世界を驚かせたあの采配を、日本代表の西野朗監督はロシアW杯で再現しようとしている。 「ああいう大舞台でああいう采配ができるのは、指導者として憧れますよ」 西野監督が真っ直ぐな憧憬を抱くのは、2002年日韓W杯で韓国を率いたフース・ヒディンクである。決勝トーナメントでイタリア、スペインを撃破したオランダ人指揮官の采配に、強烈な印象を受けたと言うのだ。 イタリアとの決勝トーナメント1回戦は、前半に失点した韓国が追いかける展開だった。0-1で迎えた後半、ヒディンクは63分、68分、83分と交代のカードを切っていく。3枚目で交代させたのはキャプテンでリベロの洪明甫(ホン・ミョンボ)だった。 そのたびに、システムもめまぐるしく変わっていく。韓国は88分に1-1の同点へと持ち込み、延長後半終了間際のゴールデン・ゴールで大金星をあげたのだった。 瞬時に勝つための判断を下していた。 スペインとの準々決勝で