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ブロンソンのblacknessfallのレビュー・感想・評価

ブロンソン(2008年製作の映画)
3.4
プライベートも世情もストレスフルな事象ばかりで鬱に押しつぶされそうだから派手に暴れるやつ、しかも反体制的な㊚が見たいから再鑑賞したんよ。

ストレス発散になったかどうかの前に衝撃を受けたね。今回はアマプラで鑑賞なんだけど、全裸で暴れるシーン全部、チ☆ポ(©KKMXさん)がモザイク処理されてたんだよ。ソフトだともろ出し🍌だったのに。
これがアマプラ見放題の呪縛なんだろうな。『エボラシンドローム』を見放題に落とすブルタルなことをしておいて白々しいよ笑
別にトム・ハーディのチ☆ポが見たいわけじゃないけど常人では計りしれぬ男の常軌を逸した奇行を再現してるわけでそのための全裸であるので作品の趣旨を棄損してるし何よりトム・ハーディの頑張りを無効化してる。これは良くないことだよ。だいだい性的な要素ないしさ。

とにかく有名になりたいピーターソンくんは何故か19才で強盗で逮捕、以後刑務所内で度量な暴力沙汰を起こす。奇跡的にシャバに出てるとムショ仲間のツテで地下格闘家デビューを果たす。この時、リングネームとしてチャールズ・ブロンソンと名乗る。しかしパッとせず再び逮捕。
そして「オデはここで名を挙げるしかねぇ」と奮起!前回以上の凄まじい暴力沙汰を繰り返しイギリスで最も有名な囚人として名声?を手にする。

殴る相手が権力の代貸である看守が主なんでそれはそれは愉快なんだけど、レフンの演出がちょっとなぁ。ブロンソンを何か求道的な精神がある人のように見せようとして違和感があるんだよな。演出も謎のステージで客に向かって人生を語る形で進める。映像もレフンらしいアートフィルム的なスタイリッシュなタッチでかっこいいけど、その分ブロンソンの獣性なり独特過ぎる自己顕示欲の生々しさが感じられない。絵画の才能も発揮するしレフンは手段を誤ったアーティストのように捉えているふしがあり、そこがおれのブロンソン観と合わない。
おれからするとこの人は今ならBREAKING DOWNの出てくるような意志と自己顕示欲とパワーはあるけど頭がイマイチな腕白小僧なんだ。だから東映の実録ヤクザ映画のタッチで撮った方がしっくりくる。“ブロンソンは再び看守を暴行懲罰房に逆戻りするのであった”とナレーションが入り、静止画に[懲罰20日]みたいなテロップ入る感じで、演出も『仁義なき戦い 広島死闘編』の大友(千葉ちゃん)みたいな無軌道な暴力衝動と誰であろうと気に食わないやつはFuck Off的な常軌を逸した成り上がり志向の化け物のように描いて欲しかった。

やっぱりレフンとは手が合わないんだよな。『ドライヴ』でキャリー・マリガンを魅力的に撮ってくれたことだけだよ、ありがたいのは。あ、でも『プッシャー』シリーズは好きだな。
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