【ワシントン=山本秀也】クジラなどの海洋生物に有害だとして、米環境保護活動家らが海軍にソナー(音響探知機)の使用差し止めを求めていた裁判で、米連邦最高裁は12日、「国防の公益性が優先される」との判断を示し、保護団体の訴えを退けた。米国で広がりをみせる鯨類保護の主張に対し、司法が下級審の判断を覆して保護の限界を明確に示す判決となった。 この裁判は、カリフォルニア州沖の北太平洋で米海軍の艦船が対潜訓練に使用するアクティブ・ソナーが、クジラやイルカの座礁死を招いているとして、環境保護活動家らが北太平洋海域でのソナー使用を規制した米環境法令を根拠に訓練の制限を求めていた。 1、2審判決は、いずれもクジラなどへの被害を認め、中周波のソナー使用を差し止めるよう海軍に命じていた。これに対し、政府側は「ソナーを使った対潜訓練は国防上重要だ」として、連邦最高裁に上告。ブッシュ政権は、控訴審判決後も「国防