特殊浴場、または個室付浴場などと称されることもある「ソープランド」は、わが国の風俗店の中でも最高峰とされ、その評価は極めて高い。このソープランドが、かつては「トルコ風呂」と呼ばれていたことを覚えている人も、年々少なくなっているように感じられる。 広岡敬一氏の『トルコロジー』(晩声社)によれば、「トルコ風呂」という名称が登場したのは、昭和26年(1951)、東京の銀座にオープンした「東京温泉」が最初だという。当時はまだ着衣の女性がマッサージしてくれる程度のサービスだったが、昭和33年以降になると風俗店としての体裁を整えるようになっていった。 ところが、このトルコ風呂の名称に異議を唱えたのが、トルコ人のヌスレット・サンジャクリ氏(30)。彼は以前、東京大学地震研究所に留学していた際、自らの祖国の名がついた入浴施設に興味を持ったものの、その実態が自国のいかなる施設とも関係がないことに驚いた。 そ