[シンガポール 11日 ロイター] - 欧州全体の航空管制を統括する欧州航空航法安全機構(ユーロコントロール)は10日、今後72時間以内にシリアへの空爆が開始される恐れがあるとして、地中海東部の航行に警戒を払うよう航空会社に呼び掛けた。
シリア・アサド政権軍の空軍基地を標的にした米軍のミサイル攻撃をめぐり、被害状況などの説明で米国と政権側が食い違っている。死者は確認されていないとする米国に対し、アサド政権側は民間人を含む15人が死亡したとしている。また、米国は発射した59発すべてが基地に着弾したとするのに対し、同政権を支援するロシアは23発としている。 米国防総省によると、米軍はシリア時間の7日未明、地中海上の駆逐艦から、中部ホムス近郊にあるシュアイラート空軍基地を標的に巡航ミサイル「トマホーク」を発射。計60発のうち、発射に失敗した1発を除く59発が着弾し、戦闘機約20機のほか、武器庫、給油施設などを破壊もしくは損傷させたとしている。 一方で同省高官は、攻撃でロシア側に被害が出ないよう細心の注意を払ったと強調。基地には最大100人のロシア兵が駐留しているとみて、ロシア軍の施設や同軍戦闘機が駐機している場所は攻撃対象から外
中東を研究していて、本当に嫌になるのは、中東では政治が人間の邪悪さの競い合いになり、人間の弱さを、あらゆる意味で、無限に創造的な方法で、突くことが、最も有効な手法になることを目撃させられることだ。 「アレッポを陥落させて、米国もアサド政権容認に傾いていた時に化学兵器を使う必要はない」といった論評が聞かれる。アサド政権側も一斉にそう行った論理を用いて述べ立てる。しかし中東の政治の現実を、上辺ではなく、社会の人間関係から見ていれば、実際にはそういった論理では動いていないことがわかる。実際は、米国が容認姿勢に傾いたからこそ、ここで化学兵器を使ってみせ、それでも米国が黙認することを反体制派に見せつけることで、どれだけ残虐な行為をアサド政権が行っても、もはやどこからも助けが来ないと思い知らせ、戦意を挫けさせる。たとえ米国が軍事行動に出たとしても、アサド政権を倒すほどの規模は考えられず、その後は「被害
シリア北西部イドリブ県の反体制派が支配するハンシャイフンで4月4日、化学兵器の使用が疑われる空爆で、少なくとも72人が死亡した。呼吸困難やけいれんといった症状が見られることから、猛毒のサリンのような神経ガスや塩素ガスといった化学兵器が使用されたと疑われる。 化学兵器攻撃は、国際条約の重大な違反であるだけでなく、世界の指導者、活動家、人道支援に従事する人々への挑戦だ。 SNSなどで拡散された動画や画像には、地面でもがき苦しみ、ゆっくりとけいれんしながら口から泡を出している人びとの姿を映し出した。最初の攻撃からほどなく、戦闘機は犠牲者が治療を受けている近隣の病院を爆撃した。 人権団体や、ホワイトハウスをはじめとする欧米各国の政府は、この極めて凄惨な攻撃はバシャール・アサド政権によるものと結論を出し、激しく非難した。シリア軍は関与を否定している。 4日の化学兵器が疑われる攻撃は、これまでシリア軍
ところが今、にわかに関係を改善。 シリアの停戦をアメリカ抜きで実現させ、和平協議の再開に向けた調整も進めています。 ロシアとトルコの思惑、そして、シリア内戦への影響は? 現地からの報告です。 田中 「アレッポ陥落で、新たな段階へと進みつつあるシリア情勢。 今、そのカギを握るとも言われているのが、トルコとロシアの関係です。」 佐藤 「シリアでは、アサド政権、反政府勢力、過激派組織IS=イスラミックステート、それにクルド人勢力なども入り乱れて、内戦が続いています。 このうち、アサド政権をロシアが、反政府勢力をアメリカなどが支援し、いわば大国の代理戦争の場ともなってきました。 NATO加盟国でもあるトルコはアメリカとともに反政府勢力の側に立ち、ロシアとは対立する関係にありました。
(CNN) ドイツで開かれているミュンヘン安全保障会議で、ロシアのメドベージェフ首相は6日、欧米諸国との関係について「冷戦時代に後戻りしたといえるかもしれない」との見方を示した。 メドベージェフ首相は演説の中で、北大西洋条約機構(NATO)の対ロシア政策は「相変わらず非友好的かつ不透明」で、「新たな冷戦」を思わせる状況だと批判。「我が国はほぼ連日、NATOや欧州全体、あるいは米国に対する最大の脅威のひとつとして名指しされている」と不快感を示した。 欧米からみた関係悪化の原因は、ロシアによるウクライナでのクリミア半島併合や東部親ロシア派支援、そしてシリアへの軍事介入にある。シリア介入をめぐっては対テロ戦を主張するロシアに対し、欧米側は「アサド政権支援が主な目的ではないか」と非難する声が出ている。 一方、NATO欧州連合軍のブリードラブ最高司令官はミュンヘンでのCNNとのインタビューで、「NA
内戦が続くシリアで、クルド人勢力がロシア軍の空爆に支援されて事実上の支配地域を拡大しようとしているとして、トルコのダウトオール首相は強硬姿勢で臨む考えを示しました。 これについて、トルコのダウトオール首相は13日、記者会見で、砲撃はクルド人勢力がトルコ領内に攻撃を仕掛けてきたことへの報復だと説明しました。さらにクルド人勢力は、ロシア軍の空爆に支援されながらトルコの国境周辺の都市アザーズに対しても攻撃を始めたとして、ダウトオール首相は「この地域の民族構図を変えようとする動きだ。クルド人勢力のすべての動きに対して対策を取る」と述べ、強硬姿勢で臨む考えを示しました。 シリアのクルド人勢力について、トルコは国内でテロを繰り返す武装組織と同じテロ組織としているのに対し、ロシアだけでなくアメリカも、両者に直接の関係はないとして軍事支援を続けています。 トルコは、シリアのクルド人勢力が実質的な支配地域を
内戦が続くシリアと隣国トルコとの国境付近で、ロシアの爆撃機がトルコ軍に撃墜された事件で、ロシア側は爆撃機の乗員など合わせて2人が死亡したことを明らかにし、トルコとの軍事的な接触を中断するなど事実上の対抗措置を打ち出しました。 プーチン大統領は、ロシア機は領空侵犯はしていないと強調したうえで、「テロリストの手先がロシアの爆撃機を背後から襲った。2国間関係に深刻な影響を与えるだろう」と述べ、トルコを強く非難しました。ロシアのラブロフ外相は25日に予定されていたトルコ訪問を急きょ取りやめ、ロシア国民に対しトルコへの旅行を控えるよう呼びかけたほか、ロシア軍もトルコとの軍事的な接触を中断するなど、事実上の対抗措置を打ち出しました。 一方、トルコのエルドアン大統領は「トルコが自国の国境を守ることを各国が尊重しなければならない」と述べ、ロシアの爆撃機がたび重なる警告を無視して領空侵犯を続けたため撃墜した
(CNN) 第70回国連総会の一般討論演説が28日午前、米ニューヨークの国連本部で始まった。演説に立ったオバマ米大統領やロシアのプーチン大統領は、内戦が続くシリア情勢や過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」台頭の脅威に言及、紛争解決に向けた国際社会の連携を呼びかけた。 オバマ大統領は演説の中で、シリアのアサド政権がたる爆弾を落として「罪のない子どもたちを虐殺している」と非難した。ISISの台頭を許した責任もアサド大統領にあると主張。シリアのような国の「危険な潮流」によって世界の闇が深まり、秩序の混乱が広がる恐れがあると述べ、「ISIL(ISIS)のような破滅的カルト集団を受け入れる余地はない。同集団の掃討を目指す連合に米軍が加わっていることに誤りはない」と強調した。 その上で、テロの脅威や経済問題に対して国際社会が連携して対応するよう促し、「我々がもっと効率的に連携できなければ、
ワシントン(CNN) 米政府当局者は26日までに、シリアへの軍事介入を強めるロシアの複数の戦闘機がシリアへ飛来する際、飛行位置を知らせる装置「トランスポンダー」を切断していたことを明らかにした。探知を逃れる措置とみている。 シリアへ向かう際、戦闘機がトランスポンダーを作動させていた輸送機の至近距離を飛行する事態を米衛星がとらえていたという。 米政府当局者は先に、ロシアがシリアのラタキア市周辺で無人機の飛行を開始したことも明らかにしていた。ただ、同市近辺では過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の活動が確認されておらず、米政府はロシアによるシリアでの軍事活動の増強の真意を測りかねている。 ただ、ロシアはシリアの同盟国であり、ISIS掃討でアサド政権支援を軍事面からてこ入れしている可能性もある。 米国もISIS撲滅の軍事力を行使しているが、同時にアサド大統領の退陣も求めている。
ワシントン(CNN) ロシアがシリアで軍事介入を強めている問題で米情報機関当局が、シリアのアサド政権は長く続かないと判断し、その後の権力移行での影響力確保を狙う意図があるとの見方を強めていることが27日までにわかった。 オバマ米政権内でロシアによるシリアでの軍備増強の動機についての結論は出ていない。ただ、米国防総省や米軍も情報機関当局の分析を共有しているという。複数の米政府高官は先に、ロシアがシリアへ航空機、戦車やミサイルなどを派遣しているとの事実を明らかにしていた。 米情報機関当局は、アサド政権は今後数カ月は持つと予測。ただ、重要な支配地域の喪失などもあり同大統領の権力構造は今年に入り相当な程度弱体化したという。軍内の士気低下も進んでいる。 米政府高官はCNNの取材に、アサド政権崩壊に備え新たな権力掌握に動きそうな人物の特定作業などを進めていることを明らかにした。しかし、反体制派を含め権
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