ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
最近、映画館で鑑賞した映画の簡単な感想をネタバレなしで書いてみました。
◯侍タイムスリッパー
監督・脚本・撮影:安田淳一
幕末の会津藩士が落雷で現代の京都にタイムスリップ。140年前に幕府が滅んだ事を知って落胆するが、周りの恩情もあって撮影所の切られ役と日々生きてゆく、そんな彼に意外な人物が現れて、な内容。
タイトルからポップなイメージが浮かび、タイムスリップと聞いてSFかコメディ的面白さを連想するかもしれないが、本質としては浅田次郎小説の雰囲気を持つ人情時代劇で、その実情は監督自身がお金を集めた個人のインディペンデント作品。なのだが、殺陣に本家の京都撮影所が協力しているので低予算ながらも時代劇として予想以上に面白く作られてはいる。だが、ココまで良いと「もっと予算があったら作品としてもっともっと充実していたのに」な気持になったのも確か。
◯室町無頼
監督・脚本:入江悠
撮影:大塚亮
垣根涼介の同名小説の映画化(自分は未読)。室町時代、税の取り立てで民が疲弊しつくしている世に民と共に一揆に立ち上がった武士の姿を描く。
とにかく、映画全体に面白いのを作ろうとする気合いが満ちていて、そしてソレが作品に現れているので普段映画を観ていない人には「ぜひ観んしゃい!」と超お勧め出来るが、観慣れている人には過去作品の引用が気になって本作に独自性を見出すのが難しいだろうし、楽曲の使い方もよろしく無いので減点になるかもしれない。しかし自分としてはソレも含めて猥雑な魅力として鑑賞した。
〇機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning
監督:鶴巻和哉
脚本ː榎戸洋司 庵野秀明
キャラクター総作画監督ː池田由美 小堀史絵
あの名作TVアニメ『機動戦士ガンダム』を本家のサンライズではなく、『エヴァンゲリオン』のカラーが手がけた話題作をテレビ放送に先駆けて序盤を劇場公開。
とにかく、ネットで話題騒然だったので観てみたら、のっけから「そうきたか!」な展開で、ソウなるのは当然だな。とは納得したが、自分自身にはガンダムにそれほど強い思いは無いので、「感心はしたが、心が揺さぶられるほどの感動は……」な気分。しかし、今回の熱狂はオタクとってガンダムとはただのポップカルチャーではなく、『ローマ帝国衰亡史』や『三国志演義』と同等な教養として根を下ろしているのを感じた。
肝心な内容は「盗んだバイクで走り出し…」ならぬ「盗んだガンダムで…」なお話。まぁ、ガンダムっていつもこんな感じ。
今回はこれにて終了。
(画像はすべて映画.com)