書籍
ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」はごく控えめに言って、ドーキンスの「利己的な遺伝子」だとかジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」と同じくらいか、それ以上に広く読まれるべき大変重要な一般向け科学書ですが、まあ、それはそれとして。 …
電子書籍には様々な夢がかつて詰まっていたが、その夢の中の一つに「絶版のない豊富なラインナップ」というものがあった。 紙の書籍では入手困難なタイトルでも電子書籍ならば手に入れることが出来る。そんな世の中になるのではないか、と。 それは夢とは違…
うふ。 kindle注文しちゃった。3Gの奴。 届くのは12月。ちょっと楽しみだわー。 でね、kindleストアも使ってみようと思って、で、適当に自分の興味で検索して、引っかかってきたのが高井研「生命はなぜ生まれたのか」。 生命の起源を探る、実に真面目な本…
さて、結構時間がかかってしまったのだけれど、今日、「ミトコンドリアが進化を決めた」を読み終わりまして、これで邦訳されているニック・レーンの本は三冊とも読んだことになります。 「生と死の自然史」「ミトコンドリアが進化を決めた」が各論で、「生命…
私ことHN旅烏、36歳男性独身異性愛者非童貞は、「昭和元禄 落語心中」をかなり楽しく読了したクチであります。 「このマンガがすごい! 2012」のオンナ編で2位にランクインしたことで世間の耳目を集めているこの作品、作者の雲田はるこさんはBL畑の…
なんかね、読書メーターでそんな企画があったんで、自分のブログでも取り上げてみようかと。「不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生」(レベッカ・スクルート/講談社) ある黒人女性の細胞がどのような数奇な運命を辿ったかの物語であると…
乗り遅れた感があるのですが、「錯覚の科学」を読了しました。 自分はデマに踊らされていないと思っている人は、特に読むべきです。読まないだろうけど。 デマに騙されない人間なんていないし、ホモが嫌いな女子なんていないし、飛影はそんなこと言わないし…
20世紀後半を代表する進化生物学者であるスティーブン・ジェイ・グールド最後のエッセイ集「ぼくは上陸している」がようやくのことで翻訳されたので、喜び勇んで読了しました。 グールドは最後のエッセイ集でも絶好調です。既に病魔に侵されていたなどとはと…
「不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生」を読了しました。 タイトルにもなっているHeLa(ヒーラ)細胞とは、1951年から現代にいたるまで世界各地で培養され続けているヒトの癌細胞です。医学の進歩に多大なる貢献をしています。ポリオ…
ものすごい傑作です。個人的にはオールタイムベスト級ですわ。 つまり(個人的には、ですが)「スキズマトリックス」「暗闇のスキャナー」「スローターハウス5」「接続された女」「ハーモニー」「グラン・ヴァカンス」「Self-Reference ENGINE」「あなたの…
Amazon.co.jp ウィジェットラファティの短編集「翼の贈りもの」を読んだんですけどね…… なるべく、楽しめなかった本の感想は書かないようにしているんですけどね、角が立つし…… でも、これはいかんでしょう。 みなさん。ラファティはこんな辛気臭い作家じゃ…
先日、久しぶりに新潟に帰省したのですが、新潟へ向かう列車の中で「偉大な記憶力の物語」を読み終えました。 これはものすごい本ですね。全く素晴らしい。 「事実は小説より奇なり」という言葉には手垢がついて久しいですが、奇であるにも程があるだろ、と…
最近落語に夢中になりつつありまして。 平安寿子の「こっちへお入り」を購入したのも、寄席の帰りに本屋に寄ったら目に入ったからです。落語ミステリは買ったことも読んだこともありましたけれど、33歳の独身OLが主役の落語を題材にした小説となりますと…
「華竜の宮」少し前に読了しました。 かなりおもしろいです。夢中になりました。傑作といっていいんじゃなかろうかと思います。 ここ数年、日本のSFは元気だと思うのですけれど、話題になった作品は(「天冥の標」を大いなる例外としますと*1)とんがった…
私はどこからどう見ても文系でサイエンス的な素養は全くなく、数学大嫌いな人間なんですが、進化論についての一般向けの本を読むのは大好きでして。 そんな私が面白がってきた本を並べてみたら、私みたいに面白がりたい人へのブックガイドにならないかな、な…
天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)作者:小川 一水早川書房Amazonというわけで、「男の娘は戦艦館長!? 3 天冥の標」を読了しました。 僕はサー・アダムス・アウレーリア。よく間違われるけど、歴とした男性。 世に名高い宇宙戦艦エスレルの少…
夏になるとなぜか出版社や書評サイトが活発化するわけでして、色んな人が色んな切り口でオススメ本を推薦してくれます。 この「虐殺器官」は話題作ですし、やたら面白いですので、オススメの本として上げる人も少なくないのではないかと思います。 このエン…
生命進化の物語作者:リチャード サウスウッド八坂書房Amazonリチャード・サウスウッドの「生命進化の物語」を読みました。 最初の生命から現在まで生命がたどった進化の歴史を概観する本で、同趣向の本としてはドーキンスの「祖先の物語」やフォーティの「生…
昨日からつらつら考えていることがあって、まだまとまっていないのですが、書き出してみようかと思います。まず、我が家には購入したものの未読のまま積んである「積読」という奴が、かなりあります。多分1000冊以上。 多分、実家にはもっとあります。 良い…
というわけで、hon.jpで星雲賞受賞長編を検索してみて、暗澹たる思いになっているところに、id:copyrightさんから「いや、電子文庫パブリであるぜ、ベイビー」という趣旨のご指摘が。 なんでhon.jpを使って検索したかと言うと、ケータイ(いわゆるガラケーっ…
前のエントリで、星雲賞を受賞した日本のSF小説がどのくらい電子書籍化されているのか、極々簡単に調べてみたわけですけれども、同じことを海外SF長編でもやってみよう、と、そういった次第でございます。 とはいえ、まあ、予想どおりでございますな。 受賞…
なんか、世は電子書籍元年だか電子書籍リーダー元年だかで大騒ぎだそうでございまして。 まあ、今まで購入した紙の書籍を死ぬまでに全部読了出来るかといいますと、そんなん無理に決まっているので、縁がないといえば縁がない話なんでございますが。 それは…
ヨタ話みたいなもんなんですが、少し前から思っていたことがあって、備忘録がわりに書きつけておこうかと思いましてね。 「電子書籍」と聞いて連想するのが今のところなんなのかと言うと、まあぶっちゃけ、テキストが詰まったファイルじゃないすか。青空文庫…
最近、読書量が減ってしまってなあ。歳なのかね? 体力の問題なのかね? いや、最近の本がつまらなくなったなんていうことはないんだよ。だって、むしろ読む本読む本素直に楽しめているし。 たしかに、ここ数年、小説以外の本を読むことが多くなってね、いや…
「この本を読んだ人はこの本も読んで欲しいと思っています」というオススメを挙げてくれるサービスってないものですかねぇ? 現在、使う上でそれに一番近いのがAmazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という、つまり売上データを元にした…
夜中に起きてしまったので、「本屋の歩き方」の本屋ナビと、GoogleMAPを使い比べてみた。 「本屋の歩き方」というのは、凸版印刷が始めたプロジェクト。要は本屋や読書を盛りあげよう、というもので。ニュースリリースはこちら。 凸版印刷|ニュースリリース…
第23回 緊急提言「本屋をLANのホットスポットやすれ違いスポットに」 | ポット出版これをその提言の通りやっても失敗するだろうなあ、と思います。 なぜかというと、本屋にこれらの設備があるよりも、本屋以外にこれらの設備があった方が便利じゃないかと思…
2月14日に浅倉久志氏が亡くなられたそうである。死因は心不全とのこと。79歳。浅倉久志氏を讃えたり惜しんだり分析したりする文章が少なくない数、ネットにアップされたり雑誌に載ったりするに違いない。なにせ、この人の翻訳がなかったら、SFというカ…
ぼんやりとした頭で、紙の書籍というのが電子書籍に勝っているところってなにかなぁなどと考えておりまして・書き込みできる・付箋を貼れる・風呂で読める・売却できる・サイン会イベントとかできる・宣伝のノウハウについては電子書籍に比べればまだマシ・…
アリの背中に乗った甲虫を探して―未知の生物に憑かれた科学者たち作者:ロブ ダンウェッジAmazonいや、この本がめちゃめちゃ面白かったのですよ。だもんで宣伝します。この本では「生物界における人間の存在が思った以上に小さい」「われわれが生物界の中心で…