高収益・高生産性で推移してきた事業
——まずは御社の成り立ち、および展開されている事業についてお聞かせください。
当社はリテールに業界に特化したマーケティング会社で、主に2つの事業を展開しています。1つは、企業向けてマーケティングソリューションを提供するBtoB事業、そしてもう1つは、自身もリテール企業として一般消費者向けに自社商品を開発・販売するというBtoC事業です。

松尾 奈美(まつお なみ)氏
株式会社イングリウッド 執行役員 兼 CHRO
2006年慶応義塾大学経済学部卒業後、株式会社リクルートに入社し、人事、経営企画を経験。その後、株式会社リクルートテクノロジーズにおいて、広報コミュニケーション、採用、企画統括等のコーポレート部門のマネジャーに従事し、エンジニア組織の拡大に携わる。2019年公益社団法人経済同友会に出向、政策調査のマネジャーに従事。2021年より株式会社リクルートのプロダクト部門における広報コミュニケーション推進のマネジャー、部長を務める。2024年4月より株式会社イングリウッド執行役員CHROに就任。
BtoB事業については、商品開発のための市場調査に始まり、商品企画・開発の支援から、マーケティングやお客様との関係づくりやコミュニケーション、CRM(顧客関係管理)、フルフィルメント(注文を受けて品を出荷し届けるまでのプロセス)、さらには人材紹介事業まで行っています。マーケティング関連の企業には、コンサルティングなど上流のみ、またはマーケティングなど専門分野のみ、という会社が多い中で、弊社はリテールに特化することで、すべてワンストップで提供できることを強みとしています。
BtoC事業については、「AKNIR」(ヘアケア)や「Aurelie.」(スキンケア)、「三ツ星ファーム」(フード)などの自社ブランドを擁し、ライセンスおよび卸ビジネスも手掛けています。持っているノウハウを活かすだけでなく、施策のトライアルの場にもなっており、連続して大ヒットを飛ばしています。
BtoC事業は、もともと当社代表の黒川(隆介氏)が大学卒業後に立ち上げたスニーカーのリテール事業が原点であり、そこからさまざまなカテゴリに横展開してきました。その結果、各業界に特化した知識や経験が増え、BtoB事業であるコンサルティングの信頼性が高まるという好循環が生まれています。とりわけリテール業界はまだオフラインをメインとしている会社が多いので、オンラインをメインとしてきた当社にDX推進役を期待されることが多いです。
なお、当社の前期連結売上高は242億円。従業員数は270名で、そのうちコーポレート部門の約50名を除いた約220名が、1人当たり1億円の売上を上げている計算になります。起業後に事業規模に対して投資が多かった時期を除き、高収益・高生産性で推移しており、こだわっているポイントでもあります。