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中腸腺

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ナメクジの一種Deroceras laeveの中腸腺。

中腸腺(ちゅうちょうせん)は、節足動物軟体動物消化管中腸の部分に開口する、盲嚢状の器官。節足動物のものは、脊椎動物の肝臓に相当する栄養摂取にかかわる多様な生理機能と、膵臓に相当する消化液分泌機能をあわせ持つことから、肝膵臓(かんすいぞう)とも呼ぶ。軟体動物のものは単に肝臓と呼ばれることもある。

日常の食生活で認識されるものとしては、カニのいわゆる蟹味噌、イカの塩辛を作るときに用いられるいわゆるワタの部分(ゴロ)などがこれに相当する。

食品としては美味で栄養の豊富な部分でもあるが、二枚貝の場合には有毒植物プランクトンを摂食したときに吸収された貝毒などがここに蓄積して食中毒の原因となったり、その中でもホタテガイなどではカドミウムヒ素といった重金属の濃縮が認められる、あるいはサザエアワビのような海藻食の巻貝では季節により葉緑素の分解産物が蓄積して光過敏症の原因となるなど、扱いに注意を要する場合がある。


節足動物の中腸腺

軟体動物の中腸腺