大体の内容『クラウスさんのオリジン』。今回の巻はとうとうオリジン、それもクラウスさんのオリジンがやってまいりました。ついでにクラウスさんの親族もぞろっと登場。意外としっかり、しかしサポート面としてブラッドブリードと戦っているという話をされます。しかし、今回はそこはそこでしっかりしたいい味わいがあるけど、あっちについて語らないといかんだろう。という部分があるのが『血界戦線 Beat 3 peat』3巻なのです。
さておき、何を語る/騙るか、というとやはりブラッドブリードの行動についてです。3巻は基本二つの話が収録されていますが、その最初の話も次の話もブラッドブリードについて考えざるを得ないところがあったのです。
まず最初の話の方は、昔にブラッドブリードと分離した一部がヘルサレムズ・ロットで暴れかける、というのですが、これが次の話と噛みあうことで意味合いを持ってきます。というのも、その分離した元のブラッドブリードが古い血筋の者だったのです。そういう一部ですらあっても害をなす個体になる、というので、ブラッドブリードが如何にやばいかが提示されます。その上でブラッドブリードへの対処法というのがちょっと出てきますが、それは付記に任せます。*1
その一部が暴走する、というのは地味に重要で、ブラッドブリードがその一部でも超強いことが明らかになっています。逆に言うと理性をもって超強いのに、なんで世界を席巻していないのか？ という疑問に立ち入ります。
この点は今までもわりとなんでだろう？ となっていたところです。クラウスさんの封印以外でなんか困っているとこが全然ない。日光とかも弱点ではないし、普通にブラッドブリードの世界を爆誕させることは可能なくらいには、古いブラッドブリードはクソ強いはず。昔は世界が違うからそこまで入ってこれない、という建付けがあったのかもですが、そこが崩れたこの漫画世界においては世界を席巻できるのでは？ となるのです。
そこについて、この巻の二つ目の話は示唆的な内容となっています。クラウスさんの少年期の話で、色々あってクラウスさんがブラッドブリード一歩手前になる、というのですが、その転化をしようとするブラッドブリードが非常に手間をかけているのです。
そのブラッドブリードがクラウスさんに目をつけていた、転化させようしていたというのを描写しつつ、しかし5年待っていた、というのです。これは中々興味深い。
というのも、そのブラッドブリードが古い一人である、というので実力は別格。だというのに、普通の少年であるクラウスさんを力づくでどうこうしようとせず、状況が来るまで待っていた。ここが大変考え所なのです。
このクラウスさん転化未遂の話、どうとればいいのかですが、個人的にはその辺が縛りとしてブラッドブリードには重要なことなのだ、という感想を持っています。何かしらの縛りがあって、その縛りからクラウスさんの転化できるタイミングを待っていた、と見た訳です。
前から書いてますが、ブラッドブリードは強い個体になると何かしらの縛りを自分に課している気配があります。一番分かりやすいのはB2Bでのタイクーン・ブラザース。あれはなにかしら仕事を頼まれたらその仕事を優先する、という縛りをしていました。それゆえに、ライブラ面々が命拾いしていたところがあったので、あそこで全滅に詰めなかったのが、縛りゆえ、と考えているのです。ついでにクラウスさんによる封印も、その縛りの形を変えた感じなのでは？ という考えもありますが、そこはまた別の話。
で、その縛りから考えると、今回登場した木っ端ブラッドブリードが古いブラッドブリードに扉を閉められて、出られない！ と言い出すとこも縛りの一種かな、と思いました。古いブラッドブリードが離れたら開きそうなのに、封じられた、みたいなことを言うので、そこにはやはり縛りというのがある、と勝手に見ています。案外勘違いかもしらんですが、それだけ古いブラッドブリードには縛りゆえの力を持っているし、縛りを与えることも可能なのでは？ と感じました。
そしてそれゆえに、世界を席巻するという行動には出られないのでは？ そこに何か縛られているのでは？ とも。
という感じで、ブラッドブリードについて考えられることが多かったのが、『血界戦線 Beat 3 peat』3巻なのです。
