現実経済の市場は、ミクロ経済学の反証に満ちています。ここに挙げているのも、その一つです。 完全競争市場ではなく、完全妄想市場、百歩譲っても完全願望市場と呼びたい程です。現実経済の市場をモデル化したものではなく、ミクロ経済学者の願望をモデル化したものと言えます。ミクロ経済学者の現実経済の市場がこうなっていて欲しいという願望をモデル化したものが、完全競争市場と言えます。 完全競争市場は、以下のような条件を満たすものとされています。 材の同質性 参加者の多数性(需要家や供給者の数が無限大と見なせる) 完全情報 参入・退出の自由 これらのうち、最も問題になるのが、「材の同質性」です。保有しているだけなら、「材の同質性」を満たしても、取引する際には、「材の同質性」を満たさないということが起こりえます。つまり、保有している「材」としては同質性を満たすが、取引する商品としては同質性を満たさないということ