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[[土星]]の第19[[衛星]][[ユミル (衛星)|ユミル]]の[[エポニム]]である。
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あるとき、最初に生まれた神[[ブーリ]]の息子[[ボル (北欧神話)|ボル]](ブル)が、ユミルの一族である霜の巨人[[ボルソルン]]の娘[[ベストラ]]と結婚し、[[オーディン]]、[[ヴィリとヴェー|ヴィリ]]、[[ヴィリとヴェー|ヴェー]]の三神が生まれた。巨人達は非常に乱暴で神々と常に対立していたが、巨人の王となっていたユミルはこの三神に倒された。この時、ユミルから流れ出た血により、[[ベルゲルミル]]とその妻以外の巨人は死んでしまった。
ユミルの身体の各所から何人もの巨人が産み出された。その中には頭が複数ある奇怪な姿の巨人もいたとされている。

あるとき、最初に生まれた[[]][[ブーリ]]の息子[[ボル (北欧神話)|ボル]](ブル)が、ユミルの一族である[[霜の巨人]][[ボルソルン]]の娘[[ベストラ]]と結婚し、[[オーディン]]、[[ヴィリとヴェー|ヴィリ]]、[[ヴィリとヴェー|ヴェー]]の三神が生まれた。巨人達は非常に乱暴で神々と常に対立していたが、巨人の王となっていたユミルはこの三神に倒された。
この時、ユミルから流れ出た血により、[[ベルゲルミル]]とその妻以外の巨人は死んでしまった。
三神はユミルを解体し、[[]]から[[]][[]]を、身体から大地を、[[]]から[[]]を、[[]][[]]から[[岩石]]を、[[頭髪|髪の毛]]から[[草花]]を、[[まつげ|睫]]から[[ミズガルズ]]を囲う防壁を、[[頭蓋骨]]から[[]]を造り、[[ノルズリ、スズリ、アウストリ、ヴェストリ]]に支えさせ、[[脳|脳髄]]から[[]]を造り、残りの腐った体に湧いた蛆に人型と知性を与えて妖精に変えた。
三神はユミルを解体し、血から海や川を、身体から大地を、骨から山を、歯と骨から岩石を、髪の毛から草花を、まつ毛から[[ミズガルズ]]を囲う防壁を、[[頭蓋骨]]から天を造り、[[ノルズリ、スズリ、アウストリ、ヴェストリ]]に支えさせ、脳髄から雲を造り、残りの腐った体に湧いた蛆に人型と知性を与えて妖精に変えた{{要出典|date=2023年9月}}


「ユミル」の名は、[[インド神話]]に登場する[[閻魔|ヤマ]]([[閻魔|閻魔大王]])と同語源である<ref>Julius Pokorny. ''Indogermanischer etymologisches Wörterbuch'' p.505.</ref>。H.R.エリス・ディヴィッドソンはその上で、彼の名を「混成物」「[[半陰陽|両性具有]]」と理解することができ、1人で男性と女性を生み出し得る存在と考えることができ、さらには人間と巨人の始祖ともみることができるとしている<ref>『北欧神話』(デイヴィッドソン)236頁。</ref>。
「ユミル」の名は、[[インド神話]]に登場する[[ヤマ (インド神話)|ヤマ]]([[閻魔|閻魔大王]])と同語源である<ref>Julius Pokorny. ''Indogermanischer etymologisches Wörterbuch'' p.505.</ref>。H.R.エリス・ディヴィッドソンはその上で、彼の名を「混成物」「[[半陰陽|両性具有]]」と理解することができ、1人で男性と女性を生み出し得る存在と考えることができ、さらには人間と巨人の始祖ともみることができるとしている<ref>『北欧神話』(デイヴィッドソン)236頁。</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
[[ファイル:Audhumla by Abildgaard.jpg|thumb|right|250px|アウズンブラの乳を飲むユミル。([[:en:Nikolaj Abraham Abildgaard|Nikolaj Abraham Abildgaard]]画。1790年)]]
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2023年9月20日 (水) 02:09時点における最新版

オーディンヴィリヴェーによるユミルの殺害(ローランス・フレーリク画)

ユミル[1]古ノルド語: Ymir)とは北欧神話スノッリのエッダ』に出てくる原初の巨人。彼はまたアウルゲルミル古ノルド語: Aurgelmir、「耳障りにわめき叫ぶ者」)とも呼ばれる[2]。なお「Ymir」の日本語表記には、他に、ユーミル[3]ユミール[4]イミル[5]などがある。

土星の第19衛星ユミルエポニムである。

スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』の語るところでは[6]、ユミルはギンヌンガガプの、ムスペルヘイムの熱で溶かされたニヴルヘイムの霜から、原初の牝牛アウズンブラとともに生まれ、この牝牛の乳を飲んで多くの子孫を産み、これが霜の巨人族となった[7]

アウズンブラの乳を飲むユミル。(Nikolaj Abraham Abildgaard画。1790年)

あるとき、最初に生まれた神ブーリの息子ボル(ブル)が、ユミルの一族である霜の巨人ボルソルンの娘ベストラと結婚し、オーディンヴィリヴェーの三神が生まれた。巨人達は非常に乱暴で神々と常に対立していたが、巨人の王となっていたユミルはこの三神に倒された。この時、ユミルから流れ出た血により、ベルゲルミルとその妻以外の巨人は死んでしまった。

三神はユミルを解体し、血から海や川を、身体から大地を、骨から山を、歯と骨から岩石を、髪の毛から草花を、まつ毛からミズガルズを囲う防壁を、頭蓋骨から天を造り、ノルズリ、スズリ、アウストリ、ヴェストリに支えさせ、脳髄から雲を造り、残りの腐った体に湧いた蛆に人型と知性を与えて妖精に変えた[要出典]

「ユミル」の名は、インド神話に登場するヤマ閻魔大王)と同語源である[8]。H.R.エリス・ディヴィッドソンはその上で、彼の名を「混成物」「両性具有」と理解することができ、1人で男性と女性を生み出し得る存在と考えることができ、さらには人間と巨人の始祖ともみることができるとしている[9]

脚注

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  1. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』、『北欧神話』(デイヴィッドソン)などにみられる表記。
  2. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』228頁。
  3. ^ 『アスガルドの秘密 北欧神話冒険紀行』(ヴァルター・ハンゼン著、東海大学出版会、2004年、ISBN 978-4-486-01640-3)などにみられる表記。
  4. ^ 『北欧神話と伝説』(ヴィルヘルム・グレンベック著、山室静訳、新潮社、1971年、ISBN 978-4-10-502501-4)などにみられる表記。
  5. ^ 『北欧の神話伝説(I)』(松村武雄編、名著普及会〈世界神話伝説大系29〉、1980年改訂版、ISBN 978-4-89551-279-4)などにみられる表記。
  6. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』228-230頁。
  7. ^ 蔵持不三也『神話で訪ねる世界遺産』ナツメ社、2015年、68頁。ISBN 978-4-8163-5870-8 
  8. ^ Julius Pokorny. Indogermanischer etymologisches Wörterbuch p.505.
  9. ^ 『北欧神話』(デイヴィッドソン)236頁。

参考文献

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関連項目

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