ジョン・グッドイナフ
表示
ジョン・バニスタ・グッドイナフ John Bannister Goodenough | |
---|---|
ジョン・グッドイナフ(2019) | |
生誕 |
1922年7月25日 ドイツ国 イェーナ |
死没 |
2023年6月25日 (100歳没) アメリカ合衆国 テキサス州オースティン |
居住 | アメリカ合衆国 |
国籍 | アメリカ合衆国 |
研究分野 | 固体物理学 |
研究機関 |
マサチューセッツ工科大学 オックスフォード大学 テキサス大学オースティン校 |
出身校 |
イェール大学 シカゴ大学 |
博士論文 | A theory of the deviation from close packing in hexagonal metal crystals (1952) |
博士課程 指導教員 | クラレンス・ツェナー |
主な業績 |
リチウムイオン二次電池 超交換相互作用 |
主な受賞歴 |
日本国際賞(2001) エンリコ・フェルミ賞(2009) アメリカ国家科学賞(2011) チャールズ・スターク・ドレイパー賞(2014) コプリ・メダル(2019) ノーベル化学賞(2019) |
プロジェクト:人物伝 |
|
ジョン・B・グッドイナフ(英: John Bannister Goodenough, 1922年7月25日 - 2023年6月25日[1])は、アメリカ合衆国の固体物理学者。テキサス大学オースティン校教授(機械工学、材料科学)。リチウムイオン二次電池開発の第一人者として知られるほか、金森順次郎と共にグッドイナフ-金森則(Goodenough-Kanamori rules)を発見した。
人物
[編集]父親のアーウィン・グッドイナフはイェール大学の宗教学者。ヴァイマル共和政時代のドイツ国イェーナで生まれ、アメリカ合衆国コネチカット州のニューヘイブン近郊で育つ。イェール大学で数学を専攻し、1944年に卒業。第二次世界大戦後に軍隊に召集され、除隊後、シカゴ大学大学院に進学。1952年に物理学の博士号を取得した。
2019年、リチウムイオン二次電池開発の功績により、スタンリー・ウィッティンガム、吉野彰と共にノーベル化学賞を受賞[2]。97歳での受賞はノーベル賞史上最高齢であった[3]。最晩年はテキサス州オースティンにある介護付き生活施設にて過ごし、2023年6月25日に満100歳で死去した[4]。文化人類学者のワード・ハント・グッドイナフは兄。
経歴
[編集]- 1951年 - ウェスティングハウス・エレクトリック研究技術者
- 1952年〜1976年 - マサチューセッツ工科大学リンカーン研究所研究員
- 1976年〜1986年 - オックスフォード大学教授、同無機化学研究所長
- 1986年〜2023年 - テキサス大学オースティン校教授
役職
[編集]- 全米技術アカデミー会員
- フランス科学アカデミー会員
- 王立協会外国人会員
受賞歴
[編集]- 1975年 - センテナリー賞
- 1989年 - フォン・ヒッペル賞
- 2001年 - 日本国際賞[5]
- 2009年 - エンリコ・フェルミ賞
- 2011年 - アメリカ国家科学賞
- 2012年 - IEEE環境・安全技術メダル
- 2014年 - チャールズ・スターク・ドレイパー賞
- 2015年 - トムソン・ロイター引用栄誉賞
- 2017年 - ウェルチ化学賞
- 2018年 - ベンジャミン・フランクリン・メダル
- 2019年 - コプリ・メダル
- 2019年 - ノーベル化学賞
- 2021年 - ワシントン賞
論文
[編集]- John B. Goodenough (1955). “Theory of the role of covalence in the Perovskite-type Manganites [La, M(II)]MnO3”. Phys. Rev. 100: 564–573. Bibcode: 1955PhRv..100..564G. doi:10.1103/physrev.100.564.
- K. Mizushima; P.C. Jones; P.J. Wiseman; J.B. Goodenough (1980). “LixCoO2 (0<x<-1): A new cathode material for batteries of high energy density”. Mater. Res. Bull. 15 (6): 783–799. doi:10.1016/0025-5408(80)90012-4.
- John B. Goodenough (1985). B. Schuman, Jr.. ed. “Manganese Oxides as Battery Cathodes”. Proceedings Symposium on Manganese Dioxide Electrode: Theory and Practice for Electrochemical Applications (Re Electrochem. Soc. Inc, N.J.) 85-4: 77–96 .
- Lightfoot, P.; Pei, S. Y.; Jorgensen, J. D.; Manthiram, A.; Tang, X. X. & J. B. Goodenough. "Excess Oxygen Defects in Layered Cuprates", アルゴンヌ国立研究所, テキサス大学オースティン校, Materials Science Laboratory アメリカ合衆国エネルギー省, アメリカ国立科学財団, (September 1990).
- Argyriou, D. N.; Mitchell, J. F.; Chmaissem, O.; Short, S.; Jorgensen, J. D. & J. B. Goodenough. "Sign Reversal of the Mn-O Bond Compressibility in La1.2Sr1.8Mn2O7 Below TC: Exchange Striction in the Ferromagnetic State", アルゴンヌ国立研究所, テキサス大学オースティン校, Center for Material Science and Engineering アメリカ合衆国エネルギー省, アメリカ国立科学財団, ウェルチ財団, (March 1997).
- A.K. Padhi; K.S. Nanjundaswamy; J.B. Goodenough (1997). “Phospho-Olivines as Positive Electrode Materials for Rechargeable Lithium Batteries”. J. Electrochem. Soc. 144 (4): 1188–1194. doi:10.1149/1.1837571 .
- John B. Goodenough (2004). “Electronic and ionic transport properties and other physical aspects of perovskites”. Rep. Prog. Phys. 67 (11): 1915–1973. Bibcode: 2004RPPh...67.1915G. doi:10.1088/0034-4885/67/11/R01.
- Goodenough, J. B.; Abruna, H. D. & M. V. Buchanan. "Basic Research Needs for Electrical Energy Storage. Report of the Basic Energy Sciences Workshop on Electrical Energy Storage, April 2-4, 2007", アメリカ合衆国エネルギー省] (April 4, 2007).
- “John B. Goodenough”. Faculty (テキサス大学オースティン校 Mechanical Engineering Department). (May 3, 2005). オリジナルのSeptember 28, 2011時点におけるアーカイブ。 August 23, 2011閲覧。.
脚注
[編集]- ^ “ノーベル化学賞を吉野彰氏らと受賞、グッドイナフ米大教授が死去…100歳”. 読売新聞オンライン. (2023年6月27日) 2023年6月27日閲覧。
- ^ The Nobel Prize in Chemistry 2019
- ^ “97歳のグッドイナフ教授、最高齢のノーベル賞受賞者に”. CNN.co.jp. 2020年2月4日閲覧。
- ^ “John B. Goodenough, 100, Dies; Nobel-Winning Creator of the Lithium-Ion Battery”. ニューヨーク・タイムズ. (2023年6月26日) 2023年6月27日閲覧。
- ^ “ジャパンプライズ(Japan Prize/日本国際賞)”. 国際科学技術財団. 2022年9月4日閲覧。
参考文献
[編集]- ジョン・B・グッドイナフ博士
- スティーヴ・レヴィン著、田沢恭子訳「バッテリーウォーズ 次世代電池開発競争の最前線」 日経BP社 2015年
外部リンク
[編集]- John B. Goodenough, Cathode Materials, and Rechargeable Lithium-ion Batteries, Photograph, Biography and Bibliographic Resources from the Office of Scientific and Technical Information, United States Department of Energy
- Array of Contemporary American Physicists
カテゴリ:
- 20世紀アメリカ合衆国の物理学者
- 21世紀アメリカ合衆国の物理学者
- アメリカ合衆国の発明家
- ノーベル化学賞受賞者
- アメリカ合衆国のノーベル賞受賞者
- チャールズ・スターク・ドレイパー賞受賞者
- エンリコ・フェルミ賞受賞者
- コプリ・メダル受賞者
- 日本国際賞受賞者
- アメリカ国家科学賞受賞者
- ベンジャミン・フランクリン・メダル (フランクリン協会) 受賞者
- クラリベイト引用栄誉賞受賞者
- 米国科学アカデミー会員
- 全米技術アカデミー会員
- アメリカ物理学会フェロー
- 王立協会外国人会員
- フランス科学アカデミー会員
- テキサス大学オースティン校の教員
- マサチューセッツ工科大学の教員
- シカゴ大学出身の人物
- イェール大学出身の人物
- イェーナ出身の人物
- アメリカ合衆国のセンテナリアン
- 1922年生
- 2023年没