2022年3月17日、ドイツ・ベルリンのドイツ連邦議会で演説するウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(C)EPA=時事 経済の血液であるガスが人質となり、プーチン露大統領は「ものづくり大国・ドイツ」の生殺与奪の権を握っている。シュレーダー・メルケル両政権が政経分離で推進したエネルギー重商主義は、ほどなく「中国依存」というさらに死活的な問題にも直面する。 ドイツの対ロ政策の失敗を、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が端的に表現した言葉が、私の心に残っている。彼は3月17日にドイツ連邦議会の議員たちに向けてリモート演説を行った。日本の国会議員に向けたリモート演説とは異なり、ゼレンスキー大統領の言葉は鋭い批判に満ちていた。 「我々は戦争が勃発する前に、ロシアがウクライナへの侵攻を思いとどまるように、厳しい経済制裁措置を発動してほしいとあなた方に要請した。しかしあなた方はロシアとの貿易を