映画『ネクロノミカン』におけるクトゥルフ神話要素
ネクロノミカンはラヴクラフトの短編を連作映像化したオムニバスです。
なんと、H・P・ラヴクラフトが総合的な主役として登場します!
『ネクロノミカン』におけるハワード・フィリップス・ラヴクラフト。
おなじくラヴクラフト作品の映像化である『死霊のしたたり』で、ハーバート・ウェスト役を演じたジェフリー・コムズさん。
これが『ネクロノミカン』の「ネクロノミコン」。
総合的な主人公であるハワード・フィリップス・ラヴクラフトが、この「ネクロノミコン」を読み、過去起きた事件について知る……という展開で作品が進みます。
扱われている作品は──。
・『壁の中の鼠』
・『冷気』
・『闇に囁くもの』
忠実に原作を映像化したのではなく、原作の要素の一部を使ってホラーを作った……という感じです。
原作に忠実な映像化を期待すると、がっかりする確率が高いと思います。
海産物をずるずる引きずらせながら現れる深きものどもっぽい誰か。
ある短編の主人公は、この深きものらしきものに渡されたネクロノミコンをつかって、死人を蘇らそうとします。
" That is not dead which can eternal lie,
And with strange aeons even death may die. "
という連句は、
"永遠の生命が存在する 霊体によって死さえ死ぬのだ"
と訳されています。(DVD版)
あとDVD版の訳で言えば、"Cthulhu"はわかりにくいと判断されたのか、「暗黒の神」と訳され、"Necronomicon"は「死者の書」と訳されています。(ネクロノミカンがタイトルなのに……)
口からタコ触手を伸ばす女の人。
元人間が異形化したもので、クトゥルーの落とし子とは無関係っぽいです。
つるんと剥けた人の皮。
復活の時に描かれた模様は円に五芒星。
異世界の扉が開いた時のシーン。
『コワすぎ』の異世界シーン表現とちょっと似てる。
クトゥルフ神話ファンの見どころはなんといっても、ラヴクラフト御大直々による戦闘シーン。
人の顎を引っ張ってちぎる豪腕に、武器はなんと仕込み杖!
◯ ネクロノミカン