京都大学と大阪ガスが共同で開発した技術は「熱輻射(ふくしゃ)光源」と呼ぶ。この光源に1000℃程度の熱を加えると、太陽光のうち波長の短い可視光~近赤外線だけを放出する。太陽光のスペクトル(分光分布)の中で、太陽電池で発電できるのは可視光~近赤外線の狭い範囲にある波長の光だけだ。熱輻射光源から放出する可視光~近赤外線を太陽電池に当てることで、通常と比べて2倍以上の効率で発電できる(図1)。
産業技術総合研究所(産総研)は7月28日、太陽光発電などで求められていた、直流電流を高精度に測定できる携帯型の電流計を開発したと発表した。 産総研の物理計測標準研究部門(応用電気標準研究グループの堂前篤志主任研究員、量子電気標準研究グループの金子晋久研究グループ長)と、寺田電機製作所(東京都町田市)が共同で開発した。 60Aまでの直流電流を、電気配線を切断せず、挟み込むだけで電流を測定できるクランプ型センサーを使い、精密に測定できる電流計で、アタッシュケースに収め、寸法が406×499×192mm、重さが約8.2kgとした。 電気設備の開発や運用に欠かせない電流の計測において、計測する電気配線への着脱が容易な利点がある、クランプ型の電流センサーが広く使われている。 しかし、クランプ型の電流センサーには、使用環境の影響を受け、計測値に誤差が生じてしまうため、測定精度の向上に限界があった。特に
総額296億円の国家予算で実施する「大型蓄電システム緊急実証事業」の対象が2件に決まった。北海道電力と東北電力がそれぞれ1カ所の変電所に大型蓄電池を導入して、太陽光や風力発電設備からの出力変動に対応できる技術を5年間かけて検証する。 このまま北海道で大規模なメガソーラーや風力発電設備が増えていくと、送配電ネットワークが電力を受け入れられなくなってしまう。こんなショッキングな事実を経済産業省が発表したのは4カ月前のことである。 その際に緊急対策として総額296億円の予算を確保して、大型蓄電池を使った実証試験に取り組むことも表明した。このほど実証試験の対象が2件に決まり、導入する蓄電池の仕様や設置する変電所の場所が公表された(図1)。 1件目は東北電力が宮城県の「西仙台変電所」で実施する。蓄電容量が2万kWhのリチウムイオン電池を設置して、太陽光発電や風力発電の出力変動に伴って生じる送電時の周
沖縄でも北海道に続きメガソーラー(大規模太陽光発電所)の設置には大型蓄電池の併設が必要になる。写真は、北海道の稚内メガソーラーに併設した大型蓄電池(出所:日経BP) 経済産業省と沖縄電力は12月3日、沖縄本島における大型太陽光発電(出力300kW以上)の系統電力網への接続に関し、現状の設備・接続条件を前提とした場合、2013年12月中にも限界に達すると発表した。同島での太陽光発電の接続申し込み量は現在、50MW程度となっており、早ければ12月中にも接続限界の目安である57MW程度に達するという。太陽光発電の接続量が接続限界に達した場合には、速やかに太陽光発電事業者に通知するとともに、沖縄本島における系統規模や太陽光発電の接続量の限界に至った事情について説明するとしている。 接続限界に達しても、発電事業者が自らの負担で必要とされる規模の蓄電池を設置する場合は、引き続き接続することが可能になる
電力は貯蔵できる、これがNAS電池のうたい文句だ。小型化にこそ向かないが、大容量で大出力のシステムを作りやすい。2011年の火災事故を受けて、出荷が途絶えていたが、このほど新規受注に成功。再生可能エネルギーとの組み合わせにも向くため、風力やメガソーラーが急速に伸びている国内にも適するだろう。 日本ガイシは2013年5月、NAS電池システムの供給に関して、イタリアの大手送電会社Ternaと基本契約に合意したと発表した。Ternaはイタリア南部*1)の複数箇所の変電所にNAS電池システムを分散設置する計画だ。Ternaによれば、欧州において電力系統に大容量蓄電池が導入される初の案件だという。 *1) イタリアでは2012年の太陽光発電による発電量が前年比72%増、風力発電が増34%増と拡大している。さらに、イタリア南部は人口1人当たりの太陽光発電システムの導入規模がドイツ南部やスペイン中央部、
住友電気工業は同社の横浜製作所(横浜市栄区)に集光型太陽光パネルを利用した自家発電システムを建設し、7月24日から稼働を始めた(図1)。集光型太陽光パネルは、太陽光パネルの上に集光レンズを配置したもの。レンズで集光した強い光を太陽光パネルに当てる。発電素子に特殊な材料を採用しており、発電効率はシリコンを利用した市販の太陽光パネルの約2倍となる。 今回稼働を始めた自家発電システムでは、集光型太陽光パネルを15基設置し、最大発電量は100kWになるという。さらに、2013年3月末には集光型太陽光パネルを28基に増設し、最大発電量を200kWまで引き上げる予定。 太陽光発電は天候によって発電量が変わり、電力の安定供給が難しいという欠点がある。そこで今回の自家発電システムでは、大型蓄電池を組み合わせる。集光型太陽光パネルで発電した電力を蓄電池に充電し、必要なときにいつでも電力を利用できる環境を作る
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