ストールストックホルムス・ロカールトラフィークX15p形電車
X15p形電車 | |
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X15p(左)(2022年撮影) | |
基本情報 | |
運用者 |
ストールストックホルムス・ロカールトラフィーク(所有) トランスデヴ(運営) |
製造所 | シュタッドラー・レール |
製造年 | 2020年 - |
製造数 | 66両(3両編成22本) |
運用開始 | 2022年(予定) |
投入先 | ロスラグスバナン |
主要諸元 | |
編成 | 3両編成(2M1T) |
軸配置 | Bo′Bo′+2′2′+Bo′Bo′ |
軌間 | 891 mm |
電気方式 |
直流1,500 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 100 km/h |
設計最高速度 | 120 km/h |
起動加速度 | 0.95 m/s2 |
車両定員 | 300人(着席162人) |
編成長 | 59,700 mm |
全幅 | 2750mm |
全高 | 3900mm |
床面高さ | 665 mm(低床部分) |
車輪径 | 760 mm |
主電動機出力 | 200 kW |
出力 | 1,600 kW |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5]に基づく。 |
X15pは、スウェーデンの鉄道路線(軽便鉄道)であるロスラグスバナン(Roslagsbanan)に導入される電車。スイスのシュタッドラー・レールが製造を担当し、2022年から営業運転を開始する[1][2][3][4]。
概要・運用
[編集]ロスラグスバナン(Roslagsbanan)は、スウェーデンの首都・ストックホルムと郊外を結ぶ、全長65.3 km、軌間891 mmの電化路線である。同路線を所有するストールストックホルムス・ロカールトラフィーク(Storstockholms Lokaltrafik、以下SLと記載)は2010年代以降線路や施設の近代化を進めており、それに伴う本数増加に対応するためSLは新型電車に関する国際入札を実施した。その結果、2016年8月23日にスイスのシュタッドラー・レールが受注を獲得し、翌2017年4月21日にSLとの間に22編成およびオプション45編成、約20億クローネ分の製造契約を結んだ事を発表した。これがX15p形電車である[注釈 1][6][2][4][7]。
動力台車を有する先頭車(電動制御車)と集電装置(シングルアーム式パンタグラフ)が設置された中間車(付随車)による3両編成で、営業運転時の最高速度は100 km/h、設定最高速度は120 km/hである。車体は全溶接式のアルミニウムで製造され、車体の頑丈さと軽量化の両立、それに伴うエネルギー消費量や運用コストの削減が図られている。また、車体設計においては冬季のスウェーデンの極寒に対応した設計が行われており、車内は冷暖房が完備されている[1][2][3]。
全車とも両開き式の乗降扉を含めた車体中央部は床上高さが低くなっている他、車椅子、ベビーカー、自転車が搭載可能なフリースペースや優先座席も各車両に設置されており、従来使用されていたX10p形(3両編成)[注釈 2]と比べてバリアフリーへの対応の強化が実施されている。また、X10p形と異なり全車とも貫通幌で繋がっており、各車両の往来が可能である。曲線区間に設置されたプラットホームに対応するため、乗降扉には収納式ステップが搭載されている。座席配置は2 + 2列のボックスシートで、一部の座席下部には充電用のコンセントも設置されている[1][2][3]。
2020年の秋から冬にかけて最初の車両がロスラグスバナンに搬入され、試運転を経て2022年から営業運転を開始する予定になっており、以降2024年までに発注分22編成が導入される。これにより、X10p形(101両)と合わせてロスラグスバナンの輸送力の大幅な増強が図られる[2][3]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d “X15p EMU SL Roslagsbanan Greater Stockholm Local Transport (SL), Sweden”. Stadler Rail. 2020年8月4日閲覧。
- ^ a b c d e f “22 nya fordon till Roslagsbanan”. Region Stockholm (2017年4月25日). 2020年8月4日閲覧。
- ^ a b c d e “Nu börjar Roslagsbanans nya tåg tillverkas”. Region Stockholm (2019年11月26日). 2020年8月4日閲覧。
- ^ a b c “Roslagsbanan narrow gauge EMU contract signed”. RailwayGazette Intrenational (2017年4月26日). 2020年8月4日閲覧。
- ^ Lubomir Cech (2020年5月19日). “Coming soon: Time for an update on Roslagsbanan’s new train”. RailColor News. 2020年8月4日閲覧。
- ^ a b “Roslagsbanans tillgänglighet”. Storstockholms Lokaltrafik. 2020年8月4日閲覧。
- ^ “Transdev wins Roslagsbanan operating contract”. RailwayGazette Intrenational (2020年5月14日). 2020年8月4日閲覧。
外部リンク
[編集]- ストックホルム県ランスティングによる紹介ページ”. 2020年8月4日閲覧。 “