ルイ=ジュリアン・プティ、2022年。
お料理映画を見た流れで、もう一つ。
実在のシェフ、カトリーヌ・グロージャンをモデルに、オーディションで選ばれた実際の移民の少年達が出演したというフランスのコメディ。
重くて難しい題材を笑いで包む。
説明臭くも説教臭くもなくて、軽いエンタメ風に仕上げてある。
言葉や文化を、料理や食にまつわる様々と共に吸収して行く子供達が眩しい。
それぞれの国の、それぞれの家庭の味を披露し合う時の笑顔が眩しい。
無限大の可能性と個性をもった彼らを年齢というラベリングで無機質に選り分けざるを得ない実情。認めざるを得ない非力に難題、一人でも二人でもまともな人生を歩んで欲しい。他国でも、自国でも。
「従わないなら、出て行って!」
規律の大切さを教えると同時に、苦い言葉。この言葉をどう伝えるのか、その先に希望が見えるなら喜んで従う。奪うだけなら、もしくは怒りのすり替えなら、さてどうするか。