スウィングガールズ

劇場公開日:2004年9月11日

解説

ジャズに魅了され、ビッグバンドを結成した田舎の女子高生たちの奮闘と成長を描いた青春群像コメディ。監督・脚本は「パルコ フィクション/バーゲン」の矢口史靖。撮影を「深呼吸の必要」の柴主高秀が担当している。主演は、「チルソクの夏」の上野樹里と映画初出演の平岡祐太。文化庁支援作品。

2004年製作/105分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2004年9月11日

あらすじ

東北地方の田舎町。食あたりで倒れた吹奏楽部の代わりに、急遽集められた友子をはじめとする落ちこぼれ13人と、リコーダーとギターとベースしか出来ない3人という計16人の女子高生。たったひとり難を逃れた吹奏楽部の1年生・拓雄と共に、野球部の応援の為にビッグバンドを結成することになった彼女たちは猛特訓を開始するが、やっと演奏の楽しさを知った矢先、吹奏楽部が復活。17人の夏休みは、不完全燃焼のまま終わっていくのだった。だが、一度知ったスウィングの楽しさは忘れられるものではない。途中、脱落者は出たものの、大奮闘の末に楽器をゲットした彼らは、隠れジャズマニアだった数学の小澤先生の指導(?)の下、演奏も徐々に様になっていく。そして、一度は去ったメンバーたちも戻って、ビッグバンド“Swing Girls and a Boy”は“東北学生音楽祭”にも出場。満員の会場で、みごとな演奏を披露するのであった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第28回 日本アカデミー賞(2005年)

受賞

脚本賞 矢口史靖
音楽賞 ミッキー吉野 岸本ひろし

ノミネート

作品賞  
監督賞 矢口史靖
新人俳優賞 平岡祐太
新人俳優賞 上野樹里
話題賞 作品部門/俳優部門  
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映画レビュー

3.5サバサバしていて楽しい映画

2013年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

笑える

楽しい

幸せ

多数の女子高生が織りなす高校生活の一幕だが、じと~とした場面が一切なく、サバサバした明るい面子ばかりで安心して観られた。その点でお正月に家族で観る映画にうってつけかも。

その分“深さ”はないが、それはこの映画に求めてはならない。
「あ~音楽やりてぇ」という気持ちと、カラッとした気持ちよさを与えてくれる、またそれだけで十分意味のある娯楽作品です。

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momokichi

4.0【81.2】スウィングガールズ 映画レビュー

2025年7月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

『スウィングガールズ』は、単なる青春映画の枠を超え、コメディ、ドラマ、そして音楽映画としての要素が絶妙に融合した、極めて完成度の高い作品だ。その根底には、矢口史靖監督ならではのユーモアと、何よりも「音楽の力」が脈打っている。落ちこぼれの女子高生たちが、ひょんなことからビッグバンドジャズと出会い、その魅力に囚われていく過程は、観客に抗い難い高揚感と感動をもたらす。
矢口監督の演出は、コメディとドラマの緩急のつけ方が見事だ。素人である彼女たちがジャズに戸惑い、試行錯誤する姿をコミカルに、しかし温かい眼差しで描く。特に、音楽が彼女たちの日常に浸透し、自己表現の手段となっていく過程は、監督の丁寧な描写が光る。
脚本・ストーリーは、王道的なサクセスストーリーでありながら、随所に散りばめられたギャグや予測不能な展開が観客を飽きさせない。ジャズとの出会い、練習中の苦難、そして仲間との絆が深まっていくプロセスが、自然な流れで描かれている。クライマックスのライブシーンは、これまでの全ての要素が結実し、圧倒的なカタルシスを生み出す。彼女たちの演奏は単なる音の羅列ではなく、それぞれの努力と成長、そして未来への希望を乗せた、まさに「生」の輝きとして観客の心に響く。この構成は、観客を物語に深く引き込み、共感と感動の渦へと誘う。
上野樹里演じる鈴木友子は、当初の無気力な状態から、ジャズに没頭していくことで内面が変化していく様を、非常に繊細かつ説得力をもって表現している。特に、サックスを演奏する際の集中した眼差しと、音楽と一体となる瞬間の表情は、彼女の役に対する深い理解と情熱を感じさせる。友子の内面的な葛藤や、仲間との友情を育んでいく過程での感情の揺れ動きを、表情や声のトーン、そして全身で表現し、観客を物語に深く引き込んだ。彼女の演技は、単なる表面的なキャラクター表現に留まらず、友子という一人の人間が持つ多面性を余すところなく提示。観客は、彼女の成長に共感し、その成功を心から応援せずにはいられなかった。
貫地谷しほり演じる斉藤良江は、友子の親友であり、物語の初期において重要な役割を果たす。彼女の演技は、良江の明るく快活な性格を巧みに表現し、物語に軽快なリズムを与えた。友子との掛け合いでは、自然でテンポの良いやり取りを見せ、二人の間の強い絆を感じさせた。また、ジャズに触れ、友子と共に成長していく過程での、良江の心の変化も丁寧に演じきり、観客に共感を呼んだ。
本仮屋ユイカ演じる関口香織は、優等生でありながらも、ジャズの魅力に引き込まれていく香織の繊細な感情を表現。最初は乗り気ではなかったものの、次第に音楽に夢中になっていく香織の内面の変化を、表情や仕草で巧みに表現し、観客にその成長を印象づけた。特に、演奏シーンでの真剣な表情は、彼女の役に対する深い入り込みを感じさせた。
豊島由佳梨演じる渡辺弘美は、控えめながらも個性の光る演技で、作品に深みを与えた。弘美の持つ朴訥としたキャラクターを自然に演じ、周囲の個性的なキャラクターたちの中で、独特の存在感を放った。彼女の演技は、物語全体に温かみとリアリティをもたらし、アンサンブルとしての魅力を高めた。
竹中直人演じる小澤先生は、いつものコミカルな演技を封印し、生徒たちを温かく見守る教師を好演。ジャズへの情熱を生徒たちに伝える熱演は、物語の重要なターニングポイントとなった。彼の存在が、生徒たちの成長を後押しし、物語に説得力をもたらした。
平岡祐太演じる中村拓雄は、唯一の男子生徒として、女子生徒たちの中で戸惑いながらも、徐々にジャズに打ち込んでいく姿を自然に演じた。彼の存在が、女子ばかりのグループに良いアクセントを与え、物語に奥行きをもたらした。
東北の豊かな自然と、古き良き日本の風景を美しく切り取った映像は、作品全体に温かみと懐かしさを与えている。特に、夏の日差しや緑豊かな田園風景は、青春の瑞々しさを表現する上で重要な役割を果たした。美術は、廃校になった校舎をジャズバンドの練習場所として使用するなど、設定に説得力を持たせている。衣装は、女子高生たちの制服姿を基調としつつ、それぞれのキャラクターの個性を反映した私服を組み合わせることで、リアリティを追求している。編集は、物語のテンポを巧みに操り、観客を飽きさせない工夫が凝らされている。特に、コメディシーンでのカット割りの速さや、ジャズの演奏シーンにおけるリズミカルな編集は、作品に躍動感を与えている。また、練習風景と実際のライブシーンを対比させることで、彼女たちの成長を視覚的に表現し、観客に感動を与えた。全体の流れが非常にスムーズで、物語に没入しやすい。
本作の最大の魅力の一つは、その音楽にある。ビッグバンドジャズの持つ華やかさと力強さが、作品全体に生命力を与えている。ジャズアレンジされた楽曲の数々は、観客を魅了し、物語を盛り上げる重要な要素。
作曲家・音楽監修はミッキー吉野。彼のジャズアレンジは、既存の楽曲に新たな魅力を吹き込み、聴く者を飽きさせない。特に、劇中で演奏されるジャズナンバーは、素人バンドの演奏という設定ながら、その熱量と生命力が画面越しに伝わってくる。彼の音楽指導により、キャスト陣は驚くべき演奏能力を身につけ、作品のリアリティを大幅に向上させた。
音響は、ジャズの迫力を最大限に引き出すことに成功している。特に、ライブシーンでの楽器の響きや、会場の臨場感は圧巻で、観客をまるでその場にいるかのような感覚にさせる。練習シーンにおける音の細やかな表現も、彼女たちの努力や成長を感じさせる上で重要な役割を果たしている。
本作には主題歌が存在しない。その代わりに、ビッグバンドジャズの演奏そのものが作品の「主題歌」として機能している。劇中で演奏される様々なジャズナンバーが、作品のメッセージを伝え、観客の心に深く響く。この選択は、音楽映画としての本作の完成度をさらに高めている。
『スウィングガールズ』は、音楽の持つ力、友情、そして夢を追いかけることの尊さを、観る者に力強く訴えかける稀有な作品だ。そのポジティブなエネルギーと、観る者に勇気を与えるメッセージは、多くの人々の心に深く刻まれる作品として高く評価されるべきだ。
しかし、この優れた作品にも、一部の描写が評価を分ける要因となっている点があるのは事実だ。特に、序盤の彼女たちの「未熟さ」や「無気力さ」の表現において、意図は理解できるものの、そのアプローチがやや安易に過ぎ、結果として作品のリアリティを部分的に損ねた感は否めない。彼女たちの行動は、未熟さや現状の不満を表現する手段として、デフォルメが過剰に作用した印象を受け、キャラクターの行動原理への深い共感を妨げた可能性がある。コメディとしての振り切りと、後の成長とのギャップを強調する意図は明白だが、こうした表現の「安易さ」が、キャラクターの初期段階における説得力に僅かな綻びを生じさせ、作品全体の完成度において、完全無欠の評価を得る上での、一歩足りない要因となった。この一点の惜しさを差し引いても、本作の持つ魅力は揺るぎないが、より普遍的なリアリティを伴っていれば、さらに深みのある作品となっていた可能性は否めない。

作品
監督 (作品の完成度) 矢口史靖 113.5×0.715 81.2
①脚本、脚色 矢口史靖 B+7.5×7
②主演 上野樹里A9×3
③助演 平岡祐太 B8×1
④撮影、視覚効果 柴主高秀 B8×1
⑤ 美術、衣装デザイン 磯田典 B8×1
⑥編集 宮島竜治
⑦作曲、歌曲 ミッキー吉野 岸本ひろし S10×1

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honey

4.5スウィングガールズ・ショータイム

2025年5月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

興奮

とても楽しい映画でした♪
よくありがちな無理やりの感動演出がなく、純粋に青春の眩しさや音楽の楽しさで感動させてくれるセンスが好き。
ラストのステージショーのシーンは最高!

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光陽

0.5子供の映画

2024年10月3日
PCから投稿

つまらない。途中で見るのを止めた。

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taro