総予測2025#44Photo by Yoshihisa Wada

三菱UFJフィナンシャル・グループは、2025年中間決算において純利益を1兆円の大台に乗せた。5年前に就任した亀澤宏規社長グループCEOは、それまでの努力が実った結果だと話す。特集『総予測2025』の本稿では、25年の事業環境や業績について、話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

純利益は5年前の2倍
2024年は努力が結実

――2024年はどのような年でしたか。

 この数年の好業績の背景には環境要因がありましたが、24年はそれ以上に伸ばすことができた1年でした。貸し出しリスクに対するリターンをしっかりと上げていくことや利ざやの改善、手数料収益などの収益多様化、経費コントロール、店舗数の削減など、国内ビジネスを強靭化しようと努力してきたことが実ってきています。

 海外事業では22年12月に米ユニオンバンクの売却という痛みを伴う改革を行いました。それでも現在、米国の収益は以前よりも伸ばすことができています。

 25年度中間期で1兆円を超える純利益を出しましたが、これは5年前の約2倍です。それだけやる余地があったということです。

――国内では金利が上がり、事業環境は好転しましたが、人口減少などで成長余地には限界があるように思います。やはり今後の伸びしろは海外なのでしょうか。

3メガバンクの中でも、業績の好調ぶりが頭抜けている三菱UFJフィナンシャル・グループ。アジアを中心に海外への積極投資も際立っている。亀澤宏規社長に、25年における国内と海外の事業見通し、加えて24年に行政処分を受けたファイアウォール規制違反の対応策の進捗について、話を聞いた。