上質でずっと着られるスタンダードな一着を大切に選びたい。そんな気分に応えてくれるのがA.P.C.(アー・ペー・セー)。
1987年、フランス生まれのA.P.C.のアイテムは、カッティング(形)、ファブリック(素材)、スタイリング(個性が出る組み合わせ)を大切にしているからこそ、シンプルな中に宿るデザイナーのこだわりや、品を感じられるものばかり。
今回はそんな憧れブランドA.P.C.の中でもとっておきのスタンダードアイテムをピックアップ。それぞれのアイテムのこだわりや秘密を知れば、あなたもA.P.C.のお店を覗きたくなること間違いなしです!
A.P.C.の名品〈4選〉
①デニム
②コート
③ニット
⑤【プチ特集】A.P.Cのマニアな豆知識
A.P.C.のスタンダードアイテムといえばデニム。中でも、ブランド創設期にリリースし、ヒットしたデニムの後継デニムである「New Standard」はハズせない名品。そのデニムの魅力を徹底解剖します。
クラシックなシルエットが、いい。
ベースはストレートの形で作られているけれど、裾には若干のテーパードが効いていて、脚をスッと美しく見せてくれます。また、洗濯でシルエットがねじれないように生地の段階で特別な加工が施されているんです。
職人による手間がかかる「セルビッチデニム」という生地の証である、「赤耳」もついています。折り返したときのアクセントにも。
全4色。まずは右の写真のインディゴが欲しいけど、それぞれ色味がおしゃれで色違いで揃えたい!
日本で生まれる、A.P.C.のデニム。
藍色が美しくハリのあるデニム生地は、日本のメーカー「カイハラ」のもの。デザイナーのジャン氏が生地に惚れ、直接交渉&契約したそう。“フランスパンのような風合い”と表現される生地の表面は硬めで、中はふわふわと柔らかい。
風合いが出る生地縦糸にはマザー・コットンが使用されている。そのベージュの色味が色落ちすると前面に現れ、絶妙な風合いを生んでくれる。
A.P.C.デニムの洗い方
育てがいのあるデニムだからこそ洗い方は悩みどころ。独特のタテ落ちの風合いを出したいなら、水洗いをせずに長期間着用するのがブランドのおすすめ。色落ちや縮みを防ぐならドライクリーニングで丁寧なケアをしよう。
定番のトレンチももちろん素敵だけど、毎年出る新作も見逃せません。なぜなら、それぞれに使われる生地はオリジナルから老舗生地屋のものまで毎年選び抜かれ、同じ型は二度と見られないから! 美しいシルエットにも注目です。
正統派で使いやすいきれいめチェスター
定番型だからこそ上質な素材感やシルエットなどのディティールが光るチェスターコート。比翼仕立てでボタンが表に出ないので、よりきれいめな印象に。
レトロな丸襟でほんのりガーリーに
今期注目の千鳥格子もミックスされたテキスタイルにノスタルジックな丸襟がマッチ。パンツスタイルで甘さを調節して。
ドロップショルダーはレディにゆるっと着こなす
ガウンのようにリラックスして着られるコートはシルエットの落ち感が絶妙。厚手のニットの上からでも着膨れしないゆったりしたサイズ感も嬉しい。
かっちりシルエットでハンサムに仕上げる
肩周りも美しく見せるシルエットのコートは日本限定アイテム! 目が細かく落ち着いた色味のチェック柄は合わせるアイテムを限定しすぎないのも◎。
品があるハイゲージニットもA.P.C.の秋冬のスタンダード。今年から定番型が作られたこのニットは、美しい生地感はもちろん、シルエットも、今1着持っていきたい理由が詰まったニットです。
身体にほどよくフィットするA.P.C.ならではのコンパクトさ
一番のA.P.C.らしさといえばやはりそのコンパクトさ。とはいえ、リブの長さなどはピタッとしすぎて気になるようなタイトさではなく、あくまで着る人を美しく見せる形。だからこそ、さらっと着るだけで品良く見えるんです。
着るだけで大人の品をまとえる光沢感
さらりと着られる生地の軽やかさが、気負わない大人の洒落感を生んでくれるニット。メリヤス編みで、品のある光沢感とふくらみのあある風合いなので、カジュアルアイテムと合わせても上品さを演出してくれる。
老舗ブランドの糸を使ったニット生地
世界のハイブランドから支持されるイタリアの老舗「TOLLEGNO 1900社」を代表する糸を使用した生地で、編み上がりの目面も美しい。
ベーシックで合わせやすいカラバリ展開
ニットのカラバリはベージュとネイビーの2色。実はA.P.C.にはブラックのアイテムは少なく、他のアイテムとなじみやすいネイビーが多いというのもブランドらしさのひとつなんだとか。
着丈はベルトループにかかるくらい。
身ごろと首元のバランスがいいので、コートの襟元からのぞかせるだけでもおしゃれ見えするんです。
さらりと羽織れて品がある万能な一枚
ベージュはボタンも同系色ですっきり、ネイビーは白のボタンがノーブルな印象で使いやすい。
同じシリーズのメンズサイズは、ルーズすぎないゆるっと感が◎。
A.P.C.を知るきっかけがこの「ハーフムーン」だったという人も多いはず。美しいシルエットやデザイナーこだわりのレザーなど、つい目を奪われてしまうバッグの魅力を探ります。
「ハーフムーン」の名前について
ロマンティックなこの名前、フランス語では「SAC-DEMI-LUNE(半分の月のカバン)」というそう。ちなみに、A.P.C.のプロダクトネームは店舗で働くスタッフの名前や映画の登場人物から引用されることも多いとか。
ハッと目を引くレザーの質感。
「ハーフムーン」が人気の理由のひとつが素材の美しさ。このレザーはデザイナー自らが買い付け、やりとりをしているからこそ、他の高級メゾンのバッグ以上に(!)高コスパで上質なレザーを使用できているんだそう。
コンパクトなフォルムに機能性もばっちり
マチが薄くスマートなシルエットながら、12枚のカード入れなど機能性もバツグンです。
トレンドのミニ財布もアイコニックなものに♪
手のひらサイズのコインケースはパッグを選ばないのが◎。こちらもカードポケット付き。
大人のレザー小物をさりげなくバッグにイン
計4ポケットのカードホルダーは定期やICカードを持ち歩くのに十分な機能性。
1987年のブランド立ち上げから30年以上の歴史を積み重ねるA.P.C.には知っているとついまわりに語りたくなるお話がたくさん。
どれもデザイナーのこだわりを感じる内容ばかりです!
A.P.C.がフランス国外に出店する際、最初に店舗を出したのが代官山のお店。それから同じ街にメンズ店舗とコンセプトショップ(現SURPLUS)を出したのは、パリで同様にレディース、メンズ、アトリエの3つの建物があることとリンクさせているからだそう。
デザイナーのジャントゥイトゥがブランドを立ち上げた当時、ブランド名はなかったんです。それは、ジャン氏が洋服をブランド名で判断されることを敬遠したから。当初付いていたのは「HIVER 87(=87年冬)」というコレクションの時期を表すもののみでした。
それからできた「A.P.C.」も「生産と創造の工房(Atelierde Productionetde Creation)」の略でいわゆるブランド名とはまた違う位置付けなのだそう。それにアトリエの場所を加えたのが今のブランドロゴなんです。
香りの着想源は、幼少期にデザイナーがチュニジアで過ごした記憶から。
(手前から)ミニキャンドルコフレ(3個セット)8,500円、パヒュームキャンドル各3,800円 / 以上A.P.C.
94年春夏から通販カタログを製作していたA.P.C.。フランスでは通信販売をV.P.C.と呼ぶことから、ブランド名のAを逆にし、カタログ名に。大量生産が目的ではなく、ブランドをもっと身近な存在にするためのものでした。
JessicaOgdenという作家によるキルトはA.P.C.の古い洋服生地を使い、春夏と秋冬で1シリーズずつ展開。
(手前から)ブルーキルト(H120×W60cm)43,000円、ネイビーキルト(H160×W140cm)76,000円、クッション(H70×W70cm)32,000円 / 以上 A.P.C.
レディースMe 編集部
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