富士フイルム、熊本でCMPスラリーの生産能力増強 : 約20億円投資し、1.3倍に拡大
富士フイルムは、熊本県菊陽町の生産拠点で、半導体表面を平たんにする研磨剤「CMPスラリー」の生産設備を増強したと発表した。増設ラインは2025年1月より稼働の予定。これにより、同拠点におけるCMPスラリーの生産能力は約3割増える。
富士フイルムは2024年12月5日、熊本県菊陽町の生産拠点で、半導体表面を平たんにする研磨剤「CMPスラリー」の生産設備を増強したと発表した。増設ラインは2025年1月より稼働の予定。これにより、同拠点におけるCMPスラリーの生産能力は約3割増える。
CMPスラリーは、半導体ウエハー上に回路パターンを形成する工程で、硬さが異なる配線や絶縁膜が混在する半導体表面を研磨して、均一に平たん化するために用いられる。特に同社が強みを持つのは、銅配線用CMPスラリーの分野である。
同社はこれまで、「米国アリゾナ州」「台湾の新竹市および台南市」および、「韓国天安市」にCMPスラリーの生産拠点を設けるなど現地生産化を進め、高品質化と安定した供給体制の確立に取り組んできた。
国内でも2024年1月より、熊本県菊陽町の富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング九州で、CMPスラリーの製造を始めた。今回は、ここに約20億円を追加投資し、銅配線用を含めたCMPスラリーの生産設備を増強した。AI(人工知能)向け半導体の需要拡大に伴うアジアでのCMPスラリーの需要増に対応するのが狙い。
左は富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング九州の建屋、右はCMPスラリーの生産設備を導入する建屋の外観[クリックで拡大] 出所:富士フイルム
なお富士フイルムは、2024年12月11〜13日に東京ビッグサイトで開催される 「SEMICON Japan 2024」に出展する。最先端からレガシーノードまでをカバーする半導体材料や、「前工程先端材料(EUV:極端紫外線)開発」や「DX技術を活用した後工程向け材料開発」に関する取り組みなどを紹介する。
会期
2024年12月11日(水)〜13日(金)
会場
東京ビッグサイト
ブースNo.
1838
>>↑↑↑特集ページはコチラから↑↑↑<<
富士フイルム、EUV向けレジストと現像液を販売
富士フイルムは、ネガ型の極端紫外線(EUV)に向けたフォトレジストと現像液の販売を始める。これに合わせ、静岡と韓国平澤の2拠点でEUVレジストとEUV現像液の増産および品質評価に必要な設備を増強する。
富士フイルム、韓国に「COLOR MOSAIC」の新工場
富士フイルムが韓国平澤市に建設していたイメージセンサー用カラーフィルター材料の新工場が竣工した。2024年12月末より「COLOR MOSAIC(カラーモザイク)」の生産を始める予定。
富士フイルム、ナノインプリントレジストを発売
富士フイルムは、半導体製造技術「ナノインプリントリソグラフィ」に適合する半導体材料「ナノインプリントレジスト」を開発、2024年5月下旬より富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズを通じて販売する。
富士フイルム、熊本でCMPスラリーの製造を開始
富士フイルムは、富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング九州エリア(FFMT九州、熊本・菊陽町)で、半導体製造プロセスに用いられる「CMPスラリー」の製造を始めたと発表した。同社は米国や韓国、台湾でCMPスリラーを製造しているが、国内拠点での生産は初めてとなる。
富士フイルム、台湾に半導体材料工場を新設へ
富士フイルムは2023年5月16日、台湾・新竹市に半導体材料の工場を新設すると発表した。新工場は2026年春の稼働を予定している。
富士フイルム、米社の半導体用化学薬品事業を買収
富士フイルムは、米国Entegrisのグループ会社で半導体用プロセスケミカル事業を手掛けるCMC Materials KMG Corporation(以下、KMG)を買収すると発表した。2023年中にKMGの全株式を取得する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.