むつ総合病院が「Join」活用で弘前大学との遠隔診療開始、下北地域の専門医不足打開へ

2025年1月24日17:10|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 青森県むつ市のむつ総合病院は、アルムが提供する医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」とオプションの院内映像ライブ配信機能「LiveView」を導入した。弘前大学医学部附属病院との遠隔診療に活用する。1月23日、アルムが発表した。

 むつ総合病院は、下北半島エリアで唯一の総合病院で、約7万人の医療圏をカバーする。青森県内唯一の大学病院がある弘前市や、県内の主要都市である青森市や八戸市からも距離があり、同院は下北半島エリアの重症患者を24時間受け入れる三次救急の役割を担うが、医療従事者の不足、特に専門医不足が深刻な課題となっていた。また、弘前大学病院を受診する下北エリアの患者数は年間延べ2500人にのぼり、片道で約3時間を要する通院は患者にとって大きな負担となっている。

 こうした状況を打開するために、「遠隔妊産婦管理」「遠隔脳神経外科手術指導」「遠隔ICUによる重症患者管理」という三つの診療分野でJoinの活用を開始した。むつ総合病院には周産期専門医がいないが、Joinを通じて弘前大学の専門医からリアルタイムで診断を受けられるようになる。

20250124_mutsu.png
JoinとLiveViewの活用イメージ

 また、むつ総合病院に在籍する脳神経外科医は1人だけだが、LiveView機能を使用して手術中の顕微鏡映像を弘前大学にリアルタイムで共有することで、弘前大学から助言を受けながら手術を進められるようになる。

 さらに、同院は集中治療専門医も不在だが、クロスシンクが提供する「生体看視アプリケーション iBSEN DX」とJoin、LiveViewを組み合わせることで、弘前大学の集中治療専門医の助言を受けながらICU看護師が処置することも可能になるとしている。

 アルムはディー・エヌ・エーの子会社。同社によれば、複数診療科領域で医療機関同士の遠隔診療にJoinとLiveViewを活用するのは、東北初の事例だという。

ニュースリリース