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「Mi-28 (航空機)」の版間の差分

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'''Mi-28'''（ミル28；[[ロシア語]]：{{lang|ru|Ми-28}}<small>ミー・ドヴァーッツァチ・ヴォースィェミ</small>）は、[[ロシア]]の[[M・L・ミーリ記念モスクワ・ヘリコプター工場]]の開発した縦列複座式[[攻撃ヘリコプター]]である。
'''Mi-28'''（ミル28；[[ロシア語]]：{{lang|ru|Ми-28}}<small>ミー・ドヴァーッツァチ・ヴォースィェミ</small>）は、[[ソビエト連邦|ソ連]]の[[M・L・ミーリ記念モスクワ・ヘリコプター工場|ミル設計局]]が開発した縦列複座式[[攻撃ヘリコプター]]である。


[[北大西洋条約機構]]（NATO）の用いた[[NATOコードネーム]]は「'''{{lang|en|Havoc}}'''（ハヴォック（「ハボック」とも表記される）：大混乱、大損害 の意味）」。
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=== Mi-28N ===
=== Mi-28N ===
[[File:Mi-28N_-_MAKS2013firstpix14.jpg|thumb|250px|MAKS 2013で展示されたMi-28N]]
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こうしてMi-28の開発は一旦は中止されることとなったが、[[Ka-50 (航空機)|Ka-50]]の生産、配備が財政難により進まないこともあり、開発計画は続行されることとなり、[[1995年]]には欠点とされた全天候/夜間戦闘能力を強化した'''Mi-28N'''が登場し、試作機（No.014）は[[1996年]][[11月14日]]に初飛行した。"N"とは[[ロシア語]]で「夜」を意味する「{{lang|ru|ночь}}」を[[英語]]のアルファベットに変換した「{{lang|en|Nochi}}」の頭文字から取ったもので、この機体の大きな特徴はメインローターの上部に装備された[[レーダー]]であり、これによって全天候/夜間戦闘能力を確保している。このレーダーはボール型のカバーに包まれており、[[AH-64D アパッチ・ロングボウ]]のレーダー装備方式に酷似している。また、機首下には各種の照準装置や撮影機材が装備されている。そのほか、新しい制御システムや武器システム、コックピットを導入、脅威を自動選択する「[[人工知能]]」も搭載されている<ref>[http://flyteam.jp/news/article/36456 ロステック、ロシアの最新攻撃ヘリMi-28Nを紹介]</ref>。開発は資金難から難航したが、[[2004年]]には改良型メインローターを装備した第二の試作機が発表された。
こうしてMi-28の開発は一旦は中止されることとなったが、[[Ka-50 (航空機)|Ka-50]]の生産、配備が財政難により進まないこともあり、開発計画は続行されることとなり、1995年には欠点とされた全天候/夜間戦闘能力を強化した'''Mi-28N'''が登場し、試作機（No.014）は1996年11月14日に初飛行した。"N"とは[[ロシア語]]で「夜」を意味する「{{lang|ru|ночь}}」を[[英語]]のアルファベットに変換した「{{lang|en|Nochi}}」の頭文字から取ったもので、この機体の大きな特徴はメインローターの上部に装備された[[レーダー]]であり、これによって全天候/夜間戦闘能力を確保している。このレーダーはボール型のカバーに包まれており、[[AH-64D アパッチ・ロングボウ]]のレーダー装備方式に酷似している。また、機首下には各種の照準装置や撮影機材が装備されている。そのほか、新しい制御システムや武器システム、コックピットを導入、脅威を自動選択する「[[人工知能]]」も搭載されている<ref>{{cite news|url=http://flyteam.jp/news/article/36456 |title=ロステック、ロシアの最新攻撃ヘリMi-28Nを紹介|publisher=FlyTeam|date=2014-06-12}}</ref>。開発は資金難から難航したが、2004年には改良型メインローターを装備した第二の試作機が発表された。
Mi-28Nは[[2006年]]には[[ロシア軍]]より10機の発注がなされ、[[2015年]]までには合計で300機が発注される予定であったが、実際には[[Ka-52 (航空機)|Ka-52]]、[[Mi-24 (航空機)|Mi-35M]]と並行して攻撃ヘリの導入が行われたため発注数は減少した。輸出用の派生型機として'''Mi-28NE'''と夜間戦闘装備を廃した'''Mi-28D'''がある。
Mi-28Nは2006年には[[ロシア軍]]より10機の発注がなされ、2015年までには合計で300機が発注される予定であったが、実際には[[Ka-52 (航空機)|Ka-52]]、[[Mi-24 (航空機)|Mi-35M]]と並行して攻撃ヘリの導入が行われたため発注数は減少した。輸出用の派生型機として'''Mi-28NE'''と夜間戦闘装備を廃した'''Mi-28D'''がある。
2008年からは、[[レーダー反射断面積]]の低下、航続距離延長、高度な兵器制御システム、空対空兵装の運用能力、最高速度の増加（600 km/h）などの改良をした'''Mi-28NM'''が開発中で、2017年に開発を終える予定である<ref>[http://www.airrecognition.com/index.php?option=com_content&task=view&id=965 Russia to Develop 5th-Generation Attack Helicopter by 2017]</ref>。
[[レーダー反射断面積]]の低下、航続距離延長、高度な兵器制御システム、空対空兵装の運用能力、最高速度の増加（600 km/h）などの改良をした'''Mi-28NM'''が2027年までに98機納入される予定である<ref>{{cite news|url=http://www.airrecognition.com/index.php?option=com_content&task=view&id=965 |title=Russia to Develop 5th-Generation Attack Helicopter by 2017|publisher=|date=}}</ref>。
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上述のように、Mi-28は[[兵士|兵員]][[輸送]]用の[[ヘリコプター]]ではないが、機内には3人分を搭乗させられる空間が存在しており、兵士を救助した際などに利用される。
上述のように、Mi-28は[[兵士|兵員]][[輸送]]用の[[ヘリコプター]]ではないが、機内には3人分を搭乗させられる空間が存在しており、兵士を救助した際などに利用される。

== 事故 ==
[[File:Катастрофа Ми-28 2 августа 2015 г. полигон Дубровичи (005).jpg|thumb|炎上するMi-28（2015年）]]

2015年8月2日、[[リャザン]]近くでMi-28Nの[[曲技飛行隊]]がデモフライトしていたところ1機が飛行中に墜落し、乗組員のうち、パイロットのイゴール・ブテンコ中佐が死亡した。脱出できた副操縦士のアレクサンドル・クレトノフ上級中尉は油圧システムが故障していたと報告したことを受け、ロシア軍は調査するためにすべてのMi-28を飛行停止する事態となった<ref>{{cite web |url=https://www.bbc.com/news/world-europe-33754767 |title=Fatal helicopter crash grounds Russian helicopters |publisher=BBC World News |date=2 August 2015 |access-date=20 June 2018 |archive-url=https://web.archive.org/web/20180615195222/https://www.bbc.com/news/world-europe-33754767 |archive-date=2021-08-03 |url-status=live |df=dmy-all }}</ref><ref>{{cite news |url=https://flyteam.jp/news/article/53173|title=ロシア、Mi-28Nデモチームの1機が飛行展示中に墜落 乗員1名死亡|publisher=FlyTeam |date=2015-08-03}}</ref>。

== 運用 ==
2015年10月14日、[[ロシア航空宇宙軍]]は軍事介入を行っている[[シリア]]にMi-28を配備した<ref>{{Cite news|url=http://gosnovosti.com/2015/10/%D0%B8%D0%B3-%D0%B2-%D1%88%D0%BE%D0%BA%D0%B5-%D0%B2-%D1%81%D0%B8%D1%80%D0%B8%D1%8E-%D0%BF%D1%80%D0%B8%D0%B1%D1%8B%D0%BB%D0%B8-%D1%80%D0%BE%D1%81%D1%81%D0%B8%D0%B9%D1%81%D0%BA%D0%B8%D0%B5-%D0%BD/ |title=В Сирию прибыли российские «Ночные охотники» Ми-28|publisher=Госновости|date= 2015-10-15}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://military-informant.com/airforca/v-siriyu-pribyili-noveyshie-rossiyskie-udarnyie-vertoletyi-mi-28.html |title=В Сирию прибыли новейшие российские ударные вертолёты Ми-28|publisher=|date=}}</ref>。

2016年6月25日、イラク軍は[[ファルージャ]]、[[ラマディ]]、その他の都市を[[ISIL]]から解放する作戦にMi-28を投入した<ref>{{Cite news|title=В Ирак доставлена партия вертолётов Ми-28|url=http://tass.ru/armiya-i-opk/3412402|work=ТАСС|date=|accessdate=2016-10-12}}</ref>。

ウガンダ空軍は2022年にMi-28を導入し、反政府武装組織「[[神の抵抗軍]]」 (LRA) との戦闘に投入した。ウガンダ空軍司令官は「攻撃ヘリコプターの投入が、ウガンダ北部における神の抵抗軍（LRA）との戦況を有利に変えた」と表明している<ref>{{Cite web |url=https://www.defenceweb.co.za/aerospace/aerospace-aerospace/mi-28-turned-the-tide-against-the-lra-updf/ |title=Russian attack helicopters turned the tide against the LRA – UPDF |access-date=2024-08-11 |date=2023-03-28 |website=defenceweb.co.za}}</ref>。


== 派生型 ==
== 派生型 ==
; Mi-28A
;
; Mi-28A
: 初期開発段階において完成した試作機。
: 初期開発段階において完成した試作機。
; Mi-28L
: イラク向けの機体で国内生産が予定されていたが湾岸戦争に伴い中止。
; Mi-28N
; Mi-28N
: 「ノチュノーイ・オホートニク」の愛称で呼ばれる。全天候型、夜間戦闘対応型。[[ミリ波]][[レーダー]]、[[赤外線]]カメラ、[[レーザー]]照準装置などを搭載している。
: 「ノチュノーイ・オホートニク」の愛称で呼ばれる。全天候型、夜間戦闘対応型。[[ミリ波]][[レーダー]]、[[赤外線]]カメラ、[[レーザー]]照準装置などを搭載している。
: 量産型Mi-28Nは二基の[[クリーモフ TV3-117|TV-3-117V MA-SB3]][[エンジン]]（二つあわせて5,000馬力）を搭載しており、最大離陸重量は11,500kg、最大[[武器]]搭載量は2,350kg、最大速度324km/h、巡航速度280km/h、巡航上昇限度3,700m、戦闘行動半径500kmと全ての項目において[[AH-64 アパッチ]]と肩を並べる。[[武装]]としては9M120および9A2200ミサイル、機首下に30mm[[機関砲]]（装弾数250発）80mmおよび130mm[[ロケット弾]]、[[爆弾]]などを搭載する。
: 量産型Mi-28Nは二基の[[クリーモフ TV3-117|TV-3-117V MA-SB3]][[エンジン]]（二つあわせて5,000馬力）を搭載しており、最大離陸重量は11,500kg、最大[[武器]]搭載量は2,350kg、最大速度324km/h、巡航速度280km/h、巡航上昇限度3,700m、戦闘行動半径500kmと全ての項目において[[AH-64 アパッチ]]と肩を並べる。[[武装]]としては9M120および9A220Oミサイル、機首下に30mm[[機関砲]]（装弾数250発）80mmおよび130mm[[ロケット弾]]、[[爆弾]]などを搭載する。
: 最初の一機目の価格は1,500万[[アメリカ合衆国ドル|米ドル]]で、二機目以降の量産型が1,200万米ドル（輸出価格）となっている。
: 最初の一機目の価格は1,500万[[アメリカ合衆国ドル|米ドル]]で、二機目以降の量産型が1,200万米ドル（輸出価格）となっている。
:; Mi-28NE
:; Mi-28NE
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:; Mi-28UB
:; Mi-28UB
:: 練習型で複座の双方に操縦機構をそなえるが戦闘能力も保持している。
:: 練習型で複座の双方に操縦機構をそなえるが戦闘能力も保持している。
; Mi-28NM
:; Mi-28NM
:Mi-28Nのアップグレード型。
:: Mi-28Nのアップグレード型。


== 運用国 ==
== 運用国 ==
*{{ALG}}
*{{ALG}}
**アルジェリア空軍 - 42機を発注<ref>[http://www.defenceweb.co.za/index.php?option=com_content&view=article&id=33814:algeria-orders-mi-26-mi-28-helicopters&catid=35:Aerospace&Itemid=107 Algeria orders Mi-26, Mi-28 helicopters]</ref>。
**[[:en:Algerian_Air_Force|アルジェリア空軍]] - 42機を発注<ref>[http://www.defenceweb.co.za/index.php?option=com_content&view=article&id=33814:algeria-orders-mi-26-mi-28-helicopters&catid=35:Aerospace&Itemid=107 Algeria orders Mi-26, Mi-28 helicopters]</ref>。
*{{IRQ}}
*{{IRQ}}
**イラク空軍 - 15機を発注<ref>[http://www.janes.com/article/40250/iraq-receives-first-mi-28ne-attack-helos-alongside-additional-mi-35ms Iraq receives first Mi-28NE attack helos alongside additional Mi-35Ms]</ref>。
**[[イラク空軍]] - 15機を発注<ref>{{Cite news|url=http://www.janes.com/article/40250/iraq-receives-first-mi-28ne-attack-helos-alongside-additional-mi-35ms |title=Iraq receives first Mi-28NE attack helos alongside additional Mi-35Ms|publisher=|language=|date=}}</ref>。
*{{KEN}}
*{{KEN}}
**ケニア空軍 - 16機を発注した<ref>[https://web.archive.org/web/20150108184805/http://www.the-star.co.ke/news/article-30773/kenya-buys-russian-gunships KENYA BUYS RUSSIAN GUNSHIPS]</ref>。
**[[:en:Kenya_Air_Force|ケニア空軍]] - 16機を発注した<ref>[https://web.archive.org/web/20150108184805/http://www.the-star.co.ke/news/article-30773/kenya-buys-russian-gunships KENYA BUYS RUSSIAN GUNSHIPS]</ref>。
* {{RUS}}
* {{RUS}}
**ロシア空軍 - 81機運用中、14機発注中。他に2020年までに練習型最大60機の調達を予定している<ref>[https://flightglobal.com/asset/6297/waf/Worldairforces2016 World airforces 2016]flightglobal.com</ref><ref>[https://sputniknews.com/military/20130810182683983-Russian-Air-Force-to-Get-60-Mi-28UB-Helicopters-by-2020/ Russian-Air-Force-to-Get-60-Mi-28UB-Helicopters-by-2020]sputniknews.com</ref>。
**[[ロシア航空宇宙軍]] - 81機運用中、14機発注中。他に2020年までに練習型最大60機の調達を予定している<ref>{{Cite news|url=https://flightglobal.com/asset/6297/waf/Worldairforces2016 |title=World airforces 2016|publisher=flightglobal.com|language=|date=}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://sputniknews.com/military/20130810182683983-Russian-Air-Force-to-Get-60-Mi-28UB-Helicopters-by-2020/ |title=Russian-Air-Force-to-Get-60-Mi-28UB-Helicopters-by-2020|publisher=sputniknews.com|language=|date=}}</ref>。
⚫
*{{UGA}}

**[[:en:Uganda_Air_Force|ウガンダ空軍]] - 3機の運用が確認されており、合計6機を発注したと推定されている<ref>{{Cite web|url=https://www.defenceweb.co.za/aerospace/aerospace-aerospace/uganda-acquires-mi-28-attack-helicopters/ |title=Uganda acquires Mi-28 attack helicopters |access-date=2024-08-11 |website=defenceweb.co.za |date=2022-06-17}}</ref>。
=== 将来運用が予定されている国 ===
* {{VEN}}
**[[ベネズエラ陸軍]] - 2010年に10機の購入に同意したとされる<ref>[http://www.laht.com/article.asp?ArticleId=354772&CategoryId=10717 Putin: Venezuela to Buy More Than $5 Billion in Russian Arms]</ref>。

=== 検討のみ ===
⚫
*{{TUR}}
**[[トルコ軍|トルコ空軍]] - [[TAI/アグスタウェストランド T129 ATAK|TAI T129 ATAK]]（[[アグスタウェストランド]] [[A129 マングスタ]]のトルコ製ライセンス生産品）への更新に伴う時間的空白を発生させないための解決策として、[[ロシア]]から使用済みMi-28を32機、総額10億[[アメリカ合衆国ドル|米ドル]]で一括購入する計画が浮上している。


== 性能・主要諸元 ==
== 性能・主要諸元 ==
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* 最大離陸重量：11,500kg
* 最大離陸重量：11,500kg
* 発動機：[[クリーモフ (企業)|クリーモフ]]TV-3-117VMA[[ターボシャフトエンジン|ターボシャフト]]×2
* 発動機：[[クリーモフ (企業)|クリーモフ]]TV-3-117VMA[[ターボシャフトエンジン|ターボシャフト]]×2
* 出力：2,194hp×2
* 超過禁止速度：324km/h
* 超過禁止速度：324km/h
* 航続距離：1,100km
* 航続距離：1,100km
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== 登場作品 ==
== 登場作品 ==
=== ゲーム ===
=== ゲーム ===
; 『[[Just Cause 2]]』
: 「Sivirkin 15 Havoc」の名称で本機と[[AH-1W スーパーコブラ]]が混ざった外見の[[攻撃ヘリコプター]]が登場する。
; 『[[コール オブ デューティシリーズ]]』
; 『[[コール オブ デューティシリーズ]]』
:; 『[[コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア|CoD4]]』
:; 『[[コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア|CoD4]]』
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:: マルチプレイで[[ロシア]]陣営の攻撃ヘリコプターとして登場。
:: マルチプレイで[[ロシア]]陣営の攻撃ヘリコプターとして登場。
:; 『[[バトルフィールド4|BF4]]』
:; 『[[バトルフィールド4|BF4]]』
:: マルチプレイでロシア陣営の攻撃ヘリコプターとして登場。
:: マルチプレイでロシア陣営の攻撃ヘリコプターとして登場。(シングルプレイでも登場)
; 『[[メタルギア ゴーストバベル]]』
; 『[[メタルギア ゴーストバベル]]』
: ソフィー・エンドラムが搭乗する。
: ソフィー・エンドラムが搭乗する。
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{commons|Category:Mil_Mi-28}}
{{commons|Category:Mil_Mi-28}}
* [[Ka-50 (航空機)|Ka-50]] - [[ロシア]]のカモフ設計局が開発した対戦車攻撃ヘリ。
* [[Ka-50 (航空機)|Ka-50]] - [[ロシア]]のカモフ設計局が開発した攻撃ヘリ。
* [[Ka-52 (航空機)|Ka-52]] - Ka-50の並列複座型モデル。
* [[Ka-52 (航空機)|Ka-52]] - Ka-50の並列複座型モデル。
* [[AH-64 アパッチ|AH-64]] - [[アメリカ軍]]をはじめとする多くの国で運用される、西側を代表する攻撃ヘリ。
* [[AH-64 アパッチ|AH-64]] - [[アメリカ軍]]をはじめとする多くの国で運用される、西側を代表する攻撃ヘリ。

2024年10月10日 (木) 17:42時点における最新版

ソビエト連邦の旗Mi-28

Mi-28N（2013年）

Mi-28N（2013年）

Mi-28（ミル28；ロシア語：Ми-28ミー・ドヴァーッツァチ・ヴォースィェミ）は、ソ連のミル設計局が開発した縦列複座式攻撃ヘリコプターである。

北大西洋条約機構（NATO）の用いたNATOコードネームは「Havoc（ハヴォック（「ハボック」とも表記される）：大混乱、大損害 の意味）」。

開発

[編集]
MAKS 2007で展示されたMi-28

1972年より、兵員輸送ヘリと攻撃ヘリの性格を併せ持つヘリコプターであるMi-24の完成に続く形で、Mi-28の仮名称を与えられた機体の開発が開始された。Mi-24と大きく異なる点は兵員輸送能力を要求より外したことで、Mi-24のような兵員輸送能力は無く、純粋な対戦車作戦用攻撃ヘリコプターとして設計されている。これによって最高速度がMi-24より向上し、敵戦車、ヘリコプターへの攻撃や味方のヘリコプターによる揚陸作戦における援護といった場面においてより高い戦闘能力を発揮する設計となっている。開発段階では翼の両端にエンジンとプロペラを垂直方向に搭載し、さらに機体後部に推進用プロペラを搭載するといった非常にユニークな案も考えられた。しかし結局、1977年に決定された設計は機体上部に一つのローターを持つ保守的なものであった。

1981年に設計と機体の実物大模型が認可され、1982年11月10日に試作機（No.012）が完成し、1983年には試作二号機である（No.022）が初飛行にそれぞれ成功している。1984年には初期段階での試験が完了したが、1984年10月ソ連空軍は次期対戦車ヘリコプターとしてカモフ設計局のKa-50を採用することを決定した。

次期制式採用機の座は逃したものの、その後もMi-28の開発は細々と続けられ、1987年12月、Mi-28の製造がロシアのロストフ・ナ・ドヌにて行われることが認可された。1988年1月、新型Mi-28の試作機（No.032）が初飛行した。初期の試作機より強力なエンジンが搭載され、テールローターも三枚からX型に変更されていた。このMi-28Aは1989年にパリ航空ショーで初公開され、1991年にはMi-28Aの二号機（No.042）が完成する。だが、開発の努力およばず、1993年にMi-28Aの計画は中止されることが決定した。性能的にKa-50に劣っているとみなされたこと、そして何よりも全天候型でないことがその大きな理由であった。1990年にはMi-28Aを分解した状態でイラクに輸出し、現地でMi-28Lとして組み立てる契約をミル設計局が交わしたが、この計画は湾岸戦争の勃発により白紙撤回された。

Mi-28N

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MAKS 2013で展示されたMi-28N

こうしてMi-28の開発は一旦は中止されることとなったが、Ka-50の生産、配備が財政難により進まないこともあり、開発計画は続行されることとなり、1995年には欠点とされた全天候/夜間戦闘能力を強化したMi-28Nが登場し、試作機（No.014）は1996年11月14日に初飛行した。"N"とはロシア語で「夜」を意味する「ночь」を英語のアルファベットに変換した「Nochi」の頭文字から取ったもので、この機体の大きな特徴はメインローターの上部に装備されたレーダーであり、これによって全天候/夜間戦闘能力を確保している。このレーダーはボール型のカバーに包まれており、AH-64D アパッチ・ロングボウのレーダー装備方式に酷似している。また、機首下には各種の照準装置や撮影機材が装備されている。そのほか、新しい制御システムや武器システム、コックピットを導入、脅威を自動選択する「人工知能」も搭載されている[1]。開発は資金難から難航したが、2004年には改良型メインローターを装備した第二の試作機が発表された。 Mi-28Nは2006年にはロシア軍より10機の発注がなされ、2015年までには合計で300機が発注される予定であったが、実際にはKa-52、Mi-35Mと並行して攻撃ヘリの導入が行われたため発注数は減少した。輸出用の派生型機としてMi-28NEと夜間戦闘装備を廃したMi-28Dがある。 レーダー反射断面積の低下、航続距離延長、高度な兵器制御システム、空対空兵装の運用能力、最高速度の増加（600 km/h）などの改良をしたMi-28NMが2027年までに98機納入される予定である[2]。

機体形状

[編集]

Mi-28は機首下に機関砲、スタブウィングのパイロンに各種ミサイルやロケット弾を搭載する、攻撃ヘリコプターとしてはオーソドックスなスタイルとなっている。胴体幅は絞られ、正面投影面積が限定されており、エンジンは胴体後部左右にある。乗員は胴体前部にタンデム式に配置されており、前席が航法兼攻撃手、後席が操縦士となっている。副操縦装置も設置されていない。操縦席は防弾装甲が施されており、特徴的な機首には電子装備が搭載されている。また、テールローターはAH-64同様にX字の形をしている。

上述のように、Mi-28は兵員輸送用のヘリコプターではないが、機内には3人分を搭乗させられる空間が存在しており、兵士を救助した際などに利用される。

事故

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炎上するMi-28（2015年）

2015年8月2日、リャザン近くでMi-28Nの曲技飛行隊がデモフライトしていたところ1機が飛行中に墜落し、乗組員のうち、パイロットのイゴール・ブテンコ中佐が死亡した。脱出できた副操縦士のアレクサンドル・クレトノフ上級中尉は油圧システムが故障していたと報告したことを受け、ロシア軍は調査するためにすべてのMi-28を飛行停止する事態となった[3][4]。

運用

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2015年10月14日、ロシア航空宇宙軍は軍事介入を行っているシリアにMi-28を配備した[5][6]。

2016年6月25日、イラク軍はファルージャ、ラマディ、その他の都市をISILから解放する作戦にMi-28を投入した[7]。

ウガンダ空軍は2022年にMi-28を導入し、反政府武装組織「神の抵抗軍」 (LRA) との戦闘に投入した。ウガンダ空軍司令官は「攻撃ヘリコプターの投入が、ウガンダ北部における神の抵抗軍（LRA）との戦況を有利に変えた」と表明している[8]。

派生型

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Mi-28A
初期開発段階において完成した試作機。
Mi-28L
イラク向けの機体で国内生産が予定されていたが湾岸戦争に伴い中止。
Mi-28N
「ノチュノーイ・オホートニク」の愛称で呼ばれる。全天候型、夜間戦闘対応型。ミリ波レーダー、赤外線カメラ、レーザー照準装置などを搭載している。
量産型Mi-28Nは二基のTV-3-117V MA-SB3エンジン（二つあわせて5,000馬力）を搭載しており、最大離陸重量は11,500kg、最大武器搭載量は2,350kg、最大速度324km/h、巡航速度280km/h、巡航上昇限度3,700m、戦闘行動半径500kmと全ての項目においてAH-64 アパッチと肩を並べる。武装としては9M120および9A220Oミサイル、機首下に30mm機関砲（装弾数250発）80mmおよび130mmロケット弾、爆弾などを搭載する。
最初の一機目の価格は1,500万米ドルで、二機目以降の量産型が1,200万米ドル（輸出価格）となっている。
Mi-28NE
輸出型。
Mi-28D
Mi-28Nの夜間攻撃装備を搭載しないタイプ。
Mi-28NAe
韓国陸軍に提案されたMi-28Nの輸出版。
Mi-28UB
練習型で複座の双方に操縦機構をそなえるが戦闘能力も保持している。
Mi-28NM
Mi-28Nのアップグレード型。

運用国

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性能・主要諸元

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  • 乗組員：2名（前席：射撃手、後席：操縦士）
  • 全長：17.01m
  • 主回転翼直径：17.20m
  • 高さ：3.82m
  • 空虚重量：8,095kg
  • 武装重量：10,400kg
  • 最大離陸重量：11,500kg
  • 発動機：クリーモフTV-3-117VMAターボシャフト×2
  • 出力：2,194hp×2
  • 超過禁止速度：324km/h
  • 航続距離：1,100km
  • 上昇限度：5,800m

武装

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2A42機関砲
パイロン

登場作品

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ゲーム

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『コール オブ デューティシリーズ』
『CoD4』
ロシア軍・ロシア超国家主義派・ニコライが所持。ニコライの機体は一部のミッションで航空支援を要請できるが、この機体のコールサインは「モシン2-5」。
『CoD:MW2』
ロシア軍が使用。
『CoD:MW3』
ロシア軍が使用。
『CoD:G』
連邦軍が使用。
『バトルフィールドシリーズ』
『BF2』
MECの攻撃ヘリコプターとして登場する。
『BFBC』
ロシア軍の攻撃ヘリとして登場する。
『BFBC2』
ロシア軍の攻撃ヘリとして登場する。
『BF3』
マルチプレイでロシア陣営の攻撃ヘリコプターとして登場。
『BF4』
マルチプレイでロシア陣営の攻撃ヘリコプターとして登場。(シングルプレイでも登場)
『メタルギア ゴーストバベル』
ソフィー・エンドラムが搭乗する。

脚注

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  1. ^ “ロステック、ロシアの最新攻撃ヘリMi-28Nを紹介”. FlyTeam. (2014年6月12日). http://flyteam.jp/news/article/36456 
  2. ^ “Russia to Develop 5th-Generation Attack Helicopter by 2017”. http://www.airrecognition.com/index.php?option=com_content&task=view&id=965 
  3. ^ “Fatal helicopter crash grounds Russian helicopters”. BBC World News (2 August 2015). 2021年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。20 June 2018閲覧。
  4. ^ “ロシア、Mi-28Nデモチームの1機が飛行展示中に墜落 乗員1名死亡”. FlyTeam. (2015年8月3日). https://flyteam.jp/news/article/53173 
  5. ^ “В Сирию прибыли российские «Ночные охотники» Ми-28”. Госновости. (2015年10月15日). http://gosnovosti.com/2015/10/%D0%B8%D0%B3-%D0%B2-%D1%88%D0%BE%D0%BA%D0%B5-%D0%B2-%D1%81%D0%B8%D1%80%D0%B8%D1%8E-%D0%BF%D1%80%D0%B8%D0%B1%D1%8B%D0%BB%D0%B8-%D1%80%D0%BE%D1%81%D1%81%D0%B8%D0%B9%D1%81%D0%BA%D0%B8%D0%B5-%D0%BD/ 
  6. ^ “В Сирию прибыли новейшие российские ударные вертолёты Ми-28”. http://military-informant.com/airforca/v-siriyu-pribyili-noveyshie-rossiyskie-udarnyie-vertoletyi-mi-28.html 
  7. ^ “В Ирак доставлена партия вертолётов Ми-28”. ТАСС. http://tass.ru/armiya-i-opk/3412402 2016年10月12日閲覧。 
  8. ^ “Russian attack helicopters turned the tide against the LRA – UPDF”. defenceweb.co.za (2023年3月28日). 2024年8月11日閲覧。
  9. ^ Algeria orders Mi-26, Mi-28 helicopters
  10. ^ “Iraq receives first Mi-28NE attack helos alongside additional Mi-35Ms”. http://www.janes.com/article/40250/iraq-receives-first-mi-28ne-attack-helos-alongside-additional-mi-35ms 
  11. ^ KENYA BUYS RUSSIAN GUNSHIPS
  12. ^ “World airforces 2016”. flightglobal.com. https://flightglobal.com/asset/6297/waf/Worldairforces2016 
  13. ^ “Russian-Air-Force-to-Get-60-Mi-28UB-Helicopters-by-2020”. sputniknews.com. https://sputniknews.com/military/20130810182683983-Russian-Air-Force-to-Get-60-Mi-28UB-Helicopters-by-2020/ 
  14. ^ “Uganda acquires Mi-28 attack helicopters”. defenceweb.co.za (2022年6月17日). 2024年8月11日閲覧。

関連項目

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ウィキメディア・コモンズには、Mi-28 (航空機)に関連するメディアがあります。
  • Ka-50 - ロシアのカモフ設計局が開発した攻撃ヘリ。
  • Ka-52 - Ka-50の並列複座型モデル。
  • AH-64 - アメリカ軍をはじめとする多くの国で運用される、西側を代表する攻撃ヘリ。
  • Mi-24 - ソ連時代の戦闘兵員輸送ヘリ。Mi-28の前任機である。

外部リンク

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関連項目
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