戸建ての空き家が増加する現在、マンションが人気である。子どもたちが独立して広い家を出ていったとき、外出も防犯も玄関の鍵ひとつですむ部屋数の少ないマンションに住み替える人が増えているのだ。そんな住み替えを、遠いパリで実現している人がいる。
パリ在住25年になる元TBSアナウンサーの雨宮塔子さんの写真集『MY HOME,MY LIFE』には、子どもの巣立ちを前にして築150年近いアパルトマンに居を構え、落ち着いた大人のひとり暮らしへと住まいのかたちを変化させつつある様子が描かれている。住まいのダウンサイジングを考えたとき、大切にしたのは「自分が愛せる住まいにリフォームする」ことだったという。
パリのリフォームとは、どんなものなのだろうか。<雨宮塔子さんが「パリの自宅」を大公開…!築150年、息子と暮らす「コンパクトホーム」の作り方
>に引きつづき、雨宮さんに「日本にも取り入れたいリフォームの知恵と工夫」を伺った。
リビングの壁すべてを隠し収納に
――主にリフォームされたのは、どこですか。
雨宮:リビングのクローゼットと息子の部屋、バスルームとキッチンは大々的に。私の寝室にも少し手を加えました。
――リビングの壁すべてをクローゼットにして、扉で閉じてフラットな面にしていますが、スッキリしてとてもいいですね。
雨宮:家具はどうしても場所を取りますし、サイズの違う家具を置くとデコボコしてしまいますよね。そうならないように、キッチンの冷蔵庫も、温水器すら隠し収納にしました。