世界史ほどイヤなものは無かった.一生、世界史と離れて過ごしたかった.そう思っていた.この本と出会うまでは.目から鱗が落ちる、という本に久しぶりに出会った. 高校の社会科で、まごうこと無く「地理」を選んだ理系の僕は、世界史や日本史を選択するヤツの気が知れなかった.1000年の昔にどこの国がどの国に攻め入って、誰が皇帝になってどういう政治をして、でどの国が滅んで.それ何なん?どこがオモロいん?今の僕の人生になんか役に立つん?「地理」やったら、いまその土地に住んでいる人がいて、将来そこを訪ねるかもしれん.何より、地図が面白かった.自分の土地と比べて、ああそんな土地もあるんや、と想像できる. 僕は高校以来、世界史をあえて避けてきた.本屋でも絶対にそのコーナーには近づかなかった.自分の世界史の知識は、中学の社会と、高校で無理矢理教わったギリシャ時代まで、で終了していた. ある日、阪大の仲野センセとい