鳩山由紀夫首相は10日、共同議長として出席したインドネシアでの「バリ民主主義フォーラム」で、「スピリット・オブ・ユーアイ」(友愛精神)を高らかに宣言し、持論の「友愛外交」を展開した。ただ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題では、日米同盟に関する基本理念も方針も示せないまま対米交渉を頓挫させ、当事者能力のなさをあらわにしている。米側が日米首脳会談に不快感すら表明する現状を、打開する道筋は一向に見えない。 「個人が『自立』し、多様性が尊重され、人々が尊厳ある生活の中で『共生』する社会を目指すものだ」 バリ島でのスピーチで首相は、こう友愛の理念を説いたが、移設問題では米国との共生よりも、自立ばかりを追求する姿勢が目立つ。 「今、鳩山首相をオバマ大統領と会わせるのはデンジャラス(危険)すぎる。大統領の本質はコールド(冷淡)だからだ」 政府高官は最近、知日派の米政府元高官からこうクギを刺さ