もしも稀勢の里がモンゴル人横綱だったとしたら
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稀勢の里が初日から4連敗ですか。
横綱の「初日から4連敗」は87年ぶりだそうで、エライことになってます。
休場すべきとか、引退すべきとか、ボロボロになってでも最後まで相撲を取りきれとか、いろいろ意見が飛び交っておりますが…。
ちょっと考えてみました。
個人的には「もう許してやってくれよ」と、「引退させてあげなよ」と、そういう気持ちが無きにしも非ず。
なんでこんなに、こじれちゃったというか、変なことになったんでしょうかね?
今場所は、白鵬も、鶴竜も、休場ですよね?
怪我で本来の相撲が取れないと判断した時は、休んでもOKなわけよね。
横綱が「万全の相撲を取れない」と判断した場合は、休むこと自体は、アリなわけじゃないですか。
でも、今場所の稀勢の里は「それじゃあ、私も調子イマイチなんで今場所、お休みします~」ってわけにはいかないというか。
怪我で散々、休んじゃいましたからね、8場所連続休場だっけ?
やっと復帰したばかりで、また休場ってのは、ちょっとマズい。休める空気じゃない。
しかも、一応、怪我自体は良くなってるみたいだし。
怪我を理由に休めるイキフンじゃない。(イキフン=雰囲気)
それに、いわゆる「ひとり横綱」なんでね、なおさら責任重大というか。
稀勢の里まで休んじゃったら、横綱、ゼロになっちゃう。
そういう意味でも、ちょっと休みにくい。
あと、ライバルの横綱たちが休んでいる今が、優勝のチャンスと言えばチャンスだったんよね~、本来であれば。
今場所始まる前は、稀勢の里、「優勝宣言」しちゃってるし。
普段は軽率な事を言わない性格らしいんで、よほど、体調は良かったのかも知れません。
んが、しかし。
いざ蓋を開けてみれば、まさかまさかの初日から4連敗。
稀勢の里危機、横綱として87年ぶり初日から4連敗#稀勢の里 #横綱https://t.co/ricmckzorU
— 日刊スポーツ (@nikkansports) November 14, 2018
これさぁ、ちょっとよく分からないんですけど、なんでこんなことになったんでしょうかね?
例えばよ?
稀勢の里がモンゴル人横綱だったとしたら「引退しろ」の一択なんじゃね?
稀勢の里が「日本人」だから、負けても負けても「ドンマイ。つぎ頑張ろう」で済ませてるんだとしたら、これ、へたすりゃ人種差別なんじゃね?
特に体調が悪いわけでもない稀勢の里が、サッパリ勝てないのは、ひとり横綱のプレッシャーなんじゃないか?っていう話もあるんだけど、もしそうだとしたら、な~んか、皮肉な話だよね。
熱狂的な稀勢の里ファンたちの「いいよいいよ。負けてもしょうがない!つぎ頑張ろ!」っていうある意味VIP待遇的な声援がプレッシャーになってるんだとしたら、こりゃけっこう悲惨な話ですよ。
そもそも、オカシイような気がすんのよ。
自分がふわっと知る限り、過去の歴代の横綱たちは、
「自分の相撲が取れなくなった」
とかさ
「横綱らしい相撲が取れなくなった」
とかさ、
「ちょっとオレ、ピーク過ぎたな」みたいな、衰えを感じたら、割とすみやかに皆さん、引退してたような気がすんのよ。
なんで、稀勢の里だけ、特例、みたいになってんだろうか。
久しぶりの日本人横綱を易々と引退させるわけにはいかない、っていう相撲協会の思惑に対して、稀勢の里が空気読み過ぎてるって可能性、あんじゃね?
潔く「引退します!」と言い切れないのは、稀勢の里が、なんらかの「引退してもらっちゃ困るんだよ」という圧力を感じてるからなんじゃね?
一応、表向きは、「稀勢の里本人がやりたがってる、やるって言ってる」ということになってんだけど、辞めるって言えない空気が蔓延してるんじゃね?
さっき、相撲評論家みたいな人がテレビで、
「稀勢の里は、本当は辞めたいんじゃないでしょうか」
って言ってたけど、あながち、無いとは言い切れない気がするんだよね~。
日本には古来から「横綱相撲」という言葉があるじゃないですか。勝てばいいってもんじゃない。
横綱って、一番強いわけですよ。
その、一番強い横綱が、立ち合いで変化したり、ネコだましとかさ、そういう変化球的な、相手をかわすスタイルってのは、本来、良しとされていなかったわけよね。
横綱は横綱らしく、相手を正面から受け止めたうえで、勝つ。
そこに美学があったわけよね。本来は。
まぁ、白鵬とかね、その辺、微妙なんだけどさ。
でもまぁとにかく、昔ながらの日本人が思い描く「横綱相撲」ってものがあったわけだ。
横綱らしい勝ち方をするのが横綱だ、っていう美学とか美意識があったわけだ。
今は随分、薄れてきてるように感じるけどさ。
さっき、相撲のこと全く知らないっていう女性タレント(歌手?)のかたが、
「スポーツって、どんな選手でも、調子悪い時あるじゃないですか。テニスでもランキングがドーンと落ちたり…相撲ってそういうのダメなんですかね」
みたいなこと言っててさ。
横綱以外ならそれでもOKだけど、
そもそもね。
多分「相撲」ってスポーツじゃないんだと思うよ。
少なくとも、本来、スポーツじゃなかったと思う。
そのへんの「相撲」に対する考え方、捉え方の問題ってのはあると思うんだよね。
例えばさ。
どちらかというと、モンゴル勢は「相撲」を「スポーツ」として捉えている部分、ちょっとあるような気がすんのよね。
勝った時に、派手にガッツポーズするとか、スポーツならアリだけどさ、相撲界ではあんまり良くないこととされてるよね?
「横綱相撲」っていう考え方にしてもそうだよね。
スポーツなら、反則以外で勝つなら問題なしなんだけど、相撲はちょっと違う。
横綱が、立ち合いのタイミングを意図的にズラすとか、変化するとか、真っ向勝負を避ける様なスタイルだとブーイング来たりするわけよね。
「横綱なら横綱らしく、ドーンと相手を受け止めて、そのうえで勝つべき」
って考えている相撲ファン、多いような気がするんよね。
やっぱね、厳密に言うと、相撲はスポーツじゃないような気がすんのよ。
だから、なんか変な風にこじれちゃったりすると思うんだよな~。
(とはいえ、このエントリーのカテゴリーは便宜上、スポーツとさせていただきます)
これは、どっちが正しいとか、間違えてるとか、そういう話じゃなくてさ、おそらく「認識が違う」ってことなんでしょうね、よく分からんけど。
まぁ、将来どうなるか分からんけどさ。
そのうち、覆面レスラー的なね、覆面力士が、須藤元気ばりのド派手なパフォーマンスで入場してくる…ってことになるのかも知れんし。
完全なまでに話が脱線しちゃったけど、とにかくね、稀勢の里、ちょっと気の毒だし、心配ですね。
もし仮に、更に連敗が続いたらどうなるんだろうか。
15日間、相撲を取りきったとして、7勝8敗とか、5勝10敗とか、負け越した場合、どうすんだろうか。
もしも、怪我とか関係なく、本人もいたって健康で、体調良好で、そのうえで連敗してるんなら、そもそも実力が「横綱のレベル」じゃない、ということになるだろうから、それはそれで、どっちみち引退ってことになるような気がするんだけどねぇ…。
ここから巻き返して最終的には11勝4敗、ってことになるんだろうか。
いずれにしても、前代未聞、今後に注目したいと思います。
ってか、やっぱさ、稀勢の里がモンゴル人だったら、こんなことになる前に、自主的に引退してるか、あるいか周囲に引退させられているか、だったと思うんよね。
久々に現れた「日本人横綱」だからこそ、周囲の過度の期待やら、なんやらで、ややこしいことになったんだろうなぁと。
そんなふうに思いました。
【追記】
この記事は、稀勢の里が休場を表明する直前に書いたエントリーです。ご了承ください。