ソフトウェア

「新機能の追加より既存機能を改善してほしい」というAppleユーザーの魂の叫び


Appleは「Apple Intelligence」をはじめとする機能を次々と導入し、ユーザーの利便性を向上させようと試みています。ところが、こうした新機能の前に改善すべき所は山ほどあるとApple製品愛好家が訴えています。

Apple's Software Quality Crisis: When Premium Hardware Meets Subpar Software - Eliseo Martelli
https://www.eliseomartelli.it/blog/2025-03-02-apple-quality


長年のAppleユーザーであるというエリゼオ・マルテリ氏は、「Appleエコシステムの特徴であるハードウェアとソフトウェアのシームレスな統合」を高く評価しながらも、11インチiPad Air(M2)を使って発熱や遅延の問題に悩まされたことから、Appleの製品に対する姿勢に疑問を抱き始めたそうです。

マルテリ氏が経験したのはApple純正アプリの不具合でした。マルテリ氏がApple Pencil Proを使ってiPadの「メモ」と「フリーボード」アプリを使用していたところ、ペンの操作とアプリの動作に大幅なラグが発生し、さらに本体が頻繁にオーバーヒートするなどの問題が発生したそうです。

本体の損傷が懸念されたためマルテリ氏がiPadをApple Storeへ持っていくと、交換を提案されました。ところが、問題を突き詰めていった結果、ハードウェアの欠陥ではなくソフトウェアの問題である可能性が高いという結論に達したとのことです。


マルテリ氏は、11インチiPad Air(M2)には以下の問題があると指摘しています。これはマルテリ氏が最初に問題を経験してからしばらくたってもなお発生しており、執筆時点で最新のiPadOS(18.3.1)でも変わらないといいます。

・熱管理に問題がある
M2チップは、限度を超える外部温度に達する前に性能を絞るはずだが動作しない。これは熱管理システムが適切に作動していないことを示唆している。

・メモリ管理の問題
パフォーマンスが徐々に低下していることから、Appleの描画アプリケーションでメモリリークが発生しているか、ガベージコレクションが正しく機能していないと推測される。

マルテリ氏は「特にイライラさせられるのは、こうした問題がハードウェアの限界に挑戦しているサードパーティのアプリケーションではなく、理論的にはハードウェアに最適化されているはずのApple純正アプリケーションで発生しているということです」と述べました。


なお、マルテリ氏がこの問題を公開して以来、Hacker NewsRedditで同様の問題が相次いで報告されることとなりました。過去にも同様の問題が多数報告されており、決してマルテリ氏だけの問題ではないとのことです。

マルテリ氏は、「最も懸念されるのは、複数のアップデートでも根本的なパフォーマンスの問題に対処できていない一方で、システムにさらなる負担を強いる新機能を導入していることです。何年もの間、Apple製品愛好家は『Apple税』を喜んで支払い、Apple製品のプレミアム価格を受け入れてきました。しかし、ソフトウェアの品質が低下し続ければ、この価値に疑問が生じることになります。ユーザーとして、顧客として、私たちはかつての品質重視のAppleを求めて声高に主張する必要があります」と指摘しました。


また、幾度とないアップデートでも問題が改善しないことから、Appleの製品開発チームが以下の状態に陥っている可能性があるとマルテリ氏は指摘しています。

・最適化よりも機能優先
開発リソースが既存のパフォーマンス問題の修正よりも新機能の開発に集中している

・不十分なパフォーマンステスト
Apple独自のアプリケーションでさえ、実際の使用シナリオで十分にテストされていない

加えて、Apple製品にプレミアム価格を支払っている顧客は、「既知のパフォーマンス問題を認識してもらう」「パフォーマンスと安定性だけに焦点を当てたアップデートを実施してもらう」「ソフトウェアの問題がハードウェアの寿命に影響する場合、保証期間の延長を検討してもらう」という恩恵を得られるべきだとも主張しています。


最後に、マルテリ氏は「Appleは、かつて自分たちの製品を特別なものにしていた何かを見失っているのではないかと思います。私はAppleに、新機能よりもユーザー体験を優先した製品を作るという原点に戻ることを求めます」と述べました。

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in ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by log1p_kr

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