竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

再び「平和」の意味が問われている

2008年11月02日 | 政治
ついに出ました・・という感じですが、航空自衛隊の幕僚長が「日本が侵略国家だというのは濡れ衣」などと主張する論文を発表し、防衛大臣から更迭をされました。すばやい更迭などと評価している場合ではなく、なぜこういう考え方の人間が、自衛隊の征服組のトップになることができるのか・・という、深い底流に意識がいかざるを得ません。

問題の田母神幕僚長は、長い雌伏の末に思い切ってこの論文を書いたのではありません。どのマスコミを見ても、常日頃から確信犯的に同様の主張を展開していた人物として報道されています。「どこまで制服組の発言が許されるのか、パイオニアになろうと瀬踏みしている印象もあった」と述べている制服組幹部もあるようです。

つまり、堂々とこれまでも政府見解と違う主張をしている(そのこと自体は勝手です)人を、政府はどんどんと出世させ制服組のトップにまで据えた。トップが堂々とそういう主張をした場合、その部下たちは「違う」と言えるのでしょうか?いや、むしろ、その主張が暗に政府に支持されているものと思ってしまうのではないでしょうか?

私は田母神幕僚長の発言そのものも問題ですが、それ以上に、そう人をトップに据えたこの国の政治のシステムの危うさを問題視しなければならないと思います。

その政治をしっかりとコントロールすべき内閣は、いまだ事実上の暫定政権が居座っています。
福田総理の突然の辞任、後任は麻生、その就任後に総選挙という暗黙の了解があったはずでが、解散時期を失して迷走状態に入っています。
政治の空白はつくれない、金融危機への対応が第一など、いくらでも口で言うことはできますが、総選挙で政権を去ることが危ぶまれる政権が何を打ち出しても、それは「暫定」政策でしかないのです。
早く確たる政権をつくり、政治を安定させて、いろいろな政策をまとめて行く必要があるのです。

「政局よりも政策だ」という麻生首相の言葉は、そのまま自分に向けられるべきです。

本来は、麻生政権のような「死に体」内閣は、野党側の大攻勢で一気に総辞職に追い込まれるものだと思います。
ところが、それができない民主党のひ弱さが、この内閣の延命を助けているのではないでしょうか?
その最たるものが、この臨時国会でのインド洋に自衛隊を派遣するための新派遣法、かつて私がブログで書いた言葉でいえば、テロ特新法の扱いです。
態度は反対だが、衆議院での審議入りを認めるという形で、衆議院での可決に「協力」をしました。
国会では、反対だが成立に協力するという不思議な立場というのがあるのです。
すでに衆議院を通過させてしまいましたから、これから参議院では徹底抗戦だといっても、衆議院での可決から60日後に自動成立という規定によって、放っておいても成立するのです。

この事実上の閣外協力路線の理由が、審議を早く終わらせ早期解散をさせるためだというのですから、不思議な作戦です。
審議が早く終われば、次の案件も、次の案件もとなるのは必死で、そのすべてを成立させてあげるつもりだったのでしょうか?
そもそも、全面対峙して1件たりとも成立させない・・というのが、内閣を解散に追い込む定石ではないのでしょうか?
参議院では圧倒的多数を取っているのですから、それができたはずなのです。

そういう闘い方をしていれば、田母神幕僚長の論文が出て来たいま、もう麻生内閣はもたない・・というマスコミの見方も出ただろうに、と思います。
攻め方を失敗している民主党、作戦を誤った本岡国対委員長を更迭するぐらいのことをして、決意を見せるべきでは、と思います。








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