勝負も人生も「直感を大事に」囲碁棋士・武宮正樹が勝利のコツ語る
2012年5月27日 21:45

[映画.com ニュース] 「アンダーグラウンド」のミキ・マノイロビッチ主演「さあ帰ろう、ペダルをこいで」のトークイベントが5月27日、東京・シネマート新宿であり、囲碁のプロ棋士・武宮正樹氏が登壇。同作で重要な役割を担うボードゲーム“バックギャモン”と囲碁の共通点やゲームの醍醐味を語った。
幼少期に両親とともに共産党政権下のブルガリアからドイツへ亡命した青年が、事故で両親と記憶を失い、再会した祖父とともに自転車で祖国へ戻る姿を描いたロードムービー。青年はかつて祖父に習ったバックギャモンを再び教わりながら旅をすることで、記憶から失われた自身の人生を見つめなおし、家族の絆を取り戻していく。
「病気や事故で脳に損傷を受けた人が碁をやると回復が早いと言われています。囲碁と同様に1対1でやるバックギャモンにも不思議な力があるのでは」と、劇中のバックギャモンの使われ方を分析する。武宮氏は趣味でバックギャモンをたしなんでおり、こちらもプロ級の腕前。昨年の大会で国内最高位を獲得している。
勝負に勝つコツを問われると、「自分が感じたままにプレーしなさいと言うんです。変化は無限で、答えが出ない場面がいくらでもある。だから人間は直感を大事にしなければ。考えすぎると不安が増して、失敗することが多い」という。そして、「バックギャモンも無限の広がりということでは囲碁と共通します。たかがゲームですが、相手がいて深いものがある。遊びの中には生きた知恵が詰まっているので、遊びから学ぶことが大事」と、プロならではの含蓄ある言葉で観客を感心させた。
「さあ帰ろう、ペダルをこいで」はシネマート新宿ほかで公開中。 6月2日はロバート・ハリスを招いたトークイベントを開催する。
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