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「北条時宗 (NHK大河ドラマ)」の版間の差分

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:松下禅尼の甥、祝子の兄(なお、柳葉敏郎は全キャストで唯一、全ての回に出演している)
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:泰盛の父
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:泰氏の子
:泰氏の子

2009年11月11日 (水) 12:37時点における版

北条時宗』(ほうじょうときむね)は、2001年1月7日12月9日NHKで放送された第40作目の大河ドラマ。全49回。12月16日23日には総集編が放送された。

北条時宗
ジャンル ドラマ
原作 高橋克彦
脚本 井上由美子
演出 吉村芳之 他
出演者 和泉元彌
渡部篤郎
渡辺謙
浅野温子
柳葉敏郎
木村佳乃
西田ひかる
池畑慎之介
ともさかりえ
篠原涼子
牧瀬里穂
西岡德馬
原田美枝子
江原真二郎
石橋蓮司
奥田瑛二
藤竜也
伊東四朗
富司純子
北大路欣也 他
製作
製作総指揮 阿部康彦
制作 日本放送協会
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2001年1月7日~12月9日
放送時間44分30秒
放送枠大河ドラマ
回数49
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作品内容と反響

鎌倉時代中期、北条氏嫡流得宗家に生まれた若き執権・北条時宗を主人公に、宝治合戦二月騒動といった鎌倉幕府内部の抗争及び蒙古襲来を国際的スケールで描く。

原作は高橋克彦の『時宗』であるが、『炎立つ』(1993年1994年)と同様に脚本と並行して執筆した。主役の和泉元彌は大河ドラマ初出演で、脚本担当の井上由美子も大河ドラマ初執筆。ストーリーは原作とは大幅に異なっている。

鎌倉時代のみを舞台とした作品は大河ドラマ史上初めてで、現在も本作以外に存在しない。[1]太平記』とは近時代であり、作中でも幼少期の北条高時足利尊氏を登場させるなど、それを強調する演出もなされた。また、時宗の母・涼子(葛西殿)については毛利季光の娘という説が採用され、これに関連する形で毛利家相模の本領を失って安芸に追われる原因となった宝治合戦の顛末を描いている。

この作品までの大河ドラマでは未踏の時代を取り上げ、元寇を題材に貿易商人や高麗使節、蒙古皇帝クビライ・カアンまでが登場する東アジアスケールの構想となり、中国モンゴルでの海外ロケも行われた。

ご当地となる福岡市早良区シーサイドももち公園内には、謝国明館・少弐氏館・唐人街など中世の博多を再現した中世博多展示会場が設けられ、オープンロケが行われ、同年には「中世博多展」が開催された。一方の鎌倉市街の様子は、横浜市青葉区緑山スタジオ・シティの屋外スタジオにおいて中世の鎌倉市街を再現して撮影された。

主役の和泉元彌伝統芸能界からでは『元禄繚乱』の中村勘九郎(現・勘三郎)から僅か2年後の大河主人公役抜擢であり、狂言界からでは初めてと言うことで注目されていた(なお、「遅刻騒動」「羽野晶紀との出来ちゃった結婚騒動」などでしばしばワイドショーのネタにされたのは、放送の翌年2002年のことである)。また本作の前年、2000年のNHK紅白歌合戦にて白組司会を務めている。

男性脇役に予想以上の好演を見せた人が多いのも特徴で、特に北条実時を演じた池畑慎之介(ピーター)平頼綱を演じた北村一輝北条義宗を演じた宮迫博之は評判が良く、後に北村、宮迫は民放のゴールデン帯のドラマにも進出した。特筆すべきは、物語前半において主人公・時宗に大きな影響を与える父・北条時頼を演じた渡辺謙で、1993年から翌年にかけて放映された『炎立つ』では主演を務めたものの『独眼竜政宗』(1987年)以降特に印象に残る仕事をしていないと評されていた(急性骨髄性白血病の発症やそれの療養などもあったため)彼が、後にハリウッド映画に進出するきっかけとなったといわれる[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。

平均視聴率は18.5%、最高視聴率は21.2%。
時の最高権力者を主人公にした作品は本作を最後に制作が途絶えてしまった。2002年以降は最高権力者が主人公の作品が存在しないため、21世紀に入ってからの「最高権力者大河」は今のところ本作が唯一である。

この時期までの他の大河ドラマ作品と同様に、本作品も未だに総集編しか商品化されていない。そのため、全話収録の完全版DVDソフトの発売や地上波での再放送を望む声が多くある。
CS放送においては、ファミリー劇場にて2007年2月から約1年間にわたって全話が再放送された。

オープニング

オープニングのテーマ曲で流れるモンゴル民謡オルティンドーの歌い手ノロヴバンザドの歌声と、番組最後の紀行コーナーで流れる曲「蒼風」(正式バージョンとTVバージョンがある)は、ジャズを思わせる楽曲と山下洋輔の演奏が相まって、歴代大河ドラマの中で最も秀逸であるとの高評価を得ているとされる。また全編3DCGで描かれたオープニングも、モンゴルの原野から大海原、そして宇宙にまで飛び火する壮大なストーリーが描かれており、歴代大河のオープニングの中では最もダイナミックな構成となっている。これは、主人公・時宗が夢の中でまだ見ぬ広大な大陸に思いを馳せる、というアイデアから生まれたものである(ただし、時宗存命時には存在しない建造物も登場する)。なお冒頭の「北条時宗」を表す題字とともに、無数にうごめいている文字は、クビライの生涯の中で戦ってきたライバル達の名前である。ドラマの内容にあわせて映像の細かい部分を回毎に変化させていったこともそれまでの大河ドラマのオープニングにはない新しい試みであった。

あらすじ

相次ぐ飢饉で人々が飢え苦しみ、社会が混乱の様を呈していた鎌倉中期。鎌倉幕府第5代執権・北条時頼の嫡子として得宗家に生を受けた時宗は、幼少時には父・時頼から多大な影響を受け、博多商人謝国明や松浦党の娘桐子らと出遭い国際的視野を広めるが、異母兄である時輔とは確執が生じていた。

やがて時宗は第8代執権に就任し、時輔や幕府内の反得宗勢力との争いなど相次ぐ苦難に翻弄される。

また、海の向こうでは元朝の初代皇帝クビライ・カアンが世界征服を進めており、時宗は若くして蒙古襲来(元寇)という国難に直面し、世の平安を模索していく。

スタッフ

キャスト

北条得宗家とその家臣

鎌倉幕府第8代執権。
時宗の異母兄、六波羅探題南方。側室の子であったため時宗よりも冷遇されていた。その後時宗の命により討伐が命じられ、殺されたと思われていたが、実際にはひそかに脱出。しかし、そのために妻や子と別れることとなり、自ら腕を切り捨てている。その後は時宗を陰から支え続けた。
鎌倉幕府第5代執権、時宗の父。側室との間に生まれた子である時輔のことを冷遇している。
時頼の妻、時宗・宗政の母。父、毛利季光が死んだのは時頼が原因と考え、常に恨みを持っていた。しかし、時頼の死に際しては大変悲しんでいた。後年、宗政の所に身を寄せるが、後に時宗が兄を殺そうとした際、出家して時宗と縁を切ろうとした。
時宗の妻、泰盛の妹。出家後の覚山尼は、通常アバンタイトルのみの出演(最終回を除く)
時宗の子、後の第9代執権
時宗の孫、後の第14代執権
時宗の祖母・時頼の母で泰盛と祝子の叔母。
時頼の側室、時輔の母。時輔が嫡男として扱われないことに不満を負っており、涼子に不満をぶつけることもあったが後に非業の死を遂げる。
小山氏の娘、時輔の妻。夫婦仲は良好だったが、時宗による討伐により夫婦は引き裂かれることに恨みを持ち、時宗を殺そうとしたが頼綱の手によって殺された。
時輔の子
時輔の娘
時宗の同母弟
宗政の妻、政村の娘
もともとは素性不明の暗殺者だった (ドラマ内の設定)。その後、北条得宗家内管領となった。乱暴なところもあり、安達泰盛と対立する。
北条得宗家執事、頼綱の養父
頼綱の妻
北条得宗家家臣
北条得宗家家臣
小山氏家臣→時輔家臣、祥子の付き人
時輔付きの老女
涼子の侍女
祝子の侍女

北条分家

極楽寺流北条家当主、長時の父、涼子の養父
重時の子、鎌倉幕府第6代執権
長時の子、六波羅探題北方
長時の弟、六波羅探題北方
長時の弟、連署
義政の妻
鎌倉幕府第7代執権、連署
金沢流北条家当主
実時の子
実時の正室
実時の後妻、政村の娘
顕時の妻
佐介流北条氏当主
名越流北条氏当主
時章の異母弟、反得宗強硬派

御家人

松下禅尼の甥、祝子の兄(なお、柳葉敏郎は全キャストで唯一、全ての回に出演している)
泰盛の妻で重時の娘で長時の妹。
泰盛の父
義景の妻
泰盛の弟
泰盛の子
三浦家当主
泰村の弟
時宗の外祖父、涼子の実父
季光の妻、涼子の実母
足利家当主
足利泰氏の前妻、時章の妹。一人称はわらわ。北条得宗家の陰謀によって泰氏と離縁された事を憎悪に近い恨みを持っており、涼子や讃岐局を巻き込んで色々トラブルを引き起こす疫病神に近いトラブルメーカーであると同時に時頼の妹や時頼を殺した張本人である。女としての幸せを捨て人生全てに執念深い復讐に燃える極悪非道の悪女である。が、後に高師氏に殺されて非業の死を遂げる。
泰氏の子
頼氏の子
家時の孫、後の室町幕府初代将軍
足利家執事、高師直の祖父
足利家家臣
鎮西奉行
資能の子
九州御家人
九州御家人
九州御家人
九州御家人
伊予御家人
九州御家人
壱岐守護代
竹崎季長の郎党
上野の武士、モデルは謡曲『鉢の木』の佐野源左衛門
常世の妻
政所執事
評定衆
評定衆

将軍・朝廷・公家

鎌倉幕府第4代将軍
鎌倉幕府第5代将軍
頼嗣の妻、時頼の姉
鎌倉幕府第6代将軍
宗尊親王の正室
鎌倉幕府第7代将軍
第88代天皇
第90代天皇
摂政関白
太政大臣
太政大臣
関白
関白
内大臣
公卿
公卿、反得宗派

元・高麗

モンゴル帝国第5代皇帝、元朝初代皇帝。単純な悪役としてではなく兄や子と対立しながら苦悩する姿が描かれた。
クビライの兄。モンゴル帝国第4代皇帝
クビライの嫡子。皇太子
クビライの宰相
クビライの漢人顧問、儒学者
ヴェネツィアの商人、クビライの家臣。日本語に堪能で時輔らと情報交換を行う。
ヴェネツィアの商人、マルコ・ポーロの父
元の使者、高麗の役人
元の使者、クビライの重臣
元の使者
文永・弘安の役の元軍司令官
文永・弘安の役の元軍副司令官、高麗人
文永・弘安の役の高麗軍司令官、高麗人
文永の役の元軍副司令官

その他

水軍松浦党の頭領
佐志房の養女、実は足利泰氏の隠し子
  • ふき:木村佳乃(二役)
桐子の母
佐志房の長男、実子
佐志房の次男、養子
佐志房の三男、養子
出身の博多の商人。
謝国明の妻
謝国明の子、商人
謝国明の見世の女
日蓮宗の開祖
日蓮宗の僧
日蓮宗の僧
南宋から帰国した僧侶
円覚寺開祖

放送日程

放送回 放送日 演出
第1回 1月7日 鎌倉大激震 吉村芳之
第2回 1月14日 ふたりの母
第3回 1月21日 兄弟落差
第4回 1月28日 反抗
第5回 2月4日 波乱の旅 吉川邦夫
第6回 2月11日 博多恋心
第7回 2月18日 執権修行
第8回 2月25日 逃げた花嫁 吉村芳之
第9回 3月4日 決闘由比ヶ浜
第10回 3月11日 ひとり立ち
第11回 3月18日 時頼絶命 吉川邦夫
第12回 3月25日 暗殺
第13回 4月1日 大いなる岐路 吉村芳之
第14回 4月8日 父の追放
第15回 4月15日 母上ご乱心 渡邊良雄
第16回 4月22日 将軍すげ替え
第17回 4月29日 クビライの影 古川邦夫
第18回 5月6日 国書来る
第19回 5月13日 戦か属国か 城谷厚司
第20回 5月20日 十八歳の執権
第21回 5月27日 初陣 吉川邦夫
第22回 6月3日 京の闇 吉村芳之
第23回 6月10日 人質 吉田浩樹
第24回 6月17日 高麗からの文 吉村芳之
第25回 6月24日 最後通告 城谷厚司
第26回 7月1日 兄弟の絆 吉田浩樹
第27回 7月8日 ご謀反許さず 吉村芳之
第28回 7月15日 あの兄を討て!
第29回 7月22日 さらば兄上
第30回 7月29日 長老死す 城谷厚司
第31回 8月5日 出撃命令
第32回 8月12日 いざ博多へ! 真鍋斎
第33回 8月19日 蒙古襲来前夜
第34回 8月26日 蒙古襲来〈1〉九百隻の大船団 吉村芳之
第35回 9月2日 蒙古襲来〈2〉奮戦! 水軍城
第36回 9月9日 蒙古襲来〈3〉 博多炎上 真鍋斎
第37回 9月16日 謎の撤兵 吉村芳之
第38回 9月23日 攻めか守りか 城谷厚司
第39回 9月30日 ねらわれた姫君
第40回 10月7日 消えた使節団 吉田浩樹
第41回 10月14日 斬るべからず 吉村芳之
第42回 10月21日 いのち尽きるとも 真鍋斎
第43回 10月28日 幕府分裂 松浦善之助
第44回 11月4日 妻のなみだ 勝田夏子
第45回 11月11日 わが祖国 吉村芳之
第46回 11月18日 クビライを討て!
第47回 11月25日 弘安の役 勝田夏子
第48回 12月2日 運命の嵐 吉村芳之
最終回 12月9日 永遠の旅
平均視聴率 18.5%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

総集編

  • 前編「兄弟」
  • 後編「蒙古襲来」

脚注

  1. ^ 鎌倉時代を扱った他作品はいずれも直前または直後の時代も主だった舞台としている。鎌倉時代前期を扱った作品には1979年放送の『草燃える』、鎌倉時代後期を扱った作品に1991年放送の『太平記』があるが、鎌倉中期を扱ったのは本作が初めてである。
NHK 大河ドラマ
前番組 番組名 次番組
北条時宗