏内と言える。東京23区内の大半のブックオフと、地方でも大都市圏のいくつかにあるブックオフは、だいたいこういうアクセスしやすい位置にある。これらがいわゆる「歩いて行ける店」だ。 一方で、地方には電車ではなく自動車を中心にした生活圏というものがあり、そうした生活者をターゲットにしたブックオフもある。岐阜県の「平田店」なんかこ
1980年、自分は東京・蒲田にある日本工学院という専門学校に入学した。専攻は立体製図科だ(この立体製図という技術が、のちにパソコンの進歩と普及で“CAD”になっていった)。 自分程度の学力で入れそうなところで、立体製図科のある学校が日本工学院くらいしかなかったからそこを選んだわけだが、あの学校自体は放送や映像に関する技術者の育成に力を注いでいる。そのため、学内にはかなり立派な音楽ホールと、そのステージを撮影するためのスタジオ機材があった。それらの設備を利用して毎週のように収録・放映されていたのが、TVK(テレビ神奈川)のロック番組『ファイティング80's*1』だった。 番組の基本スタイルは、ライブステージの録画放送だ。MCを宇崎竜童が務め、毎回1組か2組のバンドがゲスト出演して生演奏をする。観客は入場無料。当日の昼過ぎくらいにその日の入場整理券が配布される。もちろん、学校外のファンも整理券
住吉の「日の出湯」に行ってきた。 よくわかんないけど玄関の雰囲気が大正っぽい。実際、中に入ると、こじんまりした洗い場の奥にデーンと大浴槽があるだけ。そのシンプルさが、昔の風呂ー! っていう感じでいい。 大浴槽はふたつに仕切られていて、右側2/3くらいがメインの浴槽でジェット付き。左側には座風呂。そして浴槽の背後には、男湯と女湯ブチ抜きでひときわ巨大な壁画が控えている。ちょうど男湯と女湯の境目あたりにデデーンと富士山が描かれていて、その麓には湖。本栖湖なのか、精進湖なのか、はたまたオンタリオ湖なのか。まあ何湖でもいいんだけど、湯船から壁画を見上げると、湖に浸かって富士山を眺めているような気分になれるのだ。 風呂を出て、ホンの1〜2分歩くと住吉の名店「山城屋酒場」がある。 ここへ来る理由はひとつしかない。名物“とんから”を食べるのだ。トンの唐揚げ、とんからね。これが風呂あがりのビールもしくは酎
大阪に坂和章平という人がいる。通称:ナニワのオッチャン弁護士。 この人、ヒジョーに映画が好きで、本業(弁護士)の合間にひたすら映画を見ては、その感想をコツコツとブログに書いたりなんかしている。最初の頃は個人的な日記に書いていたんだと思うけど、いまはブログ形式でご自身の映画評論を発表し続けている。 弁護士としてはたいへんなキャリアをお持ちで、それに関する著作もたくさんあり、そっち方面では十分に成功を収めたと言ってよいだろう。 ところが、映画評論家になりたいという夢が忘れられず、書き貯めた映画の感想を『SHOW-HEY シネマルーム1 〜二足のわらじをはきたくて〜』というたいそう正直なタイトルで出版してしまった。出版といっても自費出版なんだけど。 おれみたいに、連日、全国各地のブックオフを巡っていると、日本の出版文化のいろんな面が見えてくる。そのうちのひとつが“自費出版の本は薄い”ということだ
水道橋博士の話題の書、『藝人春秋』を読んだ。読む前に評判の声を各方面から聞いていたので、いまさらそこへ踏み込むのも気が引けるなあと、逡巡しつつ読んでみることになったが、そんな心配は杞憂だった。たしかにこれはすごい。 藝人春秋 作者: 水道橋博士出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/12メディア: 単行本購入: 54人 クリック: 1,028回この商品を含むブログ (69件) を見る本書は、博士が師匠として選んだビートたけしを筆頭に、兄弟子のそのまんま東、芸人の先輩であり俳優でもある石倉三郎、芸能界最強のアナウンサーと噂される草野仁、ホリエモンこと堀江貴文、バカみたいに天才過ぎる苫米地英人、他にもテリー伊藤、ポール牧、稲川淳二、甲本ヒロトなどといった芸人(コメディアンではない人も含まれるが、芸能人もしくはエンターテイナーと解釈すれば万事オーケー)たちの逸話集だ。 漫才師を本業とする
『松葉杖登山40年/横田貞雄著』(1974年/信濃路)である。 朝から飲めそうないい名前の版元さんから出ているこの本を、「珍スポーツ」などというカテゴリに入れてしまうのは大変に気が引けるが、とにかく素晴らしい本なので紹介したい。 本書の著者である横田貞雄は、大正三年、12歳の春に小学校を卒業した。貧農の家に生まれた貞雄は中学に上がることなく、そのまま長野県の醤油屋に小僧として住み込みの奉公に入る。 造り醤油屋での奉公仕事というのは苛酷だ。朝はだれよりも早く起きて雨戸をあけ、庭先から店の中、蔵の中までひと通り掃除をする。その後、店で売り出す味噌や醤油を、蔵にある大きな桶から店内の桶に移し替える。昼になれば、店番はもちろん、市内にある得意先への配達などの仕事が待っている。 奉公に入って3年ほど経ったある日。貞雄は右膝の裏側に小さい突起物があることに気がついた。これがすべての発端だ。しかし、奉公
2012年にとみさわが見た劇場公開映画のベストテンを記録しておく。 孤島の王(原題:Kongen av Bastoy/監督:マリウス・ホルスト) これまで見てきたなかでずば抜けてパンクな映画。パンクというのは過激という意味じゃない。持たざる者の魂の叫びだ。終盤以降の展開に血が沸騰した。噴出する怒りと獣に堕ちない理性が拮抗する。10代の頃の自分と50歳になったいまの自分が映画館の暗闇で闘った。2012年最高の一作。 第九軍団のワシ(原題:The Eagle/監督:ケヴィン・マクドナルド) 歴史上の謎とその真相、1対1の決闘、集団による戦闘、飛び道具、肉弾戦、追跡行、奇襲、生け贄、自己犠牲の精神、友情……。男子激燃え要素を山ほど詰め込んで114分におさめた手腕は見事と言うしかない。 ザ・ウーマン(原題:The Woman/監督:ラッキー・マッキー) 原作にあった背景設定を大幅に刈り込んでしまっ
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