Mozilla Firefox(モジラ ファイアフォックス)とは、マルチプラットフォームで動作するオープンソースのウェブブラウザである。
愛称、略称は火狐、Fx、FF。以前はFxを用いることが公式に推奨されていたが、いつの間にかそのような設定は無くなってしまった。英語圏の国ではFF、Fxの両者がよく使われるので、FFが必ずしも間違いとは言い切れない。
概要
Firefoxは"Gecko(ゲッコー)"というレンダリングエンジンを使用しているため、Microsoft Internet Explorer (IE)およびその他IEコンポーネントを使用しているブラウザとは、ページの表示された結果が異なることがある。全体の傾向としては、IEよりもFirefox、Opera、Safariなどの方がW3Cの定めた標準規格に沿った表示をしている。
また、FirefoxはアプリケーションそのものがXMLの一種であるXULと、JavaScript、CSSで記述されており、そのため、非常に拡張性が高い。また、さまざまなプラットフォームに移植する敷居が低くなっている。
名前の由来である英単語"firefox"はレッサーパンダという意味であるが、公式アイコンも炎の狐が描かれていたり、インターネット上では火狐と呼ばれるように、あまり世間には認知されていないようである。
リリース変遷
リリース日 | バージョン | 主な変更点 |
---|---|---|
2008年6月17日 | 3.0![]() |
「Firefox 3」参照。 |
2009年7月1日 | 3.5![]() |
「3」の2倍高速なJavaScriptエンジン「TraceMonkey」が実装された。 |
2010年1月21日 | 3.6![]() |
3.5からさらに20%高速化されたJavaScriptエンジン、Personasという着せ替え機能、変わったところでは加速度センサー APIの実装、などが盛り込まれている。 |
2011年3月22日 | 4.0![]() |
3.6より最高6倍高速になった新JavaScriptエンジン「JägerMonkey」搭載、HTML5 WebM 動画形式にネイティブ対応、ハードウェアアクセラレーション活用の他、UIも大きく変更された。 ※なお、「4.0」以降はリリース規則が変わって、定期的な(基本的には6週間ごと)バージョンアップを行うことになった。 |
2011年12月20日 | 9![]() |
型推論の導入により、JavaScriptが8と比較して最大で45%高速化。3.5で実装された「TraceMonkey」は適用範囲が狭いという問題を抱えており、広範囲に渡ってネイティブコードへ変更できるJITである「JaegerMonkey」が4で導入されたことにより、削除された。 |
2013年1月8日 | 18![]() |
新JavaScriptエンジン「IonMonkey」を導入し、さらに高速化。 |
2017年11月14日 | 57![]() |
Firefox Quantumとして知られる複数リリースの第一弾。ブラウザエンジンを刷新し半年前から倍以上高速になった。既定で検索バーがアドレスバーに統合されるなどUIも同時に刷新された。Google Chromeのアドオンと同様の技術基盤を用いるWebExtensions APIで造られた拡張機能のみに対応することになったため、Firefox 56以前の旧式アドオンは無効化され利用できなくなる。ATOK 2010以前を含む古いIMEも利用できなくなった。 |
ついでの知識
Firefox1.5以降の開発コードネームは、世界各国の国立公園の名称を由来としている。Firefox3.5はコードネームが日本にある世界遺産の「知床」であり、知床国立公園に由来する。(表記は「Shiretoko」)
記念にDiscoverShiretoko.orgなるコラボサイトまで作成された。2018年1月2日現在はアクセスできなくなっている。
アドオン
Firefoxには機能を自由に拡張できる「アドオン」が存在し、それを追加することにより幾らでもブラウザをカスタマイズできる。実用系から、中止ボタンをしいたけにする「中止ボタンがしいたけに見えて困る」などネタ系まで多種多様なアドオンがある。Mozilla HQやその他サードパーティグループ、または個人が開発したアドオンはMozilla、または開発者のウェブサイトからダウンロード可能だ。作成したアドオンは「Firefox Add-ons」で公開することができる。ニコニコ動画に特化したアドオンも存在する。
Firefox 56以前のアドオンではXUL・XPCOMベースの技術が使われていた。これらはFirefoxの奥深い部分まで変更を加えることを可能にしており、Firefoxはアドオンによる高い拡張性で人気を博した。ブラウザの操作感をテキストエディタVimのように大きく変えてしまうVimperatorはその一例である。
Firefox 57以降のアドオンはWebExtensions APIを使うようになった。WebExtensions APIはChromeで使われているextensions APIと共通の部分を持っている。そのためFirefoxアドオンを他のウェブブラウザ(Chrome・Opera・Edge)用に変換したりその逆を行ったりすることが簡単になった。その一方でアドオンの互換性が失われたためFirefox 56以前で動作していた既存の旧式アドオンをFirefox 57以降で動作させることはできない。アドオン作者がWebExtensions APIで書き直すのを待つか、似た機能を提供する代替アドオンを探す必要が有る。
ニコニコ動画用のアドオン
- NicoFox
- 動画とコメントの保存・管理・再生。
- NicoLive Helper
- ユーザー生放送における動画紹介・リクエスト支援。
- niconico AutoPlay plus
- 自動再生、シークバー下にコメントの密度を表示。
- Greasemonkeyのユーザースクリプト
- ニコニコ動画のさまざまな要素(動画閲覧、マイリスト、大百科、生放送など)に関連した多数のスクリプトが開発されている。詳細はGreasemonkeyの項を参照のこと。
ニコニコ動画とFirefox
2018年1月2日現在、niconicoはFirefoxの最新版を正式に対応している動作環境としている。ニコニコ大百科のピコカキコはFirefoxの使用が推奨されている。
ニコニコ動画のコメントなど、Flashコンテンツの日本語入力での問題
Flash Player 11.3で「保護モード」という機能が追加されたが、これが原因でFlashコンテンツ上で日本語入力に不具合が出るバグが発生している(Mozilla Japan ブログ
)。
ニコニコ動画の「ニコニコプレーヤー」もFlashコンテンツなので、ニコニコ動画にコメントを入力する際にも不具合が生じてしまうことになる。
具体的な症状としては、
- 日本語入力ができない
- 日本語入力しようとするとフリーズする、あるいは急にPCへの負荷が上がりしばらく待たされる
- 変換の際にユーザー辞書が反映されない。使った変換候補の順序が記憶されない
- 変換の際に第一候補への変換は通常通りできるが、さらに変換キーを押して第二候補以下を表示しようとするとフリーズしたり急にPCへの負荷が上がりしばらく待たされる
などの報告があるようだ。
これはFlash PlayerのバグなのでFirefox側では修正できないし、Firefoxのバージョンを戻しても解決しない。
発生する環境
- Windows Vista以降を使っている(XPでは発生しない)。
- Firefox 4以降を使っている。
- Flash Player 11.3以降を使っている。
対処法
問題が発生した場合は次のいずれかの方法で解決できることがある。
- HTML5プレーヤーを使用する。
- 保護モードを無効化する(Mozilla側ヘルプ
、Adobeヘルプの一番下
)。
関連動画
関連項目
- ウェブブラウザ
- タブブラウザ
- Internet Explorer
- Microsoft Edge
- Opera
- Safari
- Google Chrome
- Firefox 3
- Gecko
- 火狐
- IE、Firefox推奨
- Rust(プログラミング言語)
外部リンク
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