Beyonceのカントリーミュージックのアルバム「Cowboy Carter」がグラミー賞の最優秀カントリー・アルバム賞、そして最優秀アルバム賞を受賞した。カントリーミュージックは白人のもの、という考えが根深く存在してきた米国で、黒人歌手であるBeyonceがこのジャンルで受賞することの意義はあまりに大きい。
Correcting what was widely seen as an historic wrong, Beyoncé won best album at the 67th Grammy Awards in Los Angeles.*1
人種で音楽ジャンルが分かれているということが米国の黒人の人たちにとってどういうことなのか、どういう影響を与えてきたのか、わたしには想像もつかなない。でも今日、カントリー・アルバム賞を受賞したときのあっけにとられたBeyonceの姿にその実情を垣間見たような気がした。
受賞の瞬間、Beyonceは自分に起こったことをうまくのみ込めていない様子で、夫のJay Zの反応なんかはもうスタジアムの大画面に自分が映って驚く観衆のよう。スピーチも素直な感情が出た控えめなものだった。
大きな賞が与えられたからといってその作品そのものが人の心に響くとは限らない。でもにぎや賑やかな音楽、視覚的なパフォーマンスが関心を集めるようないまの音楽シーンで、Beyonceのカントリー曲はまさに耳で聴く音楽。圧倒的な歌唱力は言うまでもなく、歌詞が分からなくても聴き心地のいいハーモニー、演奏が心を捉える。聴いたことがない人はまずは「Texas Hold 'Em」なんかどうだろう。