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グリーゼ1

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グリーゼ1
Gliese 1
星座 ちょうこくしつ座
見かけの等級 (mv) 8.54
変光星型 りゅう座BY型[1]
閃光星[2]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  0h 5m 24.4s
赤緯 (Dec, δ) −37° 21′ 26″
視線速度 (Rv) +22.9 km/s
固有運動 (μ) 赤経:5,634.07 ミリ秒/
赤緯:-2,337.94 ミリ秒/年
年周視差 (π) 229.20[2] ± 1.07 ミリ秒
距離 14.23 ± 0.07 光年
(4.36 ± 0.02 パーセク
絶対等級 (MV) 10.34
物理的性質
半径 0.48 R[3]
質量 0.48 M[4]
スペクトル分類 M1.5 V
光度 1150 L
表面温度 3,405 K[3]
色指数 (B-V) 1.45
色指数 (U-B) 1.00
他のカタログでの名称
GC 49, Giclas 267-025, CD-37°15492, HD 225213, GCTP 5817.00, LHS 1, HIP 439, LCC 0390
Template (ノート 解説) ■Project

グリーゼ1 (Gliese 1) は、ちょうこくしつ座の8等星で、太陽系から14.2光年離れた赤色矮星である。Gl 1GJ 1 とも呼ばれる。小さく暗い恒星なので肉眼で見ることはできない。

概要

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太陽(左)とグリーゼ1(右)の比較。

グリーゼ1は、天球上で赤経が0hに近いプラスであるため、赤経を基準に天体を並べた星表では先頭に記載されることがある。例えば太陽系から20パーセク以内に存在する恒星を網羅した「グリーゼ近傍恒星カタログ」や、大きな固有運動を示す星を一覧にした「LHSカタログ」で、それぞれ Gl 1、LHS 1 の名前が与えられている[2]

グリーゼ1はスペクトル型 M1.5V の赤色矮星で、半径は太陽の48%、表面温度は3,405Kと考えられている[3]ヒッパルコス衛星による年周視差は229ミリ秒で、太陽系からグリーゼ1までの距離は4.36パーセク(14.2光年)と計算できるが、明るさが太陽の150分の1に過ぎないため比較的近傍恒星にもかかわらず肉眼で観測することはできない。また、フレア爆発によって不規則に明るさを変える閃光星[2]、不均一な表面光度を持ち自転に伴って変光するりゅう座BY型変光星に分類されているが、変光の振幅は0.02等級とあまり大きくない[1]

2009年の時点では、伴星や惑星の存在を示す有意視線速度の変動は見つかっていない。グリーゼ832の惑星が発見された際には視線速度の安定した赤色矮星の例として引き合いに出されている[5]

脚注

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  1. ^ a b Samus, N. N. (2004年). “Combined General Catalogue of Variable Stars”. VizieR. 2009年11月20日閲覧。
  2. ^ a b c d SIMBAD basic query result”. SIMBAD, CDS. 2008年12月5日閲覧。
  3. ^ a b c Johnson, H. M. & Wright, C. D (1983). “Predicted infrared brightness of stars within 25 parsecs of the sun”. Astrophysical Journal Supplement Series vol. 53: p. 643-711. http://adsbit.harvard.edu/cgi-bin/nph-iarticle_query?bibcode=1983ApJS...53..643J. 
  4. ^ The 100 Nearest Star Systems”. RECONS. 2016年12月4日閲覧。
  5. ^ Bailey, J. et al. (2009). “A Jupiter-Like Planet Orbiting the Nearby M dwarf GJ 832”. The Astrophysical Journal 690 (1): 743-747. https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2009ApJ...690..743B/abstract. 

関連項目

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外部リンク

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