『クラウドの技術』
藤本さんや首藤さんにお誘いいただいて、コラムの執筆を担当させていただきました。
内容はkumofsについて、特に全体のアーキテクチャと耐障害性についての技術解説です。
『クラウドの技術』は、クラウド関連の要素技術について丁寧にまとめられていることが人気を呼んだ末に、今では入手困難となってしまったという噂の UNIX Magazine 2009年 4月号 の特集を再編集し、さらに多くの新しい記事を加えたものになっています。
目次は以下の通りです:
[最新・クラウドプレイヤーたちのサービス]
・Windows Azureの世界(丸山不二夫)
・Windows Azure Tableの概要(丸山不二夫)
・Google App Engine(中田秀基)
・Amazon Web Services(浦本直彦)
・Amazon Web Servicesを取り巻く技術とサービス(浦本直彦)
・富士通のトラステッドサービスプラットフォーム(岸本光弘)
・Hadoop/MapReduce(藤田昭人)
コラム:Hadoopのハードウェアベンチマーク
・Force.comマルチテナントアーキテクチャ(岡本充洋)
[クラウドを支える技術]
・分散インメモリキャッシュとデータグリッド(佐藤直生)
・スケールアウトの技術(首藤一幸)
コラム:key-valueストア
・GREEで活用されているkey-valueストア(藤本真樹)
コラム:kumofs(古橋貞之)
・変わりゆくデータセンターの役割とカタチ(堂前清隆)
[クラウド時代のアプリケーション開発]
・クラウドの開発手法とデータモデル(萩原正義)
・クラウド時代のモデリング技術(浅海智晴)
[クラウドが企業に受け入れられるには]
・クラウドの可能性と課題(鈴木雄介)
・索引
ときに、超高スケーラビリティを発揮する大規模分散計算技術は、多くの企業にとっては不要なものでしょう。利点があるとすれば、高級なハードウェアに頼る代わりにソフトウェアによって性能や耐障害性を向上させられる事による、価格面での利点などだと思われます。
今までRDBMSで強く保証されていたデータの一貫性についてアプリケーション側で責任を持たなければならなくなる点や、一般に1台1台のサーバが発揮できる効率が下がることでサーバの台数が増える点などなど、デメリットもきちんと定量的に判断したいところです。
他にも特定のベンダーのソリューションにロックインされてしまったりという問題は特に解決されているわけでもなく、また別の問題だと言えます。
しかし落ち着いて技術的な要素を見れば、何かの問題を解決しようとしているハズです。流行り廃りは別として、そう言った要素技術を見れば「クラウド」も面白いなぁ、と思っている今日この頃です。