カエルくん(以下カエル)
「では3月度のランキング記事だけど……この手の記事の更新速度を上げないとね」
亀爺(以下亀)
「もう4月も半ばじゃよ……
3月の頭に公開された映画じゃと、もう公開が終了しているものもあるじゃろう」
カエル「一応言い訳させてもらうと、3月公開で見たかった映画で後回しになってしまった作品もあるしさ、それを見てからこの手の記事を書こうとは思っているわけだけど……
でも、実際のところは毎週毎週見たい映画が増えていくから……どうしても追いつかないってことになりがちでね……」
亀「最近じゃと『クーリンチェ少年殺人事件』や『わたしはダニエル・ブレイク』などがその候補になるかの」
カエル「小規模公開の映画は特に場所や時間も限られるわけで……移動時間も考えるとなかなかね」
亀「その条件はみんな一緒じゃがの」
カエル「これからは少し見切りをつけていったほうがいいかもね。どうせ見ないんだし、と割り切っちゃうか、次の月に回してしまうか」
亀「そう言った思い切りも必要かもしれんの。
それでは3月度のランキング記事を始めるかの」
カエル「ちなみに今月は大激戦です! 他の月なら1位もありうる作品が何本もあって……5作品に絞るだけでも精一杯!
その分、趣味が出た形になります!」
対象作品
3月公開で記事にした作品
(文字リンクをクリックすると記事に飛びます)
チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~
タレンタイム〜優しい歌
以上15作品
記事にしていない作品
ラビング 愛という名前のふたり
以上16作品がノミネート
記事にしたけれど公開3ヶ月以上過ぎているため対象外の作品
特別興行なためノミネート外の作品
TAAF(東京国際アニメフェスティバル)上映作品
『手を失くした少女』
100年前の無声アニメーション
『なまくら刀』
『蟹満寺縁起』
『こがねの花』
『動物オリムピック大会』
第5位
チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話
作品紹介
福井のチアダンス部が全米制覇するまでの、実際にあった出来事を描いた作品。主演は広瀬すず。
若手女優たちのチアダンスシーンや、夢を目指すということ、チームとして強くなるためには仲良しごっこではいけないといったようなテーマを扱っている。恋愛描写は少なめであり、女性向けの恋愛映画というよりはスポ根ドラマとなっている。
カエル「これは賛否はあるよね。演出が派手だし、それがギャグ調になっているけれど、それが受けれ入れられるか否かによって印象が変わるかも……」
亀「本作が伝えるメッセージ性などは評価する一方で、その音だったり映像の演出などが観客との相性がある作品じゃの。わしなどは『まあ、そういうものか』と思いながら観ておったが、耐えられない人は耐えられないかもしれん。
その意味では女子中高生向けの映画らしいといえばまさにその通りじゃ。大人を対象にしていないと言えるかもしれん」
カエル「だけど、それ以上にメッセージ性が素晴らしくて!
記事でも言及したけれど、この作品のタイトルの余計な部分に思える『〜ホントの話』という言葉が確かに映画としては余計なんだけれど、だからこそ無視できないものになっているというか!」
亀「この作品は本当にあった出来事じゃから、現状に甘えることなく挑戦することを説いた作品でもあるの。
他にも様々な要素が絡み合い『応援する』というチアリーディングの映画の意義がある、素晴らしいメッセージが詰まった作品じゃな」
第4位
PとJK
作品紹介
亀梨和也と土屋太鳳が主演を務める恋愛映画。女子高生と警察官が恋愛し、結婚するという現実的ではない内容、さらには予告編などからも典型的な『恋愛映画』『スイーツ映画』のようであるが、実はそうではなくて……
カエル「これは意外な作品だったよね!」
亀「土屋太鳳と亀梨和也で少女漫画原作、しかもその予告の内容などからも誰もが恋愛映画じゃと思ったようじゃが……意外や意外、これが『男の継承の物語』になっておった」
カエル「記事でも語ったけれど『恋愛描写なんてどうでもいい!』って思わせるものがあるんだよ! じゃあ、何が描かれているのかと恋愛のその先にあるもの……それこそが大事なわけで!」
亀「恋愛とは『好き』『嫌い』だけではない。もっと大切なことがあるじゃろう。
なぜこの作品が警察官を題材に扱っているのか? その意味を考えてみると、非常に奥深い作品でもあるの」
第3位
SING
作品紹介
アメリカのアニメ制作スタジオ、イルミネーションが送り出す音楽映画。多種多様で特別な事情を抱える動物たちが音楽を通して、自己実現を果たす物語。
作中に流れる有名アーティストの楽曲が60曲以上扱われるなど、音楽映画としても見どころの多い作品。
カエル「この月はディズニーのモアナとイルミネーションのSINGの戦いだったけれど、このブログではこちらの勝利!」
亀「モアナも傑作じゃったのじゃが……最近のディズニーはポリコレに配慮しすぎているきらいがあっての。この作品の登場人物はどうしようもない動物たちもたくさんおるのじゃが……
それがディズニーには出せない味となっておる。そしてその登場人物たちがもがき苦しむことによって、この作品のメッセージはとても深いものになっておるのじゃ」
カエル「モアナが『選ばれし者の冒険』だとしたら、こちらは『運命に背かれた動物の挑戦』の映画でもあるんだよ」
亀「ゴリラのジョニーなどは黒人問題を連想させたり、それから子沢山の主婦やロクデモナイネズミなど様々な問題を抱える動物たちが高らかに歌い上げる姿……これこそまさに見事!
わしはメッセージ性も深い、とんでもない完成度を誇る映画じゃと思う。
あと、吹き替え版も素晴らしいので字幕と合わせて2回見たい映画じゃの!」
第2位
タレンタイム〜優しい歌
作品紹介
他民族社会のマレーシアのとある高校で、毎年恒例の音楽祭『タレンタイム』が開催されることになった。そこに出場する子供たちはそれぞれ複雑な事情を抱えているが、それを乗り越えて奏でるメロディーが胸を打つ。
51歳の若さで亡くなったヤスミン・アフマド監督の代表作でもある。
カエル「この映画は記事にしていないけれど……是非とも鑑賞してほしい1作で、ここまでの流れと打って変わって、非常に落ち着いた『大人な映画』になっている」
亀「素晴らしい映画じゃよ。アメリカも多様性や差別や偏見を扱った映画も多々あるが、わしはさらに一歩先に進んでおると思う。
この映画の特徴として『言語が違う』ということがある。多くの映画はハリウッドなら英語、日本なら日本語で統一されておる。違う言語が登場したら、それは『そのコミュニティに属さない者』という記号的表現とも言える。
じゃがの、本作はそうではない。本作は4つの言語が複雑に入り混じっておる」
カエル「もちろん、日本で公開されている時は字幕があるけれど、音声に耳を傾けていると唐突に英語から中国語に切り替わったりしているんだよね。特別な合図があるわけでもない」
亀「このことが如実に民族、言語、宗教、文化など何もかもが違うものたちが共存しているマレーシアという国について語っておる。
そしてそれを乗り越える先にあるものとはいったい何か? その奏でられた音楽の美しさに、我々観客は涙するわけじゃな。すぐにサントラを買ってしまったからの」
カエル「こう聞くと『重い映画なんだろうな』って思われるかもしれないけれど、随所に笑いどころがあって! 気軽に見に行けるし、さらに感動するしと、様々なものが詰め込まれた映画だから、絶対に見て欲しいね!」
第1位
キングコング 髑髏島の巨神
作品紹介
ゴジラと並ぶ世界的怪獣スターのキングコングの新作がここに登場!
キングコング単体では過去最大のサイズとなり、圧倒的な迫力を引っさげてスクリーンで暴れまわるド迫力の映像! さらに大怪獣バトルもあって大満足の1作!
絶対に、絶対に、絶ッッッッッッッッ対に最後まで席を立つな!
カエル「いつもならタレンタイムみたいな作品が1位をとるけれど、今月はこれ!
もうさ、この興奮に勝るものはないよ!」
亀「思ったよりも話題にはなっておらんが、わしは初代キングコングのことを考えても非常に奥深い作品じゃと思うがの。
日米合作と言ってもいいようなほど、日本の怪獣映画へのリスペクトを感じさせてくれて……さらに怪獣映画として文句のつけようのないもなっておると思うがの」
カエル「単純に面白いというのもあるんだけれど、いろいろなテーマ性も見えてきたり、そして何よりもあのラスト!」
亀「長いエンドロールを見る価値があるの……最近はエンドロールだけで10分近くあったりと、立ち上がりたくなる気持ちもわかるが本作に関しては絶対に立ち上がってはいかんぞ!」
その他の作品
カエル「ここからはランキングに入れるか迷った作品について語っていくよ」
亀「まずは『お嬢さん』と『コクソン』の傑作韓国映画2作じゃが……この2作は本当に迷ったの。
映画としての完成度だけならば、この映画に勝っていると言えるのは……上記の5作品ではないかもしれん。タレンタイムとキングコングにも勝っているかもしれん作品じゃ」
カエル「『PとJK』や『チアダン』よりも人を選ばない……いや、内容からすると人は選ぶけれど、オススメしやすい作品だよね」
亀「この作品を外したのは単純に趣味の問題じゃの。素晴らしい映画じゃが、もう1度見たいかと言われると微妙で……ランキング入りした5作品は誘われればもう1度見に行きたいがの、韓国映画の2作はお腹いっぱいかの」
カエル「それから『3月のライオン』は前編だけ公開で完結していないから除外だね」
亀「興行的には苦しいようじゃが、わしは年末に『過小評価されてしまった映画』として語られる映画になると思っておる。大規模邦画の中ではこの作品は是非とも鑑賞してほしい1作じゃ」
カエル「あとは……『モアナ』は記事でも語ったけれど『タネのわかっている豪華なマジック』だから?」
亀「そうじゃの。非常にレベルの高い、技術も経験も詰め込んで作られておるがの……それがあるからこそ、わしにはどうにもノレなかった。展開なども予想できてしまったからの」
カエル「そして最後に語りたいのが特別興行なため除外になったけれど『100年前のアニメたち』だよね!」
亀「TAAF(東京国際アニメフェスティバル)の特別企画なのじゃが、100年前のアニメ『なまくら刀』などに声優がその場でアフレコをするという企画での。
これがなかなか面白くての! 100年前のアニメじゃが『動物オリムピック大会』という作品などは、現代でも通用するアニメとなっておると思う」
カエル「声優さんの演技もあったからだけど、当時の切り絵のアニメーションが動く様が面白くて……是非とも鑑賞してほしい1作になっているけれど、もう見ることはできないというね」
亀「時には古いアニメを見るのもいいものじゃな」
最後に
カエル「というわけで、3月は語ることの多い映画が続いたね!」
亀「特にこのブログ向きのアニメなどに大作映画が多かったからの。逆に洋画のアクションが大好きな層には少し面白みに欠ける月だったかもしれんが……」
カエル「子供向け映画が良かった印象かな? 今回は特別語らなかったけれど、ドラえもんも落ち着いた良作だったしね!」
亀「3月は大規模映画が1位をとったがの、どの映画もランキング入りしてもおかしくないポテンシャルを秘めておった。
さて、来月はどんな映画が並ぶかの……そこも楽しみじゃな」