
先日友人たちと行った加西市への撮影遠足は、カメラが趣味のようになってきていることの象徴的なイベントでした。
始めたばかりで、上手な写真が撮れるほどにはまだまだなっていませんが、撮るのも楽しいし、カメラ本体やレンズについて考えるのも楽しい。
特にレンズにはすごい魔力があって、きっといくらでも欲しいと思わせるところがあるのではないかと、うすうす気付いています。
あのレンズを自分のカメラにつけるとどんなふうに撮れるのだろう、きっといい写真が撮れるに違いないと思ってしまうのは、万年筆に対する好奇心と似たところがあります。
あの万年筆なら自分が今使っている手帳にちょうどいい太さの文字が気持良く書けて、自分の仕事がもっとよくなるに違いない、そしてあの万年筆を使っている自分はきっとカッコ良く見えるに違いないと夢を見せてくれる。
カメラのレンズにはズームや短焦点があって、それぞれ倍率があって、用途にピッタリと合えばより理想的に風景を切り取ることができたり、その空気感のようなものを撮ることができたりするはず。
先日の撮影遠足のようにひたすら移動して、長い距離を歩いて写真を撮るような時はきっとズームレンズが重宝して、実際に私も分らないなりに2本のレンズを持っていったけれど、望遠レンズ代わりに使っている倍率の大きなマクロレンズはほとんど使うことがなかった。
でも短焦点レンズの抜けの良さ、写りの良さを言う人もいたりして、それぞれに良さはあるのかもしれないけれど。
自分が撮りたいと思うものや撮る場所によってレンズの倍率はある程度決まっていて、例えば店の中で撮ることが多いので90mm(マイクロフォーサーズなので実際は45mm)はなかなか使わない。
小さな文字を書くことが多いのにBのペン先を持っていてなかなか使う機会がないという、ペン先と字幅の選択と同じ、最低限の理のようなものがあることが分ってきました。
カメラと万年筆の変な共通点のようなものがあったりして、自分の仕事とカメラを結びつけて考えるのは面白い。
つい最近までお客様との会話は靴の話が多かったけれど、最近はカメラの話が多くなっている。
靴も相変わらず好きだけど、カメラの話が多くなるのは当たり前で、店のテーブルの上に今使っているわけではないのにカメラが置いてあるので、カメラに話にならないはずがない。
でも興味のあることがひとつずつ増えて、それらに仕事を無理やり結びつけて考えることができて、仕事にフィードバックできることがあるというのは、何とも幸せなことなのだと思っています。