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2024.12.11
美肌、保温、万病の湯…泉質が多彩な温泉を心ゆくまで堪能する北海道・登別で湯めぐり旅
支笏洞爺(しこつとうや)国立公園の大自然に囲まれた北海道・登別温泉は、ひとつの温泉地から複数の泉質が湧き出る、温泉のデパートともいわれる国内でも珍しい温泉地。新千歳空港からはバスで約1時間、札幌からでもバスで約1時間15分という、車がなくてもアクセスしやすい場所にあります。 硫黄泉をはじめ効能が異なる泉質が多種類湧出し、宿ごとに浸かれる泉質もさまざま。体調や気分に合わせた湯めぐりを満喫できるのが魅力です。心身ともにリフレッシュできる、癒やしの旅にでかけてみませんか?今回は一度は泊まりたい憧れの宿や温泉街で人気のカフェ、天然の足湯など、登別温泉で立ち寄りたいスポットをご紹介します。 記事の最後には、北海道の観光PRキャラクター「キュンちゃん」が抽選で当たるアンケートを開催中。ぜひ、ふるってご応募ください。
自分好みのお湯を探して。登別温泉でリトリートステイ
湧出量の多さから、どの宿でも大浴場にはたっぷりと温泉が注がれる
登別温泉に湧く温泉のほとんどは、約1万年前の火山活動で形成された爆裂火口跡「登別地獄谷」が源。1日1万トンもの湯量が湧き出しており、どの宿でも贅沢に温泉を堪能できます。 湯量だけでなく、泉質の多さも大きな魅力です。殺菌や血行促進が期待できる硫黄泉、保温効果が高い食塩泉(塩化物泉)、美肌効果で知られる重曹泉(炭酸水素塩泉)、万病に効くとされるラジウム泉など、体調に合わせた温泉を選べるのが特徴。近年注目を集める旅のスタイル、健康になることを目的とした「ケア・ツーリズム」にもぴったりの場所です。 自分に合う湯をゆっくり楽しむことで、日々の疲れをリセット。体も心もときほぐされて、前向きな気持ちになれる滞在が叶います。 ※泉質名は登別国際観光コンベンション協会HPを参照。( )内は新泉質名
(左)硫黄泉が流れる「大湯沼川天然足湯」(右上)ライトの点灯は日没後〜21:30(右下)水蒸気や湯煙が勢いよく噴き出す登別地獄谷
温泉街に到着したら、まずは周辺を散策してみましょう。 温泉街の北東にある源泉地「登別地獄谷」。その迫力ある景観は、まるで鬼が棲む地獄のよう。夜に木道が照らされる「鬼火の路(みち)」も見逃せません。立ち上る湯煙とむきだしの岩肌が暗闇の中にかすかに浮かび上がり、日中とは異なる荒々しくも神秘的な雰囲気が漂います。 温泉街から徒歩でおよそ25分。大湯沼から流れる川沿いの散策路を歩くと、丸太が組まれた天然の足湯が現れます。温泉に浸かりながら森林浴も楽しめる贅沢な空間。川のせせらぎや鳥のさえずり、風に揺れる木々の音に癒されますよ。
登別地獄谷
ジゴクダニ
5つの泉質がそろう大浴場が自慢「第一滝本館」
温泉街では最大となる5泉質が楽しめる
登別地獄谷の最もそばに立つ「第一滝本館」。5泉質の温泉を一度に堪能できる、総面積1500坪もの広い大浴場が魅力です。 硫黄泉をはじめ、肌をなめらかにする重曹泉、殺菌力が高い酸性緑ばん泉、体を芯から温める"熱の湯"食塩泉、さらには高血圧にも効くとされる芒硝泉(ぼうしょうせん)など、多彩な湯船がそろいます。各浴槽には泉質名と効能に加え、肌への刺激度までが詳しく掲示。気分や体調にあわせた湯めぐりを満喫できます。
(左上)硫黄泉をたたえる開放的な露天風呂(右上)重曹泉を使うことでまろやかな味わいに(左下)露天で一杯!が叶うサービスも(右下)食塩泉で満たされた檜風呂
すべての浴槽は湯守が管理し、年中いつでも入りやすい温度へと常に調整されているのがこの宿の自慢。湯船の数も多いので、滞在中は好きなタイミングで何度でも浸かりましょう。 心ゆくまで温泉を堪能したら、北海道の旬のを味わう夕食で贅沢なひとときを。お腹の調子を整えるという重曹泉がお茶漬けや鍋の出汁に使われており、体の内側からも大地の恵みを感じられます。また、おみやげ処やリラクゼーション施設も充実し、滞在中のすべてが館内で完結する利便性も魅力。2024年12月27日には、季節のフルーツを使用したパフェを提供する「観音山フルーツパーラー 登別」もオープンの予定です。
第一滝本館
ダイイチタキモトカン
飲める温泉・重曹泉を使用した「温泉クロワッサン」(400円)(右)
第一滝本館の向かいにたつ姉妹館 「adex inn」エントランス階には、温泉街初のベーカリー「adex BAKERY&CAFE」が2024年夏にオープンしています。 焼きたてのこだわりパンが、朝8時から15~20種類ほど並び、朝ごはんやちょっとしたおや つにもぴったり。アルコールメニューも終日提供しており、バーとしても利用可能。時間を 気にせず気軽に立ち寄れる、使い勝手のよいオールデイカフェに注目です。
adex BAKERY&CAFE
アデックスベーカリーアンドカフェ
登別らしいサウナと名湯でくつろぐ「祝いの宿 登別グランドホテル」
滝が流れ、野趣あふれる庭園露天風呂。硫黄泉らしい乳白色が緑に映える
85年以上の歴史があり「登別の迎賓館」と称される老舗ホテル。硫黄泉や食塩泉、鉄泉(含鉄泉)の3泉質を贅沢に楽しめる広々とした大浴場に加え、日本庭園を望む露天風呂からは四季折々の自然の移ろいが感じられます。 2022年秋に完成した「鬼サウナ」など、近年はサウナのプロが監修した登別らしさが光る3種類のサウナが話題に。宿泊はもちろん日帰り利用での人気も高く、サウナ好きを中心に北海道内でも注目を集めています。
(左上)開放感あるドーム型ローマ風大浴場(右上)水風呂には山麓を源とする沢水をかけ流し(左下)滝見できるウッドデッキ(右下)ヴィヒタも用意され、木の葉の香りに満たされる
館内にあるサウナは、すべてプロサウナー・ととのえ親方が監修。中でも注目は、110度の高温を実現したオートロウリュ式の「鬼サウナ」。鬼の棲み家をイメージした荒々しい見た目とは裏腹、心地よく汗をかけるよう細部のつくりまで配慮されています。汗を流した後は、滝の音をBGMにウッドデッキで外気浴を。唯一無二の「ととのう」を体験してみましょう。 高温が苦手な人は80度と優しめに設定された「清流サウナ」や「熊サウナ」へ。セルフロウリュも楽しめ、誰でも自分にあったサウナ体験が味わえますよ。 湯上がりには、2024年7月にリニューアルした「カフェ ユーカラ」でのんびりと過ごしましょう。
(左)「バームクーヘン ブリュレ」 (770円)と「エスプレッソトニック」(880円)(右上)自然光が差し込む明るい空間(左下)ブックライブラリーには100冊を超える書籍が揃う
カフェのおすすめは、毎日手作りしている人気のバームクーヘンを使った「バームクーヘン ブリュレ」。香ばしく焦がした表面のカリッと感と、濃厚なカスタードクリームの贅沢な味わいが魅力です。そのほか、創業以来のレシピを守るホテル特製ビーフシチューや、爽快感が魅力の「エスプレッソトニック」など多彩なメニューが楽しめます。 店内には、HOKKAIDO・NATURE・RELAX・ART・FOODの5つのテーマにしたブックライブラリーも併設し、登別の自然や文化に関する本も充実。色や形・素材違いの椅子やソファーからお気に入りの席を見つけ、ゆったりと過ごしましょう。
祝いの宿 登別グランドホテル
イワイノヤドノボリベツグランドホテル
上質なぬくもりとおもてなし「登別温泉郷 滝乃家」
「万病の湯」と評されるラジウム泉もそなえる「地緑の湯」
割烹料亭から始まり、創業100年を超える老舗和風旅館。少ない客室数ならではの上質なサービスと細やかな心配りで、多くのリピーターに愛されています。 館内は庭園を望む大きな窓や畳張りの廊下など、まるで隠れ家のような雰囲気。 客室にそなえる家具はそれぞれの客室に合わせて厳選され、暖炉や内風呂付きの客室のほか、源泉かけ流しの露天風呂付客室など、多彩な選択肢がそろいます。その居心地の良さに、宿泊客のほとんどは滞在中は外出せず、宿でのんびりと過ごすのだとか。
(左上)神秘的な雰囲気が漂う硫黄泉の露天風呂(右上)斜面をいかした庭付き客室(左下)洗練された心落ち着くたたずまい(右下)廊下は全て畳張り
大浴場は最上階にある露天「雲井の湯」と、地階「地緑の湯」2カ所。硫黄泉や鉄泉、食塩泉、ラジウム泉の4泉質を堪能でき、寝湯など趣異なる湯めぐりを館内で満喫できるのも魅力です。 四季折々の自然美にも触れられ、贅沢なおこもりステイに最適。せわしない日常を忘れ、思う存分のんびりと過ごしてみましょう。
選りすぐりの山海の幸を使う滋味あふれる会席料理
登別温泉郷 滝乃家
ノボリベツオンセンキョウタキノヤ
温泉街のカフェでひとやすみ 「道産子ぷりん」
ハスカップやかぼちゃなど、北海道食材を使うぷりん
温泉街の中心に位置する、地元食材を活かした手作りぷりんのお店。 ご店主の「地元食材を使ったメニューを提供したい」というこだわりから、のぼりべつ牛乳と白老産の卵を贅沢に使用。濃厚でなめらかな味わいが特徴で、一度食べたら忘れられない美味しさです。 一番の人気はスポイトにカラメルが入る「昔ぷりん」(400円)。カラメルのほろ苦さとぷりんの甘さが絶妙なバランスで、ひと口食べれば思わず笑顔がこぼれます。
(左上)桶に入れて温泉らしさを演出し提供(右上)温泉街の中心にあり立ち寄りやすい(左下)ぷりんは卵形の容器に入る(右下)隠れ家的な雰囲気がある店内
「道産子ぷりん」では北海道産食材を味わうメニューとして、ランチタイムには野菜がふんだんに入るスープカレーも提供しています。和風だしとスパイスが効いた5種類のスープカレーはどれも好評です。 全てのぷりんはテイクアウトも可能。散策中のカフェタイムのほか、宿でもゆっくりと味わいましょう。
道産子ぷりん
ドサンコプリン
獲れたて魚介を丼やお刺身でいただきます「温泉市場」
新鮮な魚介を10種のせた「10色前浜丼」(2980円)
北海道産や登別近郊の新鮮な海の幸を、お手頃価格で存分に味わえる食事処。温泉街の中心に位置し、テーブル席や座敷など、落ち着いた空間でゆっくりと食事が楽しめます。 一番の人気は「10色前浜丼」。ほっきや甘エビ、バフンウニ、いくら、前浜産のタラコといった、地元で獲れた旬の味がたっぷり詰まった贅沢な丼です。
「北海道産生サーモン丼」(1880円)もおすすめ
刺身や焼き物、カレー、カキフライなど海鮮から洋食まで多彩なメニューが勢揃い。店内には新鮮なカニやホタテ、ツブが入る生け簀があり、注文後にその場で捌いて提供。鮮度にもこだわった料理が味わえます。 温泉街では珍しく夜まで営業するこのお店。遅めのランチや散策前の腹ごしらえにと、さまざまなシーンに利用できそうです。
温泉市場
オンセンイチバ
迫力満点!ヒグマと絶景に出会える「のぼりべつクマ牧場」
好奇心旺盛なヒグマたち
標高550mの四方嶺(しほうれい)の山頂に広がる「のぼりべつクマ牧場」。北海道で最も歴史があるクマ牧場で、約70頭のヒグマを飼育しています。入園はロープウェイで空中散歩を楽しみながら。山頂までの高低差300mを一気に移動します。 園内に到着したら、手先の器用さやクマ同士の駆け引きなど、その姿や生態を間近で観察してみましょう。じっくりと観察するならば、エサやり体験がおすすめです。
(左上)ロープウェイには7分ほど乗車(右上)かわいらしいイラストが敷地内の至る所に(左下)ガラス越しにヒグマと対面する「ヒトのオリ」(右下)限りなく丸に近い形が特徴的
冬でもエサをやるため、クマたちは冬眠をせず、通年で観察できるのも魅力のひとつです。 クマたちに会った後は、建物の屋上にある「クッタラ湖展望台」へぜひ足を運んでみましょう。倶多楽湖(くったらこ)や噴火湾を一望でき、北海道らしい雄大な自然と絶景が楽しめますよ。
のぼりべつクマ牧場
ノボリベツクマボクジョウ
温泉大国・北海道で個性豊かな湯めぐり旅へでかけてみましょう
豊富温泉のふれあいセンターでは、一般利用のほか湯治客向けの大浴場も用意
雄大な大自然に囲まれた北海道。登別温泉に限らず、火山の恵みを受けた個性豊かな温泉地が点在しています。 道北にある豊富(とよとみ)温泉は、油分を含む独特の泉質が特徴的。タールを含む泉質が、保温保湿・抗炎症効果が高いといわれ、その泉質を求めて皮膚疾患に悩む人々が湯治をしに足を運んでいます。
(左上)五味温泉の炭酸泉(右上)十勝川温泉 第一ホテル 豊洲亭・ 豆陽亭の庭園露天風呂(左下)道南・知内温泉は5つの源泉をかけ流し(右下)川湯温泉・お宿 欣喜湯は強酸性の湯
ほかにも血行促進効果がある「炭酸泉」や植物質を含む美人の湯・十勝川温泉の「モール温泉」など、一見同じように見えても温泉の成分やその効能はさまざま。 観光地めぐりも素敵ですが、ひとつの温泉地に滞在してゆっくり過ごす旅もおすすめ。 北海道にはバスやJRを利用でアクセスしやすい温泉地も多く、自分のペースで湯めぐりが楽しめます。体も心も満たされる、温泉旅にでかけてみませんか?
北海道 温泉MAP
*** この冬は、硫黄泉をはじめ効能が異なる泉質が多種類湧出し、宿ごとに浸かれる泉質も違う登別温泉へでかけ、心身ともにリフレッシュできる、癒やしの旅にでかけてみませんか?
北海道観光PRキャラクター「キュンちゃん」グッズが抽選で当たるアンケートを開催中♪
北海道ミルク飴3個 ・マスキングロールシール ・てぬぐいをセットでプレゼント
キュンちゃんは北海道に住む、まあるい耳とつぶらな瞳が特徴のエゾナキウサギ。見るもの、触れるものの気持ちを「キュン」と感動させること、それがキュンちゃんの名前の由来です。 キュンちゃんは、小心者の自分をちょっとだけ隠すために、エゾシカのかぶりものやご当地のかぶりものを身につけながら、北海道の観光PRキャラクターとして北海道のいろんな魅力を伝えています。 そんなキュンちゃんグッズが当たるアンケートを開催中です。みなさまのご応募をお待ちしております♪ 賞品:キュンちゃんグッズセット 計5名様 (1名あたりのセット内容) ・北海道ミルク飴×3個 ・マスキングロールシール ・てぬぐい 応募期間:~2025年1月13日(月)まで 賞品の発送:2025年1月下旬 ※当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。
てぬぐいにはシマエナガのイラストも!
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三部真優、撮影:保志俊平
協力:北海道観光機構
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