TBSラジオ『アフター6ジャンクション』のコーナー「週刊映画時評ムービーウォッチメン」。宇多丸が毎週ランダムに決まった映画を自腹で鑑賞して生放送で評論します。(コーナー前のメール読みゾーンにて)宇多丸:……はい、ということで。本当はさっき、オープニングで、このゾーンを使ってリスナ
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なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かしてツイキャスで喋る。 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。 今回は『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』です。 ※※※※※※※※※※※※※ さて、これは困った。困ったぞ……とここ一週間ずーーーっと思ってるんですよ。 まぁこれは悪いことなんですけど、どうしてもこうやって毎週映画の話をするぞ! と思ってると見る前から勝手に身構えてしまうわけですよ。つまり「この作品はこんな感じだろうから、ま~大体こういう映画評になるんだろうなぁ」って。 ただその事前に想定している通りになることってあんま無いわけ。そこらへんは良くも悪くもではあるんですが、それでも「やっぱ観ずに作品を語ることなんてできないよねぇ」って毎回強く思うし、事前の決め打ち通りにいかないことで「私はちゃんと作品と向き合えてるな」って安心したりもするわけですよ。 でね
細田守を応援してるけど、正直これは「全部どうでもいい話」かも。| 『竜とそばかすの姫』 | 映画評レビュー (C)2021 スタジオ地図 涙が出た。あくびで。毒舌の苦手な鈴ちゃんのために控えめに言ったとしても、最悪だ。なにこれ。僕は細田守のつくる映画が好きだ。好きだった。だからこそ、なおさらなのかもしれません。 (C)2021 スタジオ地図 スタンディングオベーションさながらの大喝采から、僕のようなネガティブな意見まで賛否両論。しかし否定的な観客も「絵と音は綺麗で荘厳だった」という部分には合意しています。けれど僕はそれすらも疑問です。 絵は綺麗。歌、魔力的。 しかしそれぞれがセパレートして味がバラバラ。 極上の刺身と、程よい温度のシャリを交互に食べているような感覚です。胃の中でいつか寿司になるのを待ってはみたけど、やっぱり肩透かしの空論でした。 シンガーの中村佳穂が演じるベルの歌唱は申し分
(C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会 言葉とは何だろう。言葉が通じるとは、話をするとは、どういうことだろう。言葉を使うことは否応なく、言葉を使わなければ出会うことのなかった深い深い孤独と対面することでもある。同時に、言葉がなければ見ることのできない祝福の光を浴びることでもある。そのような孤独の暗闇と、トンネルの先にある朝の海のような眩しい光とのあわいを、一台の赤い車が走ってゆく。 『ドライブ・マイ・カー』という映画について語る時、まず僕はこういった抽象的なイメージを語らなければならない。すぐさま細部を語るには、あまりにこの映画の引力が強すぎる。 文・すなば 1991年生まれ。会社員として働く傍ら文筆家として活動。海とシティが好き。2021年10月に初の単著『さよならシティボーイ』(トーキョーブンミャク)刊行。 →『さよならシティボーイ』について詳しくはコチラ 本当は誰も、同じ言
ジャックパーセルなんか、二度と履いてやるかと心に誓った。 エンドロールが終わり、立ち上がることができない。正直に打ち明けるならば、最初のモノローグの時点で、こうなることは分かっていたけれども。 たしかにこれは「良い映画」なのだろうと直感でそう思いました。が、しかしこの映画が僕に与える感情はいったい何だったのか、僕にはわかりませんでした。絶対故障だ。処理できない。けれど喪失感に似た得も言われぬ疲労が下腹にどんよりと残る。論より証拠。そうなってしまったのだから仕方ない。 (C)2021「花束みたいな恋をした」製作委員 非常識なくらい辛すぎる麻婆豆腐を食べたときのような、あるいは度を越えるほど甘ったるいチャイを飲んだときのようなーー。たしかに強烈な味がそこにあることはわかるけれど、具体的に詳細に述べることは困難で、とにかく今は水を求め喉をリセットしたい。たべるのがおそいせいかお腹がもういっぱいだ
今年10月27日、香港の立法機関である香港特別行政区立法会において、映画に関し過去へ遡った検閲処罰を可能とする条例改正案が可決された。香港では今年6月にも国家安全維持法に基づく検閲の方針が示され関係者に衝撃が走ったばかりだが、中国当局による香港映画への締めつけは留まるところを知らない。こうした流れに対し、表現の自由を尊重する観点などから香港映画の未来を危ぶむ声は大きい。危機を憂う心情に対しては共感を覚えつつも、外野でただ嘆いて済ませることを良としない立場から、ここでは直近の実作に即して香港映画すなわち香港電影の今後を展望したい。 『我が心の香港 映画監督アン・ホイ』は、丸ごと香港電影史とさえ言える、1952年に一家で香港へ移住した許鞍華(アン・ホイ)の一代記だ。長年の親交をもつ張艾嘉(シルヴィア・チャン)や劉徳華(アンディ・ラウ)ら香港スター俳優の出演をはじめ、徐克(ツイ・ハーク)、陳果(
CA1979 – 動向レビュー:欧州の図書館と電子書籍-従来の公共図書館よ、安らかに眠れ? / ベンジャミン・ワイト,井上靖代(翻訳) 映画評『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』 国際日本文化研究センター図書館:江上敏哲(えがみとしのり) 元・京都シネマ:谷口正樹(たにぐちまさき) 関西大学文学部:門林岳史(かどばやしたけし) 1. はじめに ワイズマン(Frederick Wiseman)監督による2017年公開のドキュメンタリー映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』(以下「本作」)が、2019年5月から日本でも公開された。舞台となった米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)は、蔵書数5,500万点、利用人数は年間1,700万人を超える、世界でも最大級の「知の殿堂」である(1)。ニューヨーク市の中心街・マンハッタンの5番街に面した本館は観光スポットとしても有名で、全体では
なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かしてツイキャスで喋る。 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。 今回は『さかなのこ』です。 ※※※※※※※※※※※※※ いやね、実は先週の映画評がめちゃくちゃスベってしまってwいまだに「なんでこれがウケんのじゃ!」とは思ってるんですけど……それでね、やっぱこう反応だけが目的でやってるわけじゃあないからそれはそれで良いんですけど、とはいえ多少はヘコむじゃん。それは結構がんばったものがウケなかったってことよりも「こんなに面白い映画のことを上手く伝えられなかった」ってことに対して。 だからね、今週は私的な大ピンチだったのよ。これで面白くない映画を引いちゃったら「今回はおやすみでーす!」ってなりかねなかったの。そしてこうやって話てるってぇことは、そうです!『さかなのこ』、まじド級の傑作だったのよ! たぶん「週に1本映画を見て話す」
なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かしてツイキャスで喋る。 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。 今回は『シン・仮面ライダー』です。 ※※※※※※※※※※※※※ 最初に見終わったときは「バカがよwww」ってなってたんですよ。いやだってさ、本郷とバッタオーグ2号が戦ったとき本郷は左足をぼっきり折られて。それでそのあとの展開でバッタオーグ2号が仮面ライダー第2号になるじゃない? 『仮面ライダー』で、藤岡弘、が撮影中の事故で左足を骨折して、その代わりとして仮面ライダー2号\一文字隼人が登場することになったという事実が、完全に”歴史改変ビーム(映画『スーパーヒーロー大戦GP(2015年)』で本当に使われた敵の技)”撃たれてんじゃんwwwつってめちゃくちゃ笑っちゃったの。 他にも『仮面ライダー』の強すぎる引用があったり、ていうかロボット刑事Kだし、チョウオーグはイナ
一週遅れの映画評:『アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~』伝説が、壮絶に、はじまる。 なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かしてツイキャスで喋る。 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。 今回は『アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~』です。 ※※※※※※※※※※※※※ いやぁ、もうねこれ70分ちょっとの映画なんスけど、言いたいことを全部言ったらたぶん700分必要になるんですよ。こんなんもう戦闘放棄ですわ。見てください、ドーン! おわりっ。 それでも一番感じたことを言うなら「あぁ、本当にこれで『アイカツ!』は終わるんだなぁ……」ってことで。いやね、『アイカツプラネット』もあったし、たぶん『スターズ』とか諸々を含めて『アイカツ!』っていう大きな枠組みは続いていくんだろうけど、それでもこの『アイカツ!』は終わるんだな、
週刊金曜日 2022年11/18号[雑誌] 関東大震災時、香川の行商人が千葉の自警団に殺害された事件の映画化。監督はドキュメンタリー畑の森達也。 イントロダクション 1923年9月1日11時58分、関東大地震が発生した。そのわずか5日後の9月6日のこと。千葉県東葛飾郡福田村に住む自警団を含む100人以上の村人たちにより、利根川沿いで香川から訪れた薬売りの行商団15人の内、幼児や妊婦を含む9人が殺された。行商団は、讃岐弁で話していたことで朝鮮人と疑われ殺害されたのだ。逮捕されたのは自警団員8人。逮捕者は実刑になったものの、大正天皇の死去に関連する恩赦ですぐに釈放された…。これが100年の間、歴史の闇に葬られていた『福田村事件』だ。行き交う情報に惑わされ生存への不安や恐怖に煽られたとき、集団心理は加速し、群衆は暴走する。これは単なる過去の事件では終われない、今を生きる私たちの物語。 ストーリー
なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かしてツイキャスで喋る。 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。 今回は『今日から俺は!!劇場版』です。 ※※※※※※※※※※※※※※ まぁそりゃ退屈ですよ。映画として、でもなくテレビドラマだったとしてもゲームしながら目の端で見てればそれで十分なぐらいには退屈。 でもね、たぶん時間帯とかもあったと思うのだけど、私が行った劇場だと若い人が、それも制服姿のまま来てる人たちがいっぱいいて。「ちょっと君らおばちゃんがお金あげるから別の映画を見なさいよ」とか言いそうになるぐらいの……完全に老害ムーブでしかないな、これw で、実際のところ興行は好調らしいじゃない?ええと、現時点だと……累計20憶突破か、すごいな。 これも最初ツイッターで見たときに「他に新作がねぇからだろ」みたいな悪態ついたけど、それは撤回する。だって私が見る映画の中でも
なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かしてツイキャスで喋る。 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。 今回は『花束みたいな恋をした』です。 ※※※※※※※※※※※※※ あの、先に言っちゃうと、これ「映画としてはそんな面白くはない」です。一組の男女が22歳で出会って26歳で別れるまでの話で、まぁ物語としては別段どうということもないわけ。 それでも、それでもね全然他人事にできないっていうか「あー……わかるぅ」って言葉しか出てこないのよ。だからたぶんこの作品のことはちょいちょい思い出すと思う。「別に面白くなかったけど、そうだよなぁ、そういう風だよなぁ」って温度で。 主人公たち男女が両方ともサブカルなのよ。オタクではなくサブカル、それも面倒くさいタイプじゃなくて爽やかカジュアル系の。 その出会いっていうのがひょんなことから同時に終電を逃してしまって、始発まで時間を潰さ
なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かしてツイキャスで喋る。 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。 今回は『漁港の肉子ちゃん』です。 ※※※※※※※※※※※※※ この作品て徹底して「対称であること」、えっと線対称とかっていう意味の「対称」ね。その対称であるって配置がされていて。 たとえば肉子ちゃんは太っていてブサイクで粗野なおばちゃんなのに対して、主人公のキクりんは子供ですっごく痩せていてかなりの美人だったり。主人公は質素でシンプルな恰好を好むけど友達はふりふりの服を好んで着てたり、そこに結構な貧富の差があったり、そういうわりと「極端と極端」みたいな対比が描かれているんですね。 それは舞台設定もそうで、漁港って場所なのに肉子ちゃんが働いているのは焼肉屋だったり……そういった配置が一番あらわれているのが原作だと主人公たちはその焼肉屋「うをがし」の裏手に居を構え
なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かして配信で喋る。 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。 今回は『ミュータントタートルズ:ミュータントパニック』です。 ※※※※※※※※※※※※ 『タートルズ』はですね、なんか私の涙腺をやたら直撃することがあるんですよ。2016年の『ミュータントタートルズ:影<シャドウズ>』もなんだけど、いまだに思い出し泣きするのが日本では2014年に放送されたテレビアニメ版の第1話で。 そのテレビアニメ版では、薬物の影響で亀のミュータントになったタートルズは、15年間ものあいだ地下の下水道で人目を避けて暮らしてきて、そこって完全に閉ざされた世界なわけですよ。そして15歳、思春期になった彼らは「外の世界」を渇望する。それって単に「狭い下水道はイヤだよ~」ってだけじゃなくて、自分たちの持ってる可能性とかを試したいって話なのね。 それはネズミ
最近観た映画 引っ越しやフリーランス生活でバタバタしている中でも、映画をいろいろ観てました。 今回は、話題作をレビューしまーす! トップガン マーヴェリック まだ上映している映画館もあるから、観てない人はぜひ観に行ってほしいんですけど、めちゃ面白かったです!! 「デンジャーゾーン」とか「賛美の世界」がガンガン鳴るから、それだけでなんか泣きそうになったぜ! ▼おなじみ!ケニー・ロギンスのデンジャーゾーン!▼ www.youtube.com ▼大名曲!!!サントラの一番最後に入ってる「賛美の世界」▼ www.youtube.com あ、もちろん当時、サントラ買いました。カセットテープで。 リンク なんで映画評なのにサントラばっかり・・・?と思うじゃないですか? 前作、観ました?あれ、面白かったデスカ? ワタシ、当時高校生で、家族で観に行ったの覚えてるんですよ。 帰りの道、家族誰一人として「面白
なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かして配信で喋る。 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。 今回は『プリキュアオールスターズF』です。 ※※※※※※※※※※※※※ あのですね、今回のタイトルに『F』ってついてて。それで一瞬、「これもしかして”ファイナル”のF……?」みたいな空気があったんですよ。プリキュアシリーズ終わるんかなぁ……って思ったとき、私の中にいる烈海王が「わたしは一向にかまわんッッ」って言い放っていたんです。 プリキュア、好きです。大好きです。その上でシリーズが終了することに対して「いいんじゃないかな?」と思う部分がある、というか「終わるのかも」と思ったときに自分でも意外なほど「終わってもいいかもしれん」と感じていたと言うのが正確かも。 えっとね、女児向けの4クール作品はこの世にあるべきで、現状まともにそれが出来ているのってプリキュアシリーズぐ
なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かしてツイキャスで喋る。 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。 今回は『ONE PIECE FILM RED』です。 ※※※※※※※※※※※※※ いや~~~~~、困った。実を言うと私、『ワンピース』ほっとんど知らないんです。原作でいうと9巻、ゾロと鷹の目とかいうのが初めて会ったあたりで止まってるんです。だから今回の映画見てても8割方知らん人しか出てねぇっていうwトラファルガーとかいう名前は知ってるけど能力はわかんないとか、トビー?ん?コビー?初めてみるお顔ですわね……って感じで。 ただそれで凄いなと思うのが、映画の120分間。ほぼ退屈せずに見てられたんですよ。というか『ワンピース』ぐらい長期でやってる大人気コンテンツともなると、観客の理解度って絶対一様にはできないわけですよね。週刊少年ジャンプで毎週最新話追ってる人、単行本
[映画評] Ryuichi Sakamoto : Playing The Piano 2022+ @109シネマズプレミアム新宿 Ryuichi Sakamoto : Playing The Piano 2022+ @109シネマズプレミアム新宿 一旦は料金が高すぎて断念したけど、浜里君a.k.a.ニッポニア・エレクトロニカの熱い説得に説き伏せられ、見てきました。チケットを浜里君が抑えてくれたので、少し安く済んだ。言うまでもなく、昨年末に配信された坂本龍一最後のスタジオライヴの映画版である。もちろん配信版は見ている。 結論から言えば凄い体験だった。見て良かったと心から思う。といっても、この体験をうまく言語化するのは難しい。 まず誰でも感じるであろうことは、音響がとにかく素晴らしい。教授が監修した劇場と言っても実際の音響設計にどれだけ関わってるか不明だが、増田義一a.k.a.Invisibl
なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かして配信で喋る。 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。 今回は『バービー』です。 ※※※※※※※※※※※※※ これが色んな人が、色んな方向から怒るのは当たり前の話なんですよね。だって全方位に石ブン投げてるわけですから、目につくもんに片っ端から殴りかかってる作品で。そして根っこがパンクでアナーキストの私は思うわけです、「オイオイオイ! 最高じゃねぇか!」って。 そもそも冒頭の赤ちゃん人形粉砕シーンからしてめちゃくちゃ良くて。 あれは「バービー人形がどれほどのインパクトだったか?」という説明シーンなわけですよ。赤ちゃんを育てる”母親”に女の子はなりたがっている、というステレオタイプをブッ壊してセクシーな大人の女という像が憧れの対象になった。そのイコンとしてバービーというのを描いている。 あそこで赤ちゃん人形を地面に叩きつける
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