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エルムステークス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エルムステークス
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 札幌競馬場
創設 1996年9月7日
2024年の情報
距離 ダート1700m
格付け GIII
賞金 1着賞金3800万円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(指定)
負担重量 別定(#競走条件を参照)
出典 [1][2][3]
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エルムステークスは、日本中央競馬会 (JRA) が札幌競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。

競走名の「エルム」はニレ科ニレ属の植物の総称で、日本では特に北日本に多く、街路樹などとして用いられているハルニレを英名から「エルム」と呼んでいる[4]

正賞は札幌馬主協会会長賞、地方競馬全国協会理事長賞[1]

概要

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1996年に、ダート路線(ダートグレード競走)整備の一環として創設された重賞競走[5][6]。当初の名称は「シーサイドステークス」だったが、1997年より、施行場が函館競馬場から札幌競馬場に変更された際、名称も「エルムステークス」に変更[5]して現在に至る(函館・札幌の開催順が逆転したことによる)。

2009年より国際競走に指定され、外国馬の出走も可能になった。創設時から2011年までは9月、北海道シリーズが短縮された2012年以降は原則8月に開催されるが、2014年のみ7月に開催された。

競走条件

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以下の内容は、2024年現在のもの[1][2][7]

出走資格:サラ系3歳以上、未出走馬および未勝利馬を除く

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(3頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 3歳53kg、4歳以上56kg、牝馬2kg減
  • 2023年8月5日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬3kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GII競走またはGIII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増
  • 2023年8月4日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増(ただし2歳時の成績を除く)

賞金

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2024年の1着賞金は3800万円で、以下2着1500万円、3着950万円、4着570万円、5着380万円[1][2]

歴史

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  • 1996年 - 「シーサイドステークス」が4歳(現3歳)以上の競走馬による重賞競走として創設、函館競馬場のダート1700mで施行(当初、地方所属馬の出走枠は4頭まで)[6]
  • 1997年
    • 施行場を札幌競馬場に変更[5]
    • 名称を「エルムステークス」に変更[5]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIIに変更[6]
  • 2009年
    • 国際競走に変更され、外国調教馬は8頭まで出走可能となる[6]
    • 格付表記をGIII(国際格付)に変更[6]
    • 地方所属馬の出走枠が4頭から3頭に縮小[6]
    • この年のみ新潟競馬場のダート1800mで施行。
  • 2010年 - 外国調教馬の出走枠が8頭から7頭に縮小[6]
  • 2015年 - 施行日を1回2日目から1回6日目に変更[8]
  • 2017年 - 出走可能頭数を14頭に拡大[9]
  • 2020年 - 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、「無観客競馬」として実施[10]
  • 2021年 - 東京オリンピックの男女マラソン及び競歩が札幌市で開催されることに伴う開催日程の調整により函館競馬場で施行。
  • 2025年 - 施行日を2013年以来再び土曜日に変更予定。

歴代優勝馬

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コース種別の記載がない距離は、ダートコースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走名は第1回が「シーサイドステークス」、第2回以降は「エルムステークス」。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1996年9月7日 函館 1700m キョウトシチー 牡5 1:45.3 菊沢隆徳 中尾謙太郎 (株)友駿ホースクラブ
第2回 1997年9月6日 札幌 1700m バトルライン 牡4 1:43.6 武豊 松田博資 (有)社台レースホース
第3回 1998年9月12日 札幌 1700m タイキシャーロック 牡6 1:43.7 横山典弘 土田稔 (有)大樹ファーム
第4回 1999年9月11日 札幌 1700m ニホンピロジュピタ 牡4 1:43.9 小林徹弥 目野哲也 小林百太郎
第5回 2000年9月2日 札幌 1700m シンコウスプレンダ 牡6 1:42.8 横山典弘 古賀史生 安田修
第6回 2001年9月1日 札幌 1700m エンゲルグレーセ 牡4 1:43.4 岡部幸雄 新関力 三島武
第7回 2002年8月31日 札幌 1700m プリエミネンス 牝5 1:43.6 柴田善臣 伊藤圭三 (有)グランド牧場
第8回 2003年9月6日 札幌 1700m アドマイヤドン 牡4 1:43.8 安藤勝己 松田博資 近藤利一
第9回 2004年9月4日 札幌 1700m パーソナルラッシュ 牡3 1:43.2 藤田伸二 山内研二 深見富朗
第10回 2005年9月3日 札幌 1700m パーソナルラッシュ 牡4 1:44.9 藤田伸二 山内研二 深見富朗
第11回 2006年9月18日 札幌 1700m ヒシアトラス 牡6 1:43.0 横山典弘 中野隆良 阿部雅一郎
第12回 2007年9月17日 札幌 1700m メイショウトウコン 牡5 1:43.3 池添謙一 安田伊佐夫 松本好雄
第13回 2008年9月13日 札幌 1700m フェラーリピサ 牡4 1:42.9 岩田康誠 白井寿昭 市川義美
第14回 2009年9月21日 新潟 1800m マチカネニホンバレ 牡4 1:51.1 北村宏司 藤沢和雄 細川益男
第15回 2010年9月20日 札幌 1700m クリールパッション 牡5 1:43.5 津村明秀 相沢郁 横山修二
第16回 2011年9月19日 札幌 1700m ランフォルセ 牡5 1:44.2 横山典弘 萩原清 (有)キャロットファーム
第17回 2012年8月25日 札幌 1700m ローマンレジェンド 牡4 1:42.2 岩田康誠 藤原英昭 太田美實
第18回 2013年8月24日 函館 1700m フリートストリート 牡4 1:42.0 内田博幸 角居勝彦 H.H.シェイク・モハメド
第19回 2014年7月27日 札幌 1700m ローマンレジェンド 牡6 1:41.9 岩田康誠 藤原英昭 太田美實
第20回 2015年8月16日 札幌 1700m ジェベルムーサ 牡5 1:43.0 岩田康誠 大竹正博 (有)キャロットファーム
第21回 2016年8月14日 札幌 1700m リッカルド 騸5 1:43.5 黛弘人 黒岩陽一 岡田牧雄
第22回 2017年8月13日 札幌 1700m ロンドンタウン 牡4 1:40.9 岩田康誠 牧田和弥 薪浦亨
第23回 2018年8月12日 札幌 1700m ハイランドピーク 牡4 1:42.0 横山和生 土田稔 島川隆哉
第24回 2019年8月11日 札幌 1700m モズアトラクション 牡5 1:41.9 藤岡康太 松下武士 (株)キャピタル・システム
第25回 2020年8月9日 札幌 1700m タイムフライヤー 牡5 1:43.4 C.ルメール 松田国英 (有)サンデーレーシング
第26回 2021年8月8日 函館 1700m スワーヴアラミス 牡6 1:44.5 松田大作 須貝尚介 (株)NICKS
第27回 2022年8月7日 札幌 1700m フルデプスリーダー 牡5 1:44.2 丹内祐次 斎藤誠 小田吉男
第28回 2023年8月6日 札幌 1700m セキフウ 牡4 1:42.8 武豊 武幸四郎 中辻明
第29回 2024年8月4日 札幌 1700m ペイシャエス 牡5 1:44.0 横山和生 小西一男 北所直人

同名の競走

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重賞競走が創設される以前より、同名の特別競走が行われていた。函館競馬場では1988年に900万下条件戦として「シーサイドステークス」が創設され、1990年よりオープン特別として施行。1994年と1995年は地方競馬所属馬が出走可能な指定競走となったため、名称が「シーサイドオープン」に変更された[11][12]

札幌競馬場でも従前より「エルムステークス」という名称の特別競走が行われており、1987年までは900万下、1988年から1400万下(1990年以降は1500万下)の条件戦として施行されていた。なお、JRAではこれらの競走を前身としていない。

エルムステークス(900万下・1400万下・1500万下)

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施行日 競馬場 距離 条件 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
1986年6月21日 札幌 2000m[注 1] 900万下 メジロルパン 牡5 2:05.3 蓑田早人 保田隆芳 メジロ商事(株)
1987年7月11日 札幌 1500m 900万下 ミスタードン 牡6 1:32.4 本田優 中尾謙太郎 駿和(有)
1988年6月19日 札幌 1500m 1400万下 インターカオル 牡5 1:30.4 猿橋重利 清田十一 渡辺典六
1989年6月18日 札幌 1700m 1400万下 オサイチブレベスト 牡5 1:43.8 河内洋 土門一美 野出長一
1990年6月17日 札幌 芝1800m 1500万下 ユートタイム 牡5 1:49.0 岡潤一郎 安藤正敏 永井康郎
1991年6月16日 札幌 1700m 1500万下 カミノクレッセ 牡4 1:45.6 南井克巳 工藤嘉見 野上政次
1992年6月21日 札幌 1700m 1500万下 ダイカツジョンヌ 牝4 1:45.6 鹿戸雄一 相川勝敏 加藤豊三
1993年6月20日 札幌 1700m 1500万下 ヒデノリード 牡4 1:42.5 斉藤博美 斉藤義美 大石秀夫
1994年6月19日 札幌 1700m 1500万下 ヒシアリダー 牡4 1:46.1 的場均 中野隆良 阿部雅一郎
1995年6月18日 札幌 1700m 1500万下 スーパープレイ 牡5 1:44.7 藤田伸二 橋本寿正 内田滋三
1996年6月16日 札幌 1700m 1500万下 タイキシャーロック 牡4 1:44.4 横山典弘 土田稔 (有)大樹ファーム

出典:netkeiba.com

シーサイドステークス、シーサイドオープン(900万下・1400万下・オープン)

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競走名は1994年と1995年が「シーサイドオープン」、他は「シーサイドステークス」。

施行日 競馬場 距離 条件 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
1988年9月17日 函館 1700m 900万下 ダイカツネバベント 牡4 1:48.3 柴田政人 相川勝敏 加藤豊三
1989年8月27日 函館 芝1800m 1400万下 アカネライコウ 牡6 1:47.8 根本康広 橋本輝雄 関野栄一
1990年8月26日 函館 1700m オープン メルシーアトラ 牡3 1:45.0 内山正博 小野幸治 永井康郎
1991年8月25日 函館 1700m オープン カミノクレッセ 牡4 1:44.8 南井克巳 工藤嘉見 野上政次
1992年8月30日 函館 1700m オープン キョウエイスワット 牡6 1:46.3 南井克巳 清水久雄 松岡正雄
1993年8月29日 函館 1700m オープン ダイカツジョンヌ 牝5 1:45.0 鹿戸雄一 相川勝敏 加藤豊三
1994年9月4日 函館 1700m オープン マキノトウショウ 牡3 1:46.5 根本康広 新関力 島宮萬喜
1995年8月26日 函館 1700m オープン イブキクラッシュ 牡5 1:46.8 的場均 沖芳夫 (有)伊吹

出典:netkeiba.com

脚注・出典

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注釈

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  1. ^ 1988年以前の札幌競馬場は芝コースが設置されておらず、ダートコースのみで施行していた。1989年のコース改修で、外回りダートコースは芝コースに変更された。

出典

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  1. ^ a b c d 令和4年第1回札幌競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年7月28日閲覧。
  2. ^ a b c 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 29. 2024年7月28日閲覧。
  3. ^ ダートグレード競走レース一覧”. 地方競馬全国協会. 2024年7月28日閲覧。
  4. ^ 2024年度1回札幌競馬特別レース名解説”. 日本中央競馬会. p. 3. 2024年7月28日閲覧。
  5. ^ a b c d レースについて:エルムステークス 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2020年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月28日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g 今週の注目レース(第20回エルムステークス:歴史・プレイバック)”. 日本中央競馬会. 2015年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月27日閲覧。
  7. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(夏季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会 (2024年). 2024年8月14日閲覧。
  8. ^ 平成27年度の重賞競走の主な変更点について” (PDF). 日本中央競馬会. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月27日閲覧。
  9. ^ 平成29年度夏季競馬番組の概要について”. 日本中央競馬会 (2017年4月9日). 2017年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月31日閲覧。
  10. ^ 7月25日(土曜)から8月9日(日曜)までの中央競馬の開催等”. 日本中央競馬会 (2020年7月17日). 2020年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月2日閲覧。
  11. ^ "シーサイドオープンの結果・払戻情報【1994年9月4日函館11R】】". 競馬ラボ. 2015年8月14日閲覧
  12. ^ "シーサイドオープンの結果・払戻情報【1995年8月26日函館11R】". 競馬ラボ. 2015年8月14日閲覧

各回競走結果の出典

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外部リンク

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