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  • 排除アートは減ってきたか…

    写真1 座席? ひと頃、街中(建物の内部も含む)は排除アートだらけでした。某建物内で写真1のような「もの」を見た時などは、「絶対に寝転がることを許さないぞ」という強烈な意思を感じて心が寒くなったものです。ちなみに写真1の「もの」には下記のような表示がありました。一応「座席」という位置付けのようではありますが、すごい形状の座面です。 長時間の滞留はご遠慮下さい。こちらは一時休憩用のベンチです。 ほかの街中でも「これは度が過ぎているんじゃなかろうか…」という事例を数多く見かけ、街がきれいになって新しい建物が建てられるたびに排除アートが増殖しているように感じていました。 ◇ ◇ ◇ ただし最近はその…

  • 著作出版に関して

    年内に発行することを目標としていた書籍を何とか予定通り発行できました。単なる写真集ではないため文献調査にも非常に時間がかかりましたが、ぎりぎり間に合ったという感じです。個人出版なので目標達成できなくてもだれから文句言われるというわけでもありませんが。 今年の後半学んだことは(今となっては当たり前だと思いますが)、適度に広告しないと書籍の存在やその中身がわからないということ。電子書籍は「立ち読み」できません。アマゾンKindleにサンプルページ表示機能はありますが、頭から1/10程度までしか見られません。やはり全体の概略がわかるようなものが必要なのです。著者の立場ではなく読者の立場になればわかる…

  • 電子書籍でも立ち読み的感覚を味わいたい…というお話 (国鉄ガソリン動車用ブレーキ装置の例)

    写真1 見開き(その1) 写真2 見開き(その2) 写真3 ページ内容(その1) 写真4 ページ内容(その2) 最近は本屋さんが減ってきているので必ずしもそうとは言い切れない状態になりつつありますが…紙の本は「本屋さんにおける立ち読みにより中身を確認」できます。それに対して電子書籍はなかなかそうはいきません。アマゾンの場合、前から1/10程度までは中身を見られるようですが、全体を確認できるという感覚ではありません。今までは発行してきた電子書籍の見開き(写真1~2に例を示します)を内容紹介として3~4枚掲載したのですが、やはり立ち読みと感覚が異なります。 いろいろ考え、写真3~4のように書籍のペ…

  • 庭園美術館(2/2)

    続きです。 写真10 丸窓 写真11 丸窓 写真12 丸窓 写真10は妃殿下寝室の丸窓です。写真11は1928年製の電車(上田交通モハ5250形:1986年撮影)の丸窓です。朝香宮邸の完成は1933年ですから、似たような時代の丸窓ということになります。写真12は上野動物園の丸窓です。この建物が建設された年代はわかりませんが、木の枠が時代を感じさせます。写真10や写真11と同世代かもしれません。 余談ですが、「でんか」「ひでんか」と入力すると「電化」「非電化」と変換されました。自分がいる世界を示しているようです。 写真13 取っ手 これは殿下寝室の取っ手です。181系気動車の主幹制御器ハンドルを…

  • 庭園美術館(1/2)

    庭園美術館(旧朝香宮邸)は建物公開期間中写真撮影が可能です。みなさまが撮影なさった写真はブログやSNSに数多く掲載されていますが、それと同じような写真を掲載してもおもしろくありません。そこで、あまり注目されないであろう写真を集めてみました。 写真1 立入禁止階段 写真2 立入ってください階段 西側の階段ですが、今まで何度か来た時はいつも通せんぼされていて2階より上に行くことはできず、踊場にある入口はどんな部屋につながっているのかずっと気になっていました。今回は3階のウインターガーデンも公開されており、踊場に入口がある部屋も見ることができました。 写真3 なんと納戸 なかなか落ち着いた雰囲気の部…

  • サツマイモの収穫

    暑い…いや、熱い夏もようやく終わり、秋になりました。サツマイモを収穫する時がやってきたのです。 写真1 大収穫 写真1のサツマイモ、結構量がありますね。実は、水栽培せずに直接土に植えたサツマイモもあったのです。「水栽培→土植え」:「最初から直接植え」=1:6程度でした。したがって写真1の1/6程度が「水栽培→土植え」によってできたサツマイモということになります。それでもふたつ分ぐらいあると思います。 土と植物の生命力は本当にすごいものだと思います。「芽が出てきたから水栽培&植えてみるか」という安易な気持ちで始めたサツマイモですが、こんなに大きくなるとは全く予想しませんでした。さて、どんな味なの…

  • 上田交通モハ5250形に関する電子書籍発行

    ようやく、上田交通モハ5250形「丸窓電車」に関する電子書籍2冊を発行しました。まだ紹介画像がアマゾンの当該ページに掲載されないので(1週間前後かかるらしい)、一足先にこのブログに掲載します。 写真1 第1巻表紙 https://amzn.to/47SgPEA 別所温泉で撮影した写真です。すでに「1500V昇圧に伴い丸窓電車廃車」が伝えられていたため、電車を背景に記念撮影する方々が多くいらっしゃいました。この電車の顔をぐっとアップにしたのは、その映り込んでいる姿を隠すためという意味もあるのです。 写真2 3両の顔比較 丸窓電車という愛称がついていますが、実はほとんどの窓が四角です。丸い窓は1両…

  • 上田交通モハ5250形、クハ290形に関する電子書籍作成中

    写真1 上田交通1の表紙 写真2 上田交通2の表紙 現在、上田交通(上田電鉄ではありません)のモハ5250形とクハ290形に関する電子書籍発行準備中です。 モハ5250形(2冊)とクハ290形(2冊)に関して書籍データは一応完成しています。着手してから2か月ほどでした。しかし、本当に大変なのはここからです。誤字脱字や体裁の修正は申すまでもありませんが、「(想定している)読み手に対して誤解を与える記述になっていないか」を十分に確認する必要があるからです。いわゆる推敲ですが、ここまで要した時間とほぼ同じ時間を要します。「一応完成してまだ半分」なのです。 現在、デバッグ(推敲)を繰返していますが、「…

  • サツマイモ(その9)

    その後のサツマイモ状況です。 写真1 土に植えたサツマイモ もう「すごい」の一言です。どんどん伸びて拡がっています。サツマイモのかけらからこんなに大きくなるとは…土の持つ力、植物自体の生命力を感じます。雨が降ってますます元気です。 写真2 水栽培中のサツマイモ 写真3 水栽培中のサツマイモ それでは、一応東海道線電車の緑のような色の葉っぱが出てきた水栽培中のサツマイモはどうなったかというと、あまり伸びていません。山手線色のままの葉っぱは枯れるのかと思いましたが、そういうわけでもありません。土に植えたものと同じ植物とは思えない状況です。 以上さかてつでした…

  • 鉄分を与えたら山手線色が東海道線色になったお話(サツマイモその8)

    鉄道好きの人が元気を失っている時には鉄分を補給するとよいと言われますが、サツマイモも同様でした。 写真1 鉄分補給方法 白い葉が出てきたことに関して、知見ある方から「FeやMnが欠乏している」とご指摘いただきました。それならば鉄釘などを錆びさせればFe3+イオンは得られるだろう…と思い、実施してみました。要するに水と空気の界面付近の根っこに鉄釘をはさんだだけです。写真1は水から根っこを引っ張り出した状態です。錆びています。 写真2 鉄分補給の結果 写真3 東海道線の電車 数日後、驚きました。なんと、写真2のごとく東海道線電車(写真3)の緑のような色の葉っぱが出てきたのです。ただし山手線色の葉っ…

  • サツマイモの水栽培(その7)

    写真1 土に植えたサツマイモ 土に植え替えたサツマイモは写真1のごとくどんどん大きくなっています。正直申して「想定外」でした。 写真2 水栽培中のサツマイモ 写真3 水栽培中のサツマイモ 折れた芽から成長して大きなビンに移し替えたサツマイモは、写真2のようにとうとう白い葉が出るようになってきました。横から見ても(写真3)あまり具合がよくないようです。土に植え替えたサツマイモと同じ植物とは思えないぐらい差が出てきました。しかし枯れたわけではないので、もう少し様子を見ます。 以上さかてつでした…

  • サツマイモの水栽培(その6)

    写真1 土に植えたサツマイモ 写真2 土に植えたサツマイモ(2週間前) 写真3 土に植えたサツマイモ(3週間前) 土に植え替えたサツマイモですが、写真1のように大きくなりました。写真2~3と比べるといかに大きくなったかよくわかります。いったいどこまで大きくなるんでしょうか! 写真4 水栽培中のサツマイモ 写真5 水栽培中のサツマイモ(2週間前) 写真6 水栽培中のサツマイモ(2週間前) その一方で、折れた芽から成長して大きなビンに移し替えたサツマイモはどうなっているかというと、写真4のごとくさっぱり大きくなりません。写真5や写真6と見分けがつきませんね。前回記したように、「プラス1マイナス1」…

  • サツマイモの水栽培(その5)

    写真1 土に植えたサツマイモ 芋から成長してビンの中で「狭い、狭い」と言っていたサツマイモを土に植え替えて1週間。ぐんぐん大きくなっています。土とはすごいものだと感じます。 写真2 折れた芽から成長したサツマイモ 一方、折れた芽から成長して大きなビンに移し替えたサツマイモはどうなっているかというと、次々に新しい葉が出てきます。では、それにつれて全体が大きくなっているかというと…そうではないのです。おもしろいことに、新しい葉が1枚出てくると下の方の葉が黄色く変色してきて枯れます。プラス1マイナス1でゼロというわけです。成長点における細胞増殖は止められないから、結果として弱い葉がその栄養源となって…

  • サツマイモの水栽培(その4)

    写真1 芋から成長したサツマイモ サツマイモ、どんどん大きくなっています。芋から成長したサツマイモは写真1のようにビンの口いっぱいになってしまいました。「狭い、狭い」と言っているようです。 写真2 折れた芽から成長したサツマイモ 写真3 葉の比較 写真3の左側は芋から成長したサツマイモ(写真1)、右側は折れた芽から成長したサツマイモ(写真2)です。芋から成長した方が色つやがよく、葉の寸法も大きくなっています。 写真4 土に植えたサツマイモ 写真1の状態をどうしようか…としばらく考えた後、土に植え替えることにしました。写真4は、芋から成長したサツマイモ(写真1)を植え替えた後の状態です。土に根が…

  • サツマイモの水栽培(その3)

    写真1 芋から成長したサツマイモ 写真2 折れた芽から成長したサツマイモ 写真3 芋から成長したサツマイモ 写真4 折れた芽から成長したサツマイモ サツマイモの水栽培です。芋から成長したサツマイモは順調に大きくなっていますが、驚いたことに折れた芽からも根が出てきました。実に強靭な生命力です。さて、この先どうなるでしょうか。 以上さかてつでした…

  • サツマイモの水栽培(その2)

    写真1 根 写真2 折れた芽 サツマイモの水栽培ですが、芋から根が出てきました。これはすごい生命力…と思いながら撮影していたら、芽がぽきりと折れてしまいました。 写真3 芽も水に… ありゃ!と思いましたが手遅れ。一応、芋といっしょに水に入れてあります。さあ、どうなることでしょう。芽からも根が出るでしょうか… 以上さかてつでした…

  • サツマイモの水栽培

    夏至なので(全然関係ありません)、サツマイモの水栽培を始めました。玉ねぎと同様、台所にサツマイモがあり、お昼寝していたサツマイモから葉が少し出ていました。「サツマイモを水栽培したらどうなるのだろう?」と思って実行してみました。 サツマイモの葉が出ている部位(芋)を包丁で切断し、ガラス容器に水だけ入れて入れてあります。現時点、芋の切断面から水分を吸い上げているようです。 写真1 水栽培開始状態 さて、このまま続けるとどうなるのでしょうか。愉しみです。 以上さかてつでした…

  • 【プリント・オン・デマンド】読者が著者と同じ品質の書籍を手にしているとは限らない

    「プリント・オン・デマンド」とは、書籍の注文を受けるごとに注文部数のみ印刷して販売する形態です。プリント・オン・デマンドは、出版する側が在庫(=負債)を持つ必要がありません。数年前からは個人が著作して自ら出版・販売できるようになっています。しかし読者(書籍の購入者)が、著者(書籍の発行者)が確認したのと同じ品質の書籍を手にしているかというと…必ずしもそうとは言えないようです。 写真1 自ら購入した手帳 今回の事例は「手帳」です。私は自分自身が使いやすい書式の手帳を「書籍」として出版し、自ら購入・使用しています。写真1はこの中身を示したものです。 市販の手帳は、「月」と「日」と「曜日」が1か所に…

  • 玉ねぎ水栽培…ご臨終

    玉ねぎの水栽培…3か月弱でご臨終となりました。 写真1 全体 まっすぐ立っていた真ん中も自重で折れてしまいました。てっぺんも茶色くなり、結局花は咲きませんでした。水を取替えているのに葉はからからに枯れています。玉ねぎ部がしぼんできたので、水を入れる容器も小さなガラス瓶に替えてありました。 写真2 根 根に生気はありません。茶色くなり、炒めたもやしみたいに柔らかくなっています。水を交換しても、もう機能していないようです。 写真3 玉ねぎ部 写真4 玉ねぎ部 解剖してみました。皮をはがしていくと中はユリの根を柔らかくしたみたいです。ユリ科ですから似ているのは当たり前ですが。あとは滅んでいくだけ…と…

  • そろそろ終わりの玉ねぎ水栽培

    玉ねぎの水栽培…栽培開始から約2か月半となりました。終わりが近づいているようです。 写真1 全体 真ん中はまっすぐ立っていますが、元気がなくなりました。指で押すと硬さがありません。てっぺんに花が咲くのかと思っていましたが開きません。周囲の葉はかなり枯れています。 写真2 玉ねぎ部 玉ねぎ部はますますしぼんできました。黒いシートを丸めてはさんでありますがもう水中へ落っこちそうです。根も腐り始めたのか、水がとても玉ねぎ臭くなっています。 そろそろおしまいのようです。もう少し様子を観察します。 以上さかてつでした…

  • 続々・玉ねぎ水栽培

    玉ねぎの水栽培…さらに2週間ほど経過し、栽培開始から約2か月となりました。 写真1 全体 葉がくしゃっとした感じになり、枯れてきました。しかし真ん中は硬くて元気で、まっすぐ立っています。 写真2 玉ねぎ部 いちだんと養分を費やしたようで、縮んでびんの口径より小さくなってしまいました。そのままだと水中に落ちてしまうので、黒いシートを丸めてはさんであります。根っこはもじゃもじゃで、変化はありません。 そろそろ枯れてしまうような気はしますが、真ん中だけ元気というのも気になります。今後どうなるのでしょうか。愉しみです。 以上さかてつでした…

  • ハー

    レストランはカタカナの店名…ということが多いと思います。 写真1 店名『ハー』 先日ある施設の建物に入ったらレストランのカタカナ店名が並んでいました。その中に「ハー」というお店がありました。「英語のHERか? あるいはHのドイツ語読みか?」などと思いました。 ところが脇を見ると鮨処と記されています。「ん? 鮨処『ハー』か。ちょっと変わった店名だな。」と思いました。別に鮨屋の店名がカタカナでも問題ないとは思いますが、やはり意味が気になります。 エレベータの脇にも『ハー』というお店の案内がありました。アルファベットが併記されています。 Sushi YAICHI ◇ ◇ ◇ 日本語は、ひらがな、カタ…

  • 続・玉ねぎ水栽培

    玉ねぎの水栽培…1か月ほど経過して、栽培開始から約1.5か月となりました。その状況です。 写真1 全体 葉はかなり伸びたのですが、長くなるにしたがって自重に耐えられなくなりました。ご覧の通り「Λの字形」(Λはギリシャ文字ラムダの大文字)に折れています。先が茶色っぽくなっている葉もあります。よく見ると中心の先端部には小さなつぼみのようなものができています。 写真2 玉ねぎ部 養分を費やしたということなのでしょう。縮んでいます。 写真3 根 容器の水の中にもじゃもじゃと伸びています。放置しておくと玉ねぎ臭くなってくるので、1週間に1回程度水を交換しています。 さて、今後どうなるのでしょうか。愉しみ…

  • 玉ねぎ水栽培

    台所に玉ねぎがありました。よく見ると、比較的長期間お昼寝している玉ねぎから根が少し出ていました。ふと、「玉ねぎを水栽培したらどうなるのだろう?」と思って実行してみました。 ガラス容器に水だけ入れて、玉ねぎの根の先端が水に触れるようにしておきました。毎朝見るたびにじわりじわりと根が伸び、玉ねぎ上部からは緑色の芽が出てきました。 写真1 約1週間後 芽が結構伸びてきました。 写真2 約2週間後 いちだんと大きくなってきましたが、玉ねぎ上部が少しへこんできました。昼間は太陽光線に当てて光合成を促していますが、やはり備蓄を費やすようです。水が濁ってきたので、半分程度捨てて補充しました。 さて、このまま…

  • ようやく完了の見込みが立った『関東鉄道グループの気動車』シリーズ(今回はキハ520)

    ↑近日発売予定です。 昔撮影した写真がお蔵入りにならないように、と思って始めた書籍の出版…。第1弾として関東鉄道グループ気動車に関する電子書籍(一部ペーパーバック)をまとめていました。 そして…今回発行予定の3冊を以てようやく完了の見込みが立ちました。2021年9月に始めて2年半、全39冊(計1538ページ)になります。いやぁ、大変でした。しかし、とても勉強になりました。 ちなみに第2弾は別の地域の私鉄を予定しています。 以上さかてつでした…

  • 電柱の「汽車」

    鉄道に興味があるので鉄道に関する単語や漢字はよく使いますが、「汽車」という単語はほとんど使うことがありません。 写真1 電柱 写真2 汽車の文字 ある日、ある所を歩いていたら、電柱がありました(写真1)。別に電柱そのものは珍しくないのですが、そこに「汽車」という珍しい単語を見つけました(写真2)。もちろんこの場所にこの単語がある理由は即座にわかりましたが… 写真3 1963年6月 写真3は1963年6月に撮影された空中写真です。写真1および写真2の電柱がある場所は①地点です。その東側、永代通の北側にあるのが汽車製造株式会社の東京製作所です。「汽車」はこの工場に由来するものでしょう。その周囲を取…

  • 100年以上前に発行された本が簡単に入手できるというお話

    すでにご存じの方々にとっては「何をいまさら…」というお話だと思いますが、恥ずかしながら私は今年に入ってから初めてその存在を知りました。 ↑ ロンドンに本拠地を置く出版社で、その名の通り、忘れ去られたような古い本が120万種類ほど集められていて、PDFデータあるいは印刷した紙の本という形で購入できます。国立国会図書館デジタルコレクションを有料版にしてアマゾンを足した…という感じです。 実は鉄道車両の空気ブレーキに関して調べていて『The Westinghouse Air Brake Handbook』という本を昨年から探していたのですが、100年以上前発行(当然絶版)であるにもかかわらず、ここで…

  • 消えた桃乳舎と消えつつある近くの建物… (;_;)

    日本橋小網町にあった桃乳舎ですが、解体が終わっていました。近くの建物もいよいよ解体されるようです。 写真1 桃乳舎(2018年8月) 写真2 桃乳舎(2018年8月) 写真1と写真2は、元気だったころの桃乳舎です。とても魅力的な外観でした。 写真3 桃乳舎跡(2023年12月) 写真4 桃乳舎跡(2023年12月) しかし…写真3および写真4のように、きれいに消えてしまいました。 写真5 桃乳舎の入口脇(2022年7月) 写真6 ハンバーグ(2022年7月) 写真5は40年前撮影したもの…ではありません。昨年撮影しました。写真6も昨年です。昭和時代から時間が止まったままのお値段と雰囲気でした。…

  • 鉄道車両における「改造」って何なのだろうか…と思った話

    鉄道車両はごくおおざっぱに、台枠(人体に例えれば骨のようなもの)の上に車体(肉のようなもの)を構築し、台枠の下には各種の制御装置など(臓器のようなもの)をぶら下げている…と言えます。鉄道車両は一般的に20~40年前後使用されることが多いものですが、新製された状態のまま一生を終えるということはまずありません。例えば客室内の座席を交換するのは当たり前の話ですし、法規や取扱いの変更に伴い乗務員室機器を追加あるいは改造するのも当然の話です。電子部品を多用している近年の制御装置は車体そのものより先に寿命が来ますので20年もすれば丸ごと交換するのが常識です。さらに陳腐化した車体を更新する(造り替える)のも…

  • 地球を二分する東経140度の線

    「東経140度」を売りにしている市があることを知りました。東経140度とは「東経が140度より小さい地域」と「東経が140°より大きい地域」の境目です。「これはすごい! 地球を二分する線なのか!」と感動しながら現地に行ってみました。調査方向としては、南極寄りから北極寄りに移動していきました。 写真1 東経140度 写真2 東経140度 写真1は鎌ヶ谷駅の東の方にある東経140度の線です。手前が南極、奥が北極になります。南極寄りは、はがれてしまっています。写真2は道路を渡ったところにある東経140度の線です。少し北極に近づきました。 写真3 東経140度 写真4 東経140度 写真3は、スーパー…

  • 手帳2024年版発売

    手帳2024年版を発売しました。 写真1 表紙 写真2 裏表紙 2023年版における問題点のうち、改善可能な点(幅だけですが)は変更しました。アマゾンペーパーバックでは独自の判型も許容されていることがわかったので、幅に関して最小寸法101.6mm(4インチ)まで小さくしたのです。3.4mmしか減らせなかったわけですが、それでも持ってみると違いを感じます。3%程度の差でも人間の手はそれをはっきりと認識できるんですね。 写真3 奥付 図4 QRコード せっかくなので、さかてつ出版で発行中の書籍一覧に飛ぶよう、奥付にはQRコードを追記しました。 ◇ ◇ ◇ 2023年版を試用して2週間経ちました。ペ…

  • 2023年11月3日 関東鉄道 常総線110周年記念 水海道車両基地公開に関連して

    図1 路線開業年と会社変遷 図2 路線概略 今年開業110周年となる関東鉄道ですが、路線開業年および会社の変遷は図1の通りです。今年は常総鉄道開業から数えて110年ということになります。 さて、図1および図2に示した4つの鉄道が合併して1965年に関東鉄道になったわけですが、その後筑波鉄道と鹿島鉄道が分離されました。結局、筑波鉄道と鹿島鉄道の鉄道線は消えてしまいましたが、1980年代には3社の4路線が存在していたのです。日本各地からやってきた個性的な車両たちがたくさん活躍していた時代です。首都圏からも近いため、上記4路線の拠点となる機関区には結構おじゃまして車両たちを撮影したものです。 これら…

  • 進む方向によって長さが変わる坂道

    写真1 高低差! 写真2 長い坂道! ある日、所用によりある場所を歩いていました。ある地点を通り過ぎつつ何気なく脇を見たら、写真1のような光景が目に飛び込んできました。もちろん進路変更です。 写真1に移っている約3.2段の階段を上って体を右に90°回したところでびっくりしました。なんて長い坂道なんでしょう!(写真2参照) 写真3 折返し地点から見下ろした坂道 写真4 折返し地点から見上げた階段 写真2に長い坂道を上ると、あっという間に折返し地点です。写真3は折返し地点から見下ろした坂道です。なんて短い坂道なんでしょう! 写真4は、写真3と同じ折返し地点から見上げた階段です。脇には坂道もあります…

  • 手帳を作成してアマゾンで発売してみたというお話

    1.動機 近頃はスマホで日程管理をする人が大半のような気がします。それでも手帳で日程管理する人は相変わらず多いようで、本屋や文房具屋では様々な手帳が売られています。私も手帳派で、「罫線に関係なく好きなように書ける」「記念スタンプなどを押せる」「シャープペンシルで記した後に消しても跡が残る(日程変更の履歴を感じることができる)」など、たいへんアナログ的な理由によります。 私は今までパイロットや能率能率協会の手帳を使ってきました。しかしどちらも今ひとつ希望に合致せず、余計なページもたくさんありました。なんとかならないかなぁ…と考え、「そうだ、今ならアマゾンのペーパーバックで作れるではないか!」と思…

  • 国鉄35系気動車の外吊り扉

    前回の続きです。 国鉄35系気動車は外吊り扉という構造を採用しましたが、その結果いろいろと波及しました。 1.有効開口幅1200mm 写真1 扉下部 写真2 扉下部 踏段部は第1縮小車両限界により幅2850mmに制限されています。これを突破しないようにするため扉の下部は写真1のように薄くなっています。下枠は3.2mm厚の鋼板です。そのため、ぶらつき・脱落防止用として下枠の下端から案内ころ付の腕が突き出ており、側梁補強(下部案内を兼ねる)のП形溝に入り込んでいます。 下枠はさらに写真2のように、戸先ゴム取付部位の確保も兼ねた構造で補強されています。しかしこの下枠補強のために引残りが生じ、車体構体…

  • 国鉄35系気動車登場の背景と外吊り扉になった理由

    またまた昔の話ですが、日本国有鉄道に「35系気動車」と呼ばれる車両たちが存在しました。10系気動車と同じく通称で、「キハ30系」「キハ35系」などと称することもあるようです。まあ、どれでもよいですね。10系気動車と異なり「ロがつく車両」は存在しなかったので、キハ○○系でも違和感はありません。また、のちほど述べる理由により「機関2台搭載」の形式も存在しませんでした。 35系気動車が登場したのは1961年(昭和36年)のことです。登場前の関西線、越後線などの都市周辺非電化線区においては通勤時間帯の混雑が激しくなってきており、3扉ロングシート通勤形気動車の投入が望まれていました。国鉄ではキハ17形の…

  • 国鉄10系気動車の台車と乗り心地

    写真1 DT19 写真2 台車中央部拡大 10系気動車は1950年代前半に製造されましたが、動台車がDT19(写真1参照)、付随台車がTR49です。外観はほとんど同じです。いずれも、液体式の試作車であるキハ44500形から採用された標準動台車です。構造の簡略化と保守の容易化を目的としたため、枕ばねが省略されています。一般的な台車であれば上揺れ枕と下揺れ枕の間に枕ばねがあるものですが、写真2を参照するとわかる通り、この台車の場合は防振ゴムが入っているだけです。車側から見えているのは防振ゴムではなく、そのカバーです。 写真3 TR29 国鉄関係者が記した文献には「振動特性は相当良好である」という記…

  • 国鉄10系気動車登場前夜

    元国鉄キハ10形 昔、日本国有鉄道に「10系気動車」と呼ばれる車両たちが存在しました。もちろんこれは通称で、正式に「系」という表現が用いられたわけではありません。鉄道好きの人たちが、キハ17形、キハ10形などの一群をこのように称していたわけです。「キハ10系」「17系気動車」「キハ17系」…いろいろな呼び方がありますが、どれでもよいと思います。キロハも存在したのでキハ○○系では変な気もしますが… この10系気動車が登場したのは1953年(昭和28年)です。では、そこに至るまでどんな状況だったのか…というのが今回のお話です。 ◇ ◇ ◇ 従来…といっても戦前の話…の気動車は機械式(歯車式)の変速…

  • 【渋谷駅】情報の出し方によって誤解を招きかねない事例

    写真1 写真2 写真3 写真4 写真5 写真6 写真7 写真8 写真1~8は渋谷駅の最近の姿です。もちろんすべて本当の状態ですが、廃墟的な雰囲気のある写真ばかり集めてあります。これらの写真だけを見ると「渋谷駅は廃墟と化しているのか…」と判断してしまうかもしれません。情報の出し方は十分注意しないとまずい…という事例です。 以上さかてつでした…

  • 池袋駅40番出口の謎…その後

    何だか大げさなタイトルですが、謎がきれいに解けたという話ではありません。まず4年前の40番出口に関する記事です。↓ 写真1 最近の40番出口 写真1は4年少々経過した最近の状況ですが、つまづきそうになる「細長い三角形の段差」はそのままです。 変わっているところと言えば楽園タウン池袋店の広告ぐらいか…と思いながら通過しようとしたら、右側通路をふさいでいる箇所に違和感があります。 写真2 右側通路ふさぎ跡とコーンなど 右側通路ふさぎ跡の前の空間に写真2のようなコーンや棒が設置されています。どうやら「ここに住まないでください」という意味のようです。 いろいろと経緯があったことを思わせる40番出口です…

  • 谷間の風景

    写真1 左手の階段 写真2 右手の階段 東京大仏の近くにある「谷」をちょっと遡ってみました。写真1は左手に見える階段、写真2は同じ地点から右手に見える階段です。左右両側に階段が見えると「私はいま谷にいるのだ」と強く意識させられます。 写真3 道路で断ち切られてしまった谷 谷を遡っていくと、地形に逆らって建設された道路にぶつかりました。 写真4 登っていく坂道階段 写真5 登っていく坂道階段 写真4と写真5は道路に登っていく坂道階段です。曲がり具合がたまりません。このような風景を見るとワクワクします。生きていてよかったと思う瞬間です。写真5の状況など、思わずニヤリとしてしまいました。 写真6 見…

  • 日比谷線の真上であり、区境でもある地点

    毎回、世の中大半の方が気にもしないようなことばかり記事にしていますが、今回も同様の記事です。 【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」の写真データを著者が編集・加工したものです。 写真1 空中写真(2019年) 写真1は、今回の記事に関する空中写真です。中目黒駅は東急東横線と東京メトロ日比谷線の駅です。東横線は渋谷方面(写真1の上方)に向かいます。日比谷線は東横線の上下線間に線路があり、①のあたりで東横線の下をくぐって地下に入り、駒沢通の下(写真1の右方)にもぐり込んでいきます。 写真2 ①地点(2013年) 写真3 ①地点(2019年) さて、この①地点ですが、…

  • 羽田空港吉野家前の境目

    羽田空港には各種のお店がありますが、みなさんご存知の通り、いわゆる街中よりもお値段は高めです。空港会社から場所を借りるための費用が高いとか、人が多く集まるから高めでも売れるとか、いろいろ商売上の理由があるのだろうと思います。 さて、吉野家というお店があります。至るところに店舗がありますが、「羽田空港の吉野家と街中の吉野家はお値段が同じなのか、違うのか」ということが気になりました。そこで、先日羽田空港に行った際に第2ターミナルの吉野家で、ある定食を食べてみました。比較のために谷根千某所の吉野家で同じ定食を食べてみた結果も記します。 羽田空港内:税込712円 谷根千某所:税込657円 なるほど…羽…

  • 北海道の雄別鉄道からやってきた気動車…関東鉄道キハ813形…トマソン的物件を有する車両

    怪盗ルパンシリーズに『813の謎』という物語がありました(今もあると思います)。話の中身はよく覚えていませんが、犯人に殺された人がどこかに「813」と書き残していて、それが事件を解決する重要な鍵だった…というようなお話です。 …で、その物語とは全く関係ないのですが、関東鉄道にキハ813形キハ813という1形式1両の気動車が存在しました。出身は北海道です。雄別鉄道の竣工図表によると1969年7月にキハ106として登場しました。ところが形式がキハ49200形になっています。また当時の写真を見ると片運転台なのに、竣工図表の中の形式図は両運転台(要するにキハ104~105と同じ)だったり、どう見ても「…

  • 北海道の雄別鉄道からやってきた気動車…関東鉄道キハ810形(その3)…屋根上排気口から雨水が入るとどうなるか

    北海道の雄別鉄道キハ49200形(→関東鉄道キハ760形)は床下排気でした。雄別鉄道においてこの改良増備形という位置づけだったキハ100形(→関東鉄道キハ810形)は当時の国鉄気動車と同様、屋根上排気に変更されました。 写真1 外観 写真2 外観 まず写真1と写真2は外観です。乗務員室扉が開いていますが、その左上に屋根上の排気口が見えます。ここから排気ガスが吹き出ます。ところで、雨が降ると排気口に雨水が入ります。この雨水はどうなるのでしょうか… 写真3 排気管立上り部 写真4 排気管立上り部 まあ、そんな複雑なからくりがあるわけではありません。写真3と写真4をご覧になればわかると思います。水平…

  • 北海道の雄別鉄道からやってきた気動車…関東鉄道キハ810形(その2)

    今回はキハ810形の便所跡に関してです。 雄別鉄道キハ100形時代は国鉄キハ22形と同様、便所がありました。蒸気機関車によって運転されていた時代より大幅に所要時間が短くなったといっても全線所要時間は1時間を少し超えていましたから、やはり必要ということになったようです。関東鉄道にやってきてからは撤去されました。 写真1 キハ812 少し高い位置にあるのが便所跡の窓です。 写真2 キハ22 こちらの便所は「現役」です。 写真3 キハ812車内 雄別鉄道キハ100形の便所は乗務員室に食い込む形で設置されました。キハ810形に改造された際に便所は撤去され座席が設けられましたが、乗務員室との仕切壁は便所…

  • 北海道の雄別鉄道からやってきた気動車…関東鉄道キハ810形(その1)

    キハ760形は1957年に雄別鉄道のキハ49200形として登場しましたが、その5年後、同鉄道に気動車が2両増備されました。形式はキハ100形。キハ49200形がすでに3両あったので、4両目と5両目という意味でキハ104とキハ105となりました。 この鉄道は1970年に廃止となりました。キハ49200形3両と共にキハ100形2両も関東鉄道(→のちに筑波線は筑波鉄道に分離)にやってきて、キハ810形と名前を変えました。 写真1 キハ811 写真2 キハ812 40年前の写真ですが、珍しく天然色で撮影しています。この2両、なぜか塗分け線の高さが少し違い、そのため印象も若干異なっています。 写真3 キ…

  • 北海道の雄別鉄道からやってきた気動車…関東鉄道キハ760形(その3)

    よくよく見ると理由のわからない構造ってあるものです。 写真1 キハ761の燃料タンク覆い 写真2 キハ763の燃料タンク覆い 写真1と写真2、いずれにもU字形のものが写っていますが、これは燃料タンクの覆いです。下部が斜めに削られていますが、雄別鉄道時代ここは削られていませんでした。関東鉄道は雄別鉄道より車両限界が小さいのか?と思い、反対の車側の状態を確認しました。 写真3 キハ761 写真3は、写真1および写真2と反対の車側です。燃料タンク覆いのこちら側は下部が斜めに削られていません。よく見ると車両の左右中心に対して燃料タンク覆いの中心がずれており、こちらの車側は車両限界と干渉していないからだ…

  • 北海道の雄別鉄道からやってきた気動車…関東鉄道キハ760形(その2)

    同時に新製された車両であっても長い間には改造などにより差異が生じてくるものです。雄別鉄道キハ49200形だった関東鉄道キハ760形もこの例にもれず、あちこち差異が生じていました。 写真1 キハ761(元空気溜はひとつ) 写真2 キハ762(元空気溜はふたつ) 写真3 キハ763(元空気溜はふたつ) 写真1~3を見ると、元空気溜(茶筒を横にしたようなもの)の数が車両により異なることがわかります。キハ761はひとつ、その他の2両はふたつです。「そうか、新製当初からこちらの車側にふたつあった元空気溜のうち、キハ761はひとつを撤去したんだな」と考えがちですが、そうではないのです。 雄別鉄道に登場して…

  • 北海道の雄別鉄道からやってきた気動車…関東鉄道キハ760形(その1)

    北海道にはたくさんの炭鉱があり、貨物や人を運ぶための鉄道が走っていました。しかし1970年前後に次々に閉山され、そこで働いていた車両たちも仕事を失いました。これに目を付けたのが内地の非電化私鉄で、失業状態にあった気動車を次々に買い求めました。これらの車両たちは「第2の職場」で元気よく働いたのです。 第2の職場として有名だったのが関東鉄道です。数回にわたり、北海道の雄別鉄道からやってきた車両たちについて記します。今回はキハ760形です(鉄道名はいろいろ変わっていますが、便宜上雄別鉄道と記します。) ◇ ◇ ◇ キハ760形は、1957年に雄別鉄道のキハ49200形として登場しました。形式からわか…

  • 【港区と渋谷区の境目】笄川跡

    今回の境目は堀田坂の下、笄川の跡にに関してです。ここも道路が区境であることはわかっているのですが、道路の真ん中か、それともどちらかに寄っているのかを現地で確認してみました。 【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」の写真データを著者が編集・加工したものです。 写真1 2019年撮影の空中写真 写真2 約80年前の空中写真 前回および前々回と同じ空中写真です。堀田坂を下まで降りると、笄川だった道路に出ます。写真2の方がわかりやすいかもしれません。 写真3 ⑥付近 写真3は堀田坂の下です。堀田坂に沿って降りてきた区境はここでぐるりと右回りにUターンし、正面奥の道(笄川…

  • 【港区と渋谷区の境目】堀田坂

    今回の境目は日赤医療センター北方から東に進んだ堀田坂に関してです。ここも道路が区境であることはわかっているのですが、道路の真ん中か、それともどちらかに寄っているのかを現地で確認してみたという次第です。 【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」の写真データを著者が編集・加工したものです。 写真1 2019年撮影の空中写真 写真2 約80年前の空中写真 日赤医療センターなどがある広い区画(渋谷区)には江戸時代、備中藩の下屋敷がありました。藩主が堀田氏だったので、堀田坂と名がつけられました。 写真3 ④付近 ④は堀田坂の頂上になります。道が直角に曲がるところです。 写真…

  • 【港区と渋谷区の境目】日赤医療センターの北

    今回の境目は日赤医療センターの北の方に関してです。道路が区境であることはわかっているのですが、道路の真ん中か、それともどちらかに寄っているのかを現地で確認してみました。 【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」の写真データを著者が編集・加工したものです。 写真1 2019年撮影の空中写真 写真2 約80年前の空中写真 写真2は約80年前(1944年撮影)ですが、想像以上に道が変わっていません。渋谷川の支流である笄(こうがい)川もよくわかります。日赤医療センターなどがある広い区画(渋谷区)には江戸時代、備中藩の下屋敷がありました。 写真3 ①付近の路面 写真4 ①付…

  • 品川区と港区と江東区の境目…大半の方々にはじゃまなだけの区境ブロック

    「品川区と港区が接しているのはわかるが、品川区と江東区は接していないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、この3区はお互い接しているのです…東京湾の埋立地の上で… 写真1 臨海副都心(2019年撮影) 写真2 同地点(1979年撮影) 【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」の写真データを著者が編集・加工したものです。 写真1は臨海副都心の西、潮風公園付近です。斜めに走っている太い道路が、湾岸道路と首都高速湾岸線です。この道路の中央が港区と江東区の境目になっています。また、潮風公園は品川区で、その北東側が港区と江東区です。 写真2は同じ範囲の約40年前です。…

  • バイオリンの絃ではなく東京メトロのA線とB線

    広告になってしまいますが、電子書籍『地下鉄のA線B線』発売です。 以上さかてつでした…

  • 解体がかなり進んだ東急百貨店東横店

    写真1 東横店解体風景 写真2 東横店解体風景 写真3 東横店解体風景 写真4 東横店解体風景 写真1~4は同じ場所を大きく撮ったり小さく撮ったりしたものです。数多くの人々が歩く道の脇でむき出しのまま解体されていく様子がたまりません。この地下ではお店が継続して営業中という点もすごいと思います。何気なく解体しているように見えて、実はとんでもない技術です。 写真5 東横店解体風景 写真5は2階通路から撮影したものですが、これまた解体状態が素敵です。 写真6 東横店が消えた風景 東横店が消え、新しい空中の通路がじわじわ伸びている風景です。 写真7 歩いている職員さん ふと見ると、地下鉄銀座線の入出庫…

  • 渋谷道玄坂の新大宗ビル(FORUM8)跡

    渋谷は駅付近を中心として街全体が工事現場ですが、道玄坂も例外ではありません。ここには新大宗ビル(FORUM8)がありましたが、現在解体工事中です。この約10年間の変化を示します。 写真1 2014年8月 ビルの谷間に看板建築が並んでいた頃です。右奥に見える白い建物が新大宗ビルです。 写真2 2014年12月 年末近くに看板建築の解体工事が始まりました。 写真3 2016年11月 看板建築の跡地は、おもしろくもない駐車場になってしまいました。新大宗ビルの壁面がよく見えるようになりました。 写真4 2017年8月 広告募集中だった壁面に本の広告が出ています。 写真5 2023年6月 新大宗ビルに工…

  • 【蒲田橋跡】昔を伝える標識があるのはよいことだ…というお話

    写真1 歩道上の標識 歩いていたら、歩道上で光っている金色の□が目に留まりました(写真1)。 写真2 蒲田橋跡の標識 立ち止まってよく見ると、写真2のごとく何やら書いてあります。ここに橋があったようです。 写真3 逆川跡 写真3は、写真1と90度異なる方向から撮影した風景ですが、奥へ続く道は川だったようです。 写真4 蒲田橋親柱 写真3の道を奥へ進むと写真4のようなものがありました。ここは逆川が呑川に合流していた地点で、保存されているものは蒲田橋の親柱です。写真1~3の場所にあったそうです。蒲田橋が架けられたのは1930年ですから、93歳ということになります。もっとも1967年に逆川は埋立てら…

  • 網膜に写っていても意識して視なければ認識できないというお話

    ものづくりに限った話ではありませんが、物の状態をきちんと認識することはとても大切です。漫然と見ていても脳は理解していないものです。 ◇ ◇ ◇ 写真1 ボルテックスジェネレータ ある日、羽田空港の展望デッキでB737を見ていたら、写真1のごとく、操縦席前方にボルテックスジェネレータ(コの字形の小さな部材10個)があるのに気が付きました。「最近、B737にはボルテックスジェネレータが取付けられるようになったのか…」と思いました。 写真2 7年前に撮影した写真 家に帰ってきてから調べてみたら、B737に関しては20年以上前に登場したシリーズからボルテックスジェネレータが取付けられていました。あれ?…

  • 京浜蒲田駅

    写真を整理していたら、1984年に撮影した写真が出てきました。 ところで、表題を見て「間違っている。京急蒲田駅が正しい。」と思った方も多いことでしょう。しかし京急蒲田駅になったのは1987年で、それ以前は京浜蒲田駅と称していたのです。 写真1 京浜蒲田駅の東側 羽田方面から来ると、写真1のように線路は合流して単線になります。 写真2 第一京浜の踏切 ごりごりごりとフランジをきしませながら、写真2のようなとんでもない急曲線で第一京浜を横切ります。路面電車の雰囲気です。 写真3 京浜蒲田駅へ進入 曲がり終わるとそこが京浜蒲田駅です。 ◇ ◇ ◇ 今から30年前、1993年には羽田空港ビッグバード(…

  • 港区と江東区の境目

    「港区と江東区の境目」と記すと、「港区と江東区の間には中央区があるので直接は接していないはずだ」と思われるかもしれません。しかし、港区と江東区はお互いに接しているのです…東京湾の埋立地の上で… 写真1 臨海副都心(2019年撮影) 写真2 同地点(1979年撮影) 【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」の写真データを著者が編集・加工したものです。 写真1は臨海副都心のダイバーシティ東京付近です。斜めに走っている太い道路が、湾岸道路と首都高速湾岸線です。そして、この道路の中央が港区と江東区の境目になっています。 写真2は同じ範囲の約40年前です。埋立地は新たにでき…

  • 飛行機着陸時の降下角度は何‰か

    写真1 成田空港34L着陸直前の機内から 着陸する飛行機は多くの場合ILS(Instrument Landing System:計器着陸装置)により、左右に関しては滑走路の中心線に一致させ、上下に関しては水平面に対して約3°のグライドパスに一致させて降下してきます。 では、この約3°という角度はいったい何‰(パーミル)の勾配なんだろう…と思ってしまう点が鉄道好きの困ったところです(航空界で‰表記なんて見たことありません)。まあ、電卓でtan3°を計算して1000をかければすぐわかる話ですが、暗算できないだろうかと思ったのです。 角度θ(rad単位)が小さいとき、θ≒tanθ≒sinθとなること…

  • 【渋谷区】公園通りとファイヤー通りの「数字」

    空中写真 まず空中写真を掲載します。①~⑨は、以下の"1"~"9"が取付けられている場所を示します。 【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」の写真データを著者が編集・加工したものです。 写真0 "8"(2017年撮影) 2017年のある日、渋谷の勤労福祉会館前交差点で信号待ちをしていたら、"8"という数字(写真0)が目に入りました。渋谷駅前ハチ公の像にいちばん近い地下出口に"8"が使われていることは有名ですが、ここは別の場所。そもそも勤労福祉会館との関連性がよくわかりません。「どういうことだろう?」とは思ったのですが、そのうちこの数字のことはすっかり忘れてしまい…

  • 物はできている通りに動く

    B787も自然法則に従って飛ぶ 社会に出て1年半ほど経った頃、特許実習と称するものを受講しました。特許とはどんなものか、その基礎を学んだわけです。まず初めに特許法に関する講義があったのですが、その際「発明」が次のように定義されていることを知りました。 (特許法第二条) この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。 はい、「自然法則を利用した」です。私はこの表現に感動しました。「自然を征服する」でもなければ「自然と対峙する」でもなければ「自然と別世界の」でもありません。「自然法則を利用した」です。それまで私の中で技術というものは下記のような感覚で受け止めてい…

  • 日本一のポストと中華鍋

    日本一のポストといっても総理大臣の座というわけではありません。日本一の大きさの郵便ポストです。 写真1 丸型ポスト これが日本一大きい(らしい)丸型ポストです。一般的な丸型ポスト(郵便差出箱1号)は高さ1.35mですが、写真1のポストは高さ2.8mです。2.1倍ぐらいですね。ここまで高いと、ひさしが付いた投函口(上の方…高さ2.1m)に入れるのはたいへんになってきます。そのため、下の方(高さ1.4mのところ)にも投函口があります。 ところでポストの脇にある説明文を読んでいくと「材料:ヒューム管、中華鍋」と記されています。中華鍋?! どこに中華鍋が使われているのだろう…と思いながら上から下まで見…

  • 書面は手段であり目的ではないというお話

    相手にこちらの意思を伝えるためには(a)~(c)のような(広義の)書面を用います。しかし、これを目的と勘違いするといろいろ問題が発生します。 (a)共通の台帳などに記入 (b)伝票送付 (c)電子メール送信 ◇ ◇ ◇ ある工場がありました。本件に関する登場人物は下記の通りです。 Aさん:製作管理責任者(所定日に所定数、完成納入させる責任を負う) Bさん:製作担当者(指示通りに製作する) この工場で製作していたある製品は、毎日朝から夕方までの間に1式組立完成させて、当日夕方すぐに顧客納入するという形態を採っていました。基本的に毎日製作であり、そもそもこの工場はとても規模が小さいため、この製品製…

  • 京都府と大阪府の境目の山崎駅とデイリーヤマザキに関するお話

    都と県の境目は都県境と称します。では府と府の境目は府府境かというとそうではなく、府境と称するようです。県と県の境目が県境と称するのと同じことです。 写真1 山崎駅の府境標識 東海道本線の山崎駅は京都府と大阪府にまたがっており、府境には写真1のようにそれを示す標識があります。「阪大」と記されていますが、大阪大学というわけではありません。右半分は右から読むわけですね。 写真2 府境標識の足元拡大 写真2は写真1の標識の足元です。京都府と大阪府が向き合うように記されているわけではなく、京都府側から読めるようになっています。この地における京都府と大阪府の力関係を示しているのでしょうか…(追記:左側が駅…

  • 都県境を歩いて越えて羽田空港へ行き来するお話

    羽田空港へ行く方法はいろいろありますが、「歩いて」「都県境を越えて」行くことが一応可能です。とても不便な経路なので実用にはなりませんが、境目好きとしては外せません。今回は多摩川スカイブリッジの境目(東京都と神奈川県の都県境)を通って、羽田空港(東京都)から神奈川県側に歩いてみました。 写真1 空中写真(2019年6月) 写真1は多摩川スカイブリッジと羽田エアポートガーデンがまだ建設中だった頃に撮影されたものです。多摩川スカイブリッジの開通は2021年12月、羽田エアポートガーデンはコロナ禍により予定より3年近く遅れ今年1月にやっと開業しました。 【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・…

  • 【息抜き】ネコさん

    まじめな記事が続きましたので、息抜きです。 写真1 ネコさん1 写真2 ネコさん2 とある場所にネコさんがふたりいました。天気がよくて暖かく、気持ちよさそうに目をつぶっていました。 写真3 ネコさん1「何なのニャ」 写真3はネコさん3ではなくネコさん1です。相手をしてもらおうと思って声をかけたら、「何なのニャ、気持ちよく寝ているというのに…」という感じでにらまれました。 平和な風景です。この国は本当に平和だと思います。 以上さかてつでした…

  • 常識が共有不足だと命にかかわることもある

    「常識」という言葉には、「当該分野における基礎」という意味もあると思います。技術分野において常識が不足している場合には、時として非常に危険な状況に陥ることもあるので十分注意が必要です。 ◇ ◇ ◇ ある方が他業種(技術とは縁がない分野)から転職してきました。ものづくりの職場においては労働災害を発生させないため安全教育を実施することになっています。もちろんこの中には「電圧が印加されている可能性がある部位(端子等)には決して触れない」という内容も含まれていました。 ある日のことです。その方に装置の絶縁抵抗を確認してもらうことになりました。回路図と記録用紙を提示しながら「ここに記してあるように、この…

  • 常識はお互い異なるのが常識

    人と人、あるいは組織と組織が情報のやり取り、調整などを行なう際、それぞれが持つ「常識」を基にして進めていくものです。ただし「常識はお互い異なる」という常識を持っていないと、いろいろ問題が生じます。 【餅の形に関するお話】 私は関東の出身です。正月などに餅を食べる時には金網に乗せて焼いたりします。角がちょっと焦げることがありますが、そこがまたおいしいと思います。 ところで、関西出身の方に上記の話をしたら「どういうことかよくわからない」と言われました。関西において餅は丸いのが常識だからです。 ここで申したいのは「餅の形はどちらがよいか」ということではありません。関東と関西で「餅の形に関して常識が異…

  • 夕張鉄道キハ254(→関東鉄道キハ715→鹿島鉄道)の戸閉め車側灯

    車両の側面には表示灯が取付けられています。今回は、キハ715の戸閉め車側灯に関してです。 キハ714と同じく、キハ715も夕張鉄道キハ254時代に戸閉め車側灯はありませんでした。取付けられたのは、関東鉄道入線に際して半自動扉に改造された時です。手動扉であっても連動接点を設けることにより戸閉め車側灯を点灯させることはできますし、また実際そういう事例はありますが、夕張鉄道の場合は戸閉め車側灯がありませんでした。 写真1 キハ715 写真2 キハ715 写真1~2はキハ715の戸閉め車側灯です。車体側面から突出しており、前後に赤レンズが取付けられています。 写真3 他形式との比較 さて、それではキハ…

  • 夕張鉄道キハ254(→関東鉄道キハ715→鹿島鉄道)の運転台窓下通風口の位置

    写真1 キハ715 キハ710形(キハ711~713)やキハ714形と同じような車両(写真1)を引っぱり出してきましたが、別物です。 1953年に登場したキハ250形キハ251に続き、1955年から翌年にかけて夕張鉄道にキハ252形キハ252~254が登場しました(キハ254は1956年登場)。キハ250形キハ251の増備ということになりますが、前後の客室扉間に転換クロスシートが並び、窓幅が小さい点が異なります。その後キハ252とキハ253が次々に片側貫通化されたために形式が分けられ、結果としてキハ252~254はすべて1形式1両となりました。要するに下記のようになったわけです。 キハ250形…

  • 記憶ではなく記録しよう

    私は中学生の頃から鉄道を中心とした写真を撮影しています。そして、それらの古い写真も活用しながら電子書籍を作成・発行しています。電子書籍に掲載した写真の下には「▲キハ713 石岡(1982年10月) 左 鉾田」などと記しています。 ところでこれらの写真、「いつ」「どこで」撮影したか覚えているわけではありません。人間の記憶などいい加減です。1週間前のお昼に何を食べたか覚えていないぐらいですから、約40年も昔のことなど記憶にないのが当然です。それではなぜ「▲キハ713 石岡(1982年10月) 左 鉾田」と記せるかというと、写真1コマごとに「いつ、どこで、何を、どのような方向で」撮影したか記録してあ…

  • 夕張鉄道キハ251(→関東鉄道キハ714→鹿島鉄道)の笛と側面

    写真1をご覧になって「なんだ、キハ710形じゃないか」と思われたかもしれません。確かによく似ているのですが、今回は夕張鉄道からやってきた車両で別物です。 1953年、夕張鉄道にキハ251形キハ251が登場しました。上記の通り三井芦別鉄道キハ100形とよく似た車両です。この夕張鉄道は1974年に休止となりました。鉄道線は北海道炭礦鉱汽船に譲渡されましたが翌年廃止となったため、車両たちは働き場を失いました。 写真1 キハ714 夕張鉄道の車両たちは各地の鉄道に引取られていきましたが、キハ251は関東鉄道に引取られ、1976年に関東鉄道キハ714形キハ714として再登場しました。なんとも半端な形式で…

  • 三井芦別鉄道キハ100形(→関東鉄道キハ710形→鹿島鉄道)の床下機器

    地方私鉄というだけでも鉄道趣味人の注目を集めないものですが、「地方私鉄」の「気動車」の「床下機器」に関してとなると、「注目されない」の3乗になります(世間一般では「全く注目されない」と表現します)。このような写真を撮影する人はほとんどいないので、それだけに貴重かなと思って記事を書いています。 写真1 キハ711の小さな空気溜 写真1はキハ710形の床下機器です。ディーゼル機関の脇に空気圧縮機が取付けられており、Vベルトで駆動されます。ここで圧縮された空気は元空気溜に蓄えられますが、制御空気溜の下に小さな空気溜(青↑印)があるのが目に留まります。圧縮された空気をいったん膨張させてドレン(結露水)…

  • 三井芦別鉄道キハ100形(→関東鉄道キハ710形→鹿島鉄道)の笛覆いと雨どい

    1958年、北海道の芦別にあった三井鉱山に、初のディーゼル動車キハ100形3両が登場しました。1960年には鉄道部門が独立して三井芦別鉄道となりましたが、1972年に旅客営業が廃止されてしまったため、キハ100形は不要となりました。(貨物営業はその後も継続し、1989年に鉄道が廃止されました。) 写真1 キハ711 写真2 キハ711 1972年、キハ100形は3両とも関東鉄道に引取られてキハ710形となり、鉾田線で走り始めました。関東鉄道鉾田線は1979年に鹿島鉄道に分離されましたが、キハ710形は大きな改造もされず、1991~1992年に廃車となるまで活躍しました。 写真3 キハ711 写…

  • ものは正直…できている通りに動く

    ものはできている通りに動くのニャ 今回申したいことは「ものは正直」ということです。できている通り、つまり現実の物理現象通りに動きます。人間が勝手に作り上げた理論通りには動きません。 ◇ ◇ ◇ 昔々、設計部門にAさんとBさんがいました。ある時期、「先端部からシート(紙や布など)表面までの距離をシート厚さにかかわりなく一定に保つ機構」の開発を担当していました。話を簡単にするため、ここでは「一定すきま確保機構」という名称にしておきます。 この機構の原理は「先端部がシートにぶつかったら一定量戻す」という簡単なもので、具体的には下記(1)~(4)となります。(4)の「一定角度回転」が「先端部からシート…

  • 相手に直感的に理解してもらうためにはグラフ化しよう

    これなら直感的にわかるニャ ものづくりにおいては日常的に数値を扱います。相手に対して「ある入力に対して出力はどうなるか」という説明をするのもごく普通のことです。「入力Xに対する出力YはY=2Xで示される」という簡単なものであれば「出力は入力の2倍である」という文章で十分ですし、その一言で直感的に理解できると思います。しかし現実にこんな簡単な事例はまずありません。 技術的な話だとその技術的意味に関する説明が必要になるので、ここでは所得税を例にしてみます。課税所得を入力、税額を出力として「課税所得に応じて税額がどのように変わるか(どのように設定されているか)」ということを調べてみたいと思います。(…

  • 隅田線No.4送電塔の謎

    隅田線…はて? 京成電鉄か? 東武鉄道か? いえ、いずれでもありません。東京電力です。走っているのは電車ではなく66kV三相交流です。 写真1 送電塔 ある日、某所を歩いていたら写真1のようなちょっと変わった2本一組の送電塔が目に留まりました。 写真2 少し接近して見た送電塔 接近すると写真2のように見えます。形と色、いずれも素敵です。 写真3 送電塔No.甲-4 写真4 送電塔No.甲-4 写真3はさらに接近して見た送電塔です。1本しか見えません。写真4に示したように「No.甲-4」と記されています。「No.4-甲」ではないんですね。 写真5 送電塔No.乙-4 それではもう1本はどこにある…

  • 葛飾区の町名など…

    写真1 ひらがなへのふりがな 写真1 ひらがなへのふりがな(拡大) 写真1は、某所に掲載されている街区表示板です。漢字にひらがなのふりがなが付されているのはわかるのですが、ひらがなの「お」にもご丁寧に「お」とふりがなが付されています。たとえば「お」を「あ」と読むのならふりがなは必要でしょうけれど、「お」を「お」と読むのなら不要ではなかろうか…と思いました。 写真2 新宿三丁目 写真3 新宿三丁目 写真2と写真3はどちらも23区内にある「新宿三丁目」交差点の標識です。しかし、例えば漢字を読めない外国の方が紙片に「新宿三丁目」と記してタクシーの運転手に渡したとすると、結構たいへんなことになるかもし…

  • 頭でわかっているつもりでも体は動かない…だから訓練が大切…というお話

    プロが操縦する飛行機 日頃は自社内で仕事をしている人であっても、お客様の現地へ出張して作業をすることがあると思います。通常と異なる仕事をすることになるわけですが、その手順を書面で確認しただけで問題なく作業できる…でしょうか? ◇ ◇ ◇ 危なっかしいさかてつ機長 ある日、私は羽田空港でB737旅客機を離着陸させていました。滑走路34Rの右回りtraffic patternです。以下は、進入着陸時の操縦室におけるインストラクターと私の会話です。 …イ「base legに…right turn」私「はい」 …イ「今度はfinalに入ります。heading 337」私「right turn, hea…

  • 仕様書などの内容は明確に表現しよう

    で、どうしたらいいのニャ? ものづくりにおいては、「どのようなものを作ってほしいか」「どのように物事をやってほしいか」などを相手に明確に伝達する必要があります。具体的には仕様書、図面などです。これらの文書は物(もちろんソフトウェア含む)を作るに際して拠り所となるものですが、読み手が悩むような内容にすると書き手との「境目」でいろいろな齟齬や誤りが生じ、結果としてものづくりがうまくいきません。どのような表現方法にしたらよいのでしょうか? 技術的な話だと表現方法以前に技術専門用語に関する説明が必要になってしまうので、ここでは「自転車はどこを走るべきか」という日常的な内容を例にしてみます。(注記:自転…

  • 代々木にあったあの建物が『天気の子』の題材になっていたというお話

    写真1 2014年11月撮影 写真2 2014年11月撮影 写真2の拡大 昔の話です。 代々木駅の西側に、写真1~2のようにとても素敵な(…と私は思う)建物がありました。屋上の柵など表現のしようもないぐらい素晴らしい状態です。「とても素敵だけど、あと1年もしたら解体されちゃうだろうな…」と思い、記念撮影しました。 写真3 2016年11月撮影 写真4 2016年11月撮影 ところが意外なことに、写真3~4のごとく2年経過しても解体されません。 1階の角にはパチンコ屋の代わりに新しいお店さえ入っています。 写真5 2016年11月撮影 写真6 2016年11月撮影 その日は近くで会合がありました…

  • 青梅街道の下の新宿歩行者専用道

    青梅街道の下の新宿歩行者専用道が少し伸びていました。以前はE8出口が東端だったのですが、現在はE9出口が東端に変わりました。 写真1 E8出口付近(2018年1月) 写真2 E8出口付近(2023年2月) 写真1はE8出口が終端だった頃です。写真2では壁がなくなり、ずっと奥まで伸びています。今回開通した区間は天井の構造が違うことがわかります。 写真3 E8出口(2018年1月) 写真4 E8出口(2023年2月) 写真3はまだ壁があった頃です。写真4は現在ですが、床面の汚れ具合の差異がよくわかります。天井構造の相違とともに「境目」であることを主張しているかのようです。 写真5 天井(2023年…

  • 自分の頭の中身は相手に簡単には伝わらないと認識しよう

    以心伝心なんてないのニャ… 自分自身の頭の中身(理解していること)は相手も同様にわかってくれる(理解できる)…と思い込んでしまうことがあります。しかし、現実には想像以上にわかってもらえないもので、これに起因して「人と人の境目」でいろいろ問題が起こります。 ◇ ◇ ◇ 昔々…ちょっとした試験を実施するため、ステッピングモータを駆動させる必要が生じました。そこで、私は部品を集めて駆動回路基板を作りました。「タイマICで矩形波発生→カウンタIC→デコーダIC→トランジスタアレイで駆動」という基本構成の簡単な回路です。試験の内容より下記のように操作するものを設けました。 (1)電源スイッチ (2)矩形…

  • 技術文書こそなるべくカタカナではなく漢字を使おう

    やたらとカタカナがちりばめられている文章・文書を目にすることがあります。なんとなく格好良い雰囲気を出すためだけならばよいのですが、きちんと意思疎通を図りたい時にこれで問題ないでしょうか? ◇ ◇ ◇ カタカナ(英語、オランダ語、ドイツ語、フランス語…などの外来語が多い)は漢字(これも外来語だが)よりも概してその単語の意味する範囲が広めなので、結果として意味するところがあいまいになりがちです。そのため単語の意味の解釈は人により、あるいは場面により異なってきます。例えばこんな感じです。 【1】お店で… あるお店で趣味に関する資料の紙の束を購入しました。数百枚ある資料ですが綴じてありません。 私「あ…

  • 漢字は感じ

    写真1 郵便ポスト あるところを歩いていたら、郵便ポスト(写真1)がありました。 写真2 犬? 何やら落書きされているようです。よく見たら落書きではなく、写真2のように「犬」というステッカ(門票と称するらしい)のようなものが貼られていました。犬、太、30、という文字を組み合わせたように見えます。「太った犬、体重30kg」という感じ(漢字)と言えますね。 表意文字とはおもしろいものだと思います。 以上さかてつでした…

  • 小田急電鉄特急用車両の帽子掛け

    小田急電鉄の特急用車両はその一部が博物館に保存されています。製造年代ごとに車内外の雰囲気がいろいろ異なります。今回は帽子掛けという部品に注目してみました。 写真1 3000形車内 写真2 3000形帽子掛け 3000形は1957年に登場しました。 帽子掛けは写真2に示したような形です。最初、丸棒を曲げて溶接したのかと思いましたが、いくらなんでも工数が掛かりすぎるし、形状のばらつきが大きくなります。さらに、太さを変化させるために削るのは大変です。…ということから、ロストワックス製法と推定されます。錆の出方から表面仕上げはクロムメッキのようです。したがって、材質は鋳鉄でしょう。鋳造、表面研磨、メッ…

  • 作成した図面・資料は対話しながら確認しよう

    設計とは、簡単に言うと「ある物・事象をどのように具体化するか検討すること」です。その検討結果は仕様書、設計書、図面などにまとめられます。 たとえば製作図面であれば製造現場へ製作指示するためのものですが、この図面に誤りがあれば意図せぬ部品ができてしまい、製品がまとまりません。結果として工程的にも金銭的にも損失が生じますし、お客様の信頼も低下します。このようなことを未然防止するため、設計担当者(作成者)により作成された図面は、他の人(審査者と承認者)により確認されるのが普通です。 さて、それでは審査者と承認者がそれぞれ個人としてしっかり確認すれば図面の誤りはなくせる…でしょうか? ◇ ◇ ◇ 審査…

  • 眠りの大切さを認識しよう

    ものづくりの仕事をしていると、いろいろな問題が発生するものです。それを根性で解決せざるを得ないこともあろうかとは思いますが、それが本当に適切なやり方なのでしょうか? ◇ ◇ ◇ 昔々の話です。 私が設計を担当して納入した装置が、ある日お客様のところで動作不良を起こしました。破損はしていないため、当該装置の部品寸法に関して何かまずい点があるのではないかという話になってきました。この装置はお客様においてたいへん重要な位置付けのものであり、原因と対策を大至急報告するよう強く求められました。 私は関連図面をすべて引っぱり出し、部品寸法とその公差を確認していきました。しかし、公差内で製作されている限り動…

  • 天神下交差点付近の春日通が拡幅されるとかさぶたがはがされる建物

    湯島天神の東方に、天神下交差点があります。この付近、かなり以前から春日通の拡幅工事中です。 写真1 空中写真(2009年4月) 写真2 空中写真(2019年8月) 【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」の写真データを著者が編集・加工したものです。 写真1と写真2の右寄り(東寄り)に天神下交差点が見えますが、この付近は春日通が北側に拡げられつつあります。文京区都市計画図を参考にして、写真2に赤い線で春日通の拡幅予定範囲を記入してみました。写真1と見比べると、交差点の左上(北西)付近はこの10年間で建物がほとんどなくなっていることがわかります。 1.天神下交差点西側…

  • 理系だからこそきちんとした文章を書こう

    世の中ではよく、文系と理系という区分をします。そして「私は理系だから文章は苦手だ」という人が結構いますが、本当にそれでよいのでしょうか? ◇ ◇ ◇ 私が某装置の設計担当者だった頃の話です。あるお客様から20年ほど使用した製品が返送されてきました。動作がぎくしゃくして調子が良くないとのことでした。返送されてきた現品を調査したところ、ある部品が摩耗変形していました。20年も使用すれば当然の話です。調査報告書に「部品が変形していたので良品と交換修理いたしました」と記載し、現品とともにそのお客様に返送しました。 何日か経って、お客様から「ほかにも同様の製品がたくさんある」と連絡が入りました。後日、別…

  • amazonペーパーバックの印刷に不具合が発生した事例

    (↑前回の記事です。) amazonでペーパーバックを発行するには、原稿ファイル(いわゆる中身)と表紙ファイルをPDFデータで作成してアップロードすればOKです。お客様が注文すると、原稿ファイルのデータが紙に印刷され、表紙ファイルのデータに基づき表紙が作成され、両者を合体した形で製本・裁断、そして完成品である本(ペーパーバック)が送付されます。 発行する側(著者の側)としては「原稿ファイルと表紙ファイルの状態がそのまま印刷される」と思うものですが(少なくとも私はそう思っていたのですが)、今回amazonペーパーバック第2弾として発行した『渋谷 街風景 1』において、原稿と印刷結果に相違が発生し…

  • 東横線渋谷駅付近10年間の変化に関するペーパーバック

    ペーパーバック第2弾ということで『渋谷 街風景 1』をamazonで発売しました。今回は誌面を「裁ち落とし」「AB判(幅210mm×高さ257mm)」としてみました。第1弾『関東鉄道グループのキハたち 1』の「裁ち落としなし」「B6判(幅128mm×高さ182mm)」と比べてずいぶん大きく感じます。 写真1 表紙 写真2 誌面 AB判は幅がA4判と同一、高さがB5判と同一というもので、縦横比が√2ではない点が特徴です。写真グラフ雑誌などによく用いられる判型で、実際に編集してみると写真を横に並べやすいと感じます。 裁ち落とし設定で紙面を作成していくのはちょっと面倒でしたが、出来上がって見ると「悪…

  • 鉄道に関する電子書籍の書式

    私が初めて電子書籍を発行したのは2020年の10月でした。「電子書籍をどのように発行するか」ということに関しては以下の本にすべて書いてありますので、記してある通りに実施しました。 それよりも私が悩んだのは「紙面書式をどうするか」でした。電子書籍の場合は紙の書籍とは異なり、紙面の大きさが読む人(使う装置)によって異なります。試行錯誤して「1ページ当たりの情報量および文字寸法比率が新書判の紙面とほぼ同じ」になるようにしました。原稿作成に使用しているのはパワーポイントです。以下のような見開き書式を設定し、それに写真、文、図、表を貼り付けています。 表1 発行書名一覧 まず表1は、現在発行中の書名一覧…

  • 10年ほど前の渋谷駅付近 東横線地上駅とその跡

    今回は、東横線渋谷駅とその跡を東から見た状態です。 写真1 2012年12月 東横線電車が発着していた高架線の渋谷駅です。 写真2 2013年8月 東横線が地下にもぐって半年近く経ちました。解体中ですが、まだ屋根が残っていました。 写真3 2014年8月 写真4 2014年12月 写真5 2016年2月 写真6 2016年11月 写真3~6は、高架線を載せていた建築物が解体されていく状況です。 写真7 2017年8月 写真8 2017年12月 鉄骨が組み上がり始めると、あとは早いものです。 写真9 2018年5月 定点観測に用いていた歩道橋が解体されてしまいました。 写真10 2018年8月 …

  • 渋谷駅を上下方向に貫く橋脚の位置は変わっていないというお話

    写真1 渋谷駅埼京線プラットホーム 写真1の正面に「指定席券売機」と記された紙が貼られた太い柱があります。今まで意識していなかったのですが、これは直上を走る首都高速道路の橋脚です。 左側に見えるのが埼京線の大宮方面行電車で、橋脚の「右側」が大崎方面行電車の停まるところです。昔、埼京線プラットホームが南方にあった頃、埼京線の大宮方面行電車はもちろん、大崎方面行電車もこの橋脚の「左側」を通過していました。 写真2 東横線の旧渋谷駅(2013年8月) 写真3 東横線渋谷駅撤去跡(2017年8月) 写真2は東横線の駅がまだ地上にあった頃です。写真奥に首都高速道路とその橋脚が見えますが、これこそ写真1の…

  • 10年ほど前の渋谷駅付近 東横線地上駅西側(その2)

    前回と同じく東横線渋谷駅の西側(JRの駅との間)ですが、今回は南方を見た状態です。 写真1 2012年12月 左側は、東横線のまだ現役だった高架線の渋谷駅です。 写真2 2014年1月 解体撤去中の高架線です。 写真3 2014年12月 かなりさっぱりしてきました。 写真4 2016年2月 渋谷川東側のビル群が見えます。 写真5 2017年8月 鉄骨が組み上がってきました。あとはパネルを取付けて完成です。翌年2018年9月に渋谷ストリームは開業しました。 写真6 2022年12月 写真7 2022年12月 開業してしばらくは安定していたように見えましたが、再び工事現場になっています。もうこのよ…

  • 10年ほど前の渋谷駅付近 東横線地上駅西側

    今回は東横線渋谷駅の西側です。JRの駅との間から見た状態で、写真奥の方が北です。 写真1 2012年12月 高架線の上に電車が見えます。東横線渋谷駅の南端です。JRの線路との間に挟まれた薄暗い感じの場所で、あまり感じの良い場所ではありませんでした。落書きの多さがそのことを物語っています。 写真2 2014年1月 東横線が地下化され、高架線は解体撤去されていきました。このあたりを歩くとコンクリートのにおいが漂っていたものです。 写真3 2014年12月 解体工事はどんどん進んでいます。写真2と同じ場所ですが、撮影角度が少し異なります。まだ埼京線のプラットホームはずっと南方(恵比寿寄り)にありまし…

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