公式アカウント

原動力/姜希純

司法試験合格までの道のりはとても長かった。できない自分に腹が立ち、悔しくて涙を流したこともあった。 そんなときに私の背中を押してくれたのは、ウリハッキョであった。 道を見失いかけたときに

過去に思いをはせる/趙晃來

12月初旬、演劇やミュージカルが好きな妻の希望で、東京中高で行われたマダン劇を観に行ってきた。瀬戸内海に浮かぶ長島という小さな島にあるハンセン病患者の隔離施設「長島愛生園」に暮らすおっちゃん・秋やんと…

リバプールでの悲劇/夫星琴

休暇を利用して英国内を旅行したが、特に印象深かった都市はリバプールだ。ビートルズやサッカーで有名な港町。赤レンガ造りの建物がヨーロッパらしい趣を漂わせるこの町で、私は市民と警察が激しく衝突する場面に遭…

「ウリ」について/朴信陽

2013年の春、期待に胸を膨らませながら神戸初中の校門をくぐった。 ピカピカの中級部1年。日本学校からの編入生で、右も左も分からない私に、トンムたちが親切に接してくれた。 例えば教科書を読むとき。ウリ…

踏ん張りどき/姜希純

朝鮮大学校を卒業した私は、司法試験の受験資格を得るため、慶應義塾大学の法科大学院、いわゆるロースクールに入学した。見るからに頭の良さそうな同期、難しい授業、留年の危機と隣り合わせの期末試験。何度も挫折…

釣りを通じた出会い/趙晃來

コツン、コツン。竿先から感触が伝わってくる。 (まだまだ、今じゃない) グ、グ、ググググ。竿先がグーンと引きこまれる。 (よし、今だ!) タイミングを合わせて振り上げた竿からは、海中で暴れるタチウオの…

音楽の息吹/夫星琴

北アイルランドの多くのパブでは、週末になると生演奏のセッションが開かれ、音楽が人々の生活に溶け込んでいる。先日、ふと立ち寄ったベルファストのアイリッシュパブで、隣に座った常連客が「今日は少しいつもと様…

「音」を奏で日々を彩る/朴信陽

私は神戸初中・中級部から朝鮮大学校までの10年間、吹奏楽部に所属した。フルートと共に過ごした青春の日々に思いを馳せながら、あの頃を思い出したことも1度や2度ではない。しかし教員になってからは時間や場所…

葛藤と気付き/姜希純

朝鮮大学校政治経済学部に在籍時、私は、学べば学ぶほど、自分の進路に疑問を抱くようになった。地域の活動家や朝鮮学校教員の数が足りないという現実を目の前にして、私が弁護士を目指してよいのだろうか、弁護士に…

西東京の潜在力/趙晃來

「ウリ民族フォーラム2024 in西東京」の開催地、J:COMホール八王子にはウリハッキョを支える多くの同胞と日本の支援者たちが集まっていた。 フォーラムのステージは西東京第1・第2初中の児童・生徒た…

言葉の壁/夫星琴

 「かれらが私たちの言葉を理解しないのは、かれらが私たちの言葉を聞いていない、それがかれらの問題である」(映画『ベルファスト』より) 英国とアイルランド共和国が領有権を主張する北アイルランド(アイルラ…

大丈夫、1人ではない/朴信陽

「ウリハッキョ」。その言葉は私を時々、小6の秋へといざなう。まだ日本学校に通っていたあの頃、「ウリハッキョ」といえば、舞台上できらびやかな衣装に身を包んだ同年代の児童たち、老若男女問わず七輪を囲む同胞…

抱いた希望/姜希純

東京朝鮮文化会館に広がる演壇、ずらっと並ぶ弁護士の先生たち。集まったたくさんの同胞たちと大きな拍手の音。何年経っても忘れられない光景だ。 2013年、ウリハッキョを高校無償化制度から除外した日本政府に…

南武アボジキャンプ/趙晃來

8月24日、南武初級。41人の子どもたちが続々と体育館に集まってくる。南武初級のアボジキャンプがあるのだ。2016年に初開催し、今回で5回目となったアボジキャンプは夏休み最後の思い出作りとアボジたちの…

北アイルランドを知る/夫星琴

小学生の頃、英国の正式名称 United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandを覚えるため、世界地図を広げアイルランドと色分けされた「北アイルラン…

アボジの思いを心にとめて/金サラン

「そんなふうに育てた覚えはない」。震える父の声に、後悔や不安よりも心の奥底にしまっていた思いが大声になって出た。「パパのことが大好きだから、もうルーツを隠したくないし、向き合っていきたいねん」。 朝鮮…

学美と私/玄明淑

ウリハッキョの学生が参加する行事は実にさまざまで、中央体育大会や芸術コンクールに口演大会などたくさんある。学生数の割合から考えると本当に忙しい。在日朝鮮学生美術展覧会(以下、学美)は、初中高のすべての…

明日を支える希望の汗/黄炳柱

今年も、ウリハッキョの生徒、学生たちによる夏期社会実践活動が始まった。かれらは活動期間、夏期学校の運営や同胞訪問、日校生サマースクールの動員活動や運営参加など、たくさんの貴重な経験をすることになる。私…

民族教育16年生/河美珠

先日栃木にある朝鮮学校を訪れた。初級部1年生のクラスにはたった1人しかおらず授業は先生とマンツーマンだ。その子は休み時間になると同時に外へ出てオンニ、オッパたちと元気に駆け回っていた。年齢に関係なく親…

故郷の味を追い求めて/金サラン

父が在日朝鮮人、母が日本人のわが家では朝鮮料理が食卓に並ぶことはほとんどなかった。いとこによるとハルモニは料理上手だったそうだ。しかし父に聞いても「貧しくて子どもの時は食べ物らしいものを食べていない」…