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マグデブルク-ライプツィヒ線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マクデブルク-ライプツィヒ線
基本情報
ドイツの旗 ドイツ
所在地 ザクセン=アンハルト州ザクセン州
起点 マクデブルク
終点 ライプツィヒ
路線記号 6403、6053 (ハレ-グレーバース間Sバーン緩行線)
HL: ザクセン州の略号
路線番号 340
開業 1839年
全通 1840年8月18日
運営者 ドイツ鉄道
路線諸元
路線距離 118.0 km
軌間 1,435 mm
線路数 複線(マクデブルク中央駅 - ヴィーデリッチ駅)
単線(ヴィーデリッチ駅 - ライプツィヒ・メッセ駅)
電化区間 全区間
電化方式 15,000V / 16.7Hz(交流
保安装置 列車点制御装置
最高速度 160 km/h
線路等級 D4
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
STR
B-M線、M-W線、Oe-M線
BHF
0.0 マクデブルク中央駅
ABZgr
ブラウンシュヴァイク - マグデブルク線
HST
1.0 マクデブルク・ハッセルバッハ広場
BST
1.2 Bft. Magdeburg Südseite
BS2+r
ズーデンブルク方面
KRWgl+l KRWgr+r
STR eABZg+l
旧ポツダム - マグデブルク線
STR BHF
2.5 マクデブルク・ブッカウ
STR2u STR3
STR+1 STR+4u
BHF STRl
3.8 マクデブルク・SKET産業団地 ブックカウ操車場方面
ABZgr
マグデブルク - ターレ線
eKRZu
旧マグデブルク - ターレ線
HST
6.2 マクデブルク・ザルプケ
STR STR+1
ブックカウ操車場方面
BHF STR
7.6 マクデブルク南東駅
BS2l BS2r
ショェーネベック - グリンデンベルク線
HST
12.5 ショェーネベック・フローゼ
eABZg+r
旧ショェーネベック - ブルームバーグ線
DST
14.1 ショェーネベック(エルベ)貨物駅
BHF
15.0 ショェーネベック(エルベ)
ABZgr
ショェーネベック - ギュステン線 (S1)
HST
17.6 ショェーネベック・フェルゲレーベン
SBRÜCKE
国道B246a
HST
20.5 グナダウ 旧普通駅
ABZgl
トルニツ・ゼーホーフ分岐点
KRZu
ベルリン - ブランケンハイム線
ABZg+r
トルニツ分岐点方面
BHF
27.5 カルベ (ザーレ) 東駅
hKRZWae
ザーレ川
eBST
30.8 旧ゴッテスグナーデン信号所
BHF
34.4 ザクセンドルフ(コェテン近郊)
STR
旧パツェツ - ブライテンハーゲン馬車鉄道乗り換え
HST
41.4 ヴルフェン(アンハルト) 旧普通駅
BS2c1 BS2+r
STR+l KRZo
K-A線(アーケン方面)、D-K線(デッサウ方面)
STRo STRo
国道B185
BHF BHF
50.2 コェーテン
KRWgl KRWg+r
STRr STR
コェーテン - アシャースレーベン線(ギュステン方面)
STR+r STR
コーティング三角線
SBRÜCKE SBRÜCKE
国道B6
BS2l BS2r
HST
55.3 アレンスドルフ (コェテン近郊)
HST
59.9 ヴァイッサント=ゴェルツァウ 旧普通駅
BHF
66.4 シュトゥムスドルフ
eABZgl
旧シュトゥムスドルフ - ビッターフェルト線
eBST
70.5 旧アイスマンスドルフ信号所
BHF
74.1 ニームベルク
eABZgl
旧ホーヘントゥルム連結線
BST
78.5 ブラシュヴィッツ信号所
SKRZ-Au
アウトバーンA14
HST
81.1 ツォェバーリツ
SBRÜCKE
国道B100
KRZu
ベルリン-ハレ線
ABZg+l
BS2+l BS2+r
KRZu ABZg+r
ハレ - フィーネンブルク線
ABZg+lr ABZgr
ベルリン-ハレ線
ABZg+r STR
ハレSバーン線 (S 3)
STR DST
ハレ (ザーレ)貨物駅
SBHF BHF
86.0 ハレ (ザーレ)中央駅
LSTR LSTR
SHST STR
89.9 ハレ見本市駅
SHST eBHF
91.7 ディースカウ
KRZu ABZg+r
エアフルト-ライプツィヒ/ハレ高速線
BS2l BS2r
HST
100.4 グロースクーゲル
LSTR
HST
シュコイディツ西駅
LSTR
BHF
105.1 シュコイディツ
LSTR
HST
ライプツィヒ・リュッチェーナ
LSTR
BHF
ライプツィヒ・ヴァーレン
LSTR
DST
116.3 ヴィーダーリッチ
LSTR
BST
118.0 ライプツィヒ展覧会場南
STR
ライプツィヒ中央駅方面
  • 出典: ドイツ鉄道地図[1]

マクデブルク-ライプツィヒ線 (マグデブルク-ライプツィヒせん、ドイツ語: Bahnstrecke Magdeburg–Leipzig)とは、ドイツ連邦共和国ザクセン=アンハルト州マクデブルクマクデブルク中央駅からケーテンハレを経てザクセン州ライプツィヒライプツィヒ中央駅に至る全長118.0kmのドイツ鉄道の路線である。

歴史

[編集]

マクデブルク・ライプツィヒ鉄道株式会社(ドイツ語: Magdeburg-Leipziger Eisenbahn-Gesellschaft)によって1838年1月24日に建設が開始された[2]プロイセン王国およびザクセン王国に跨る路線であり、ドイツにおいて複数の王国を跨ぐ初めての鉄道でもあった。1839年6月29日にマクデブルク - シェーネベック間(14.9km)が開業したのを皮切りに、1840年8月18日にマクデブルク - ライプツィヒ間全線が開業した[3]

ハレ - ライプツィヒ間にプロイセンとザクセンの境界があった。ザクセン区間は1874年にライプツィヒ・ドレスデン鉄道株式会社(ドイツ語: Leipzig-Dresdner Eisenbahn-Compagnie)に引き継がれた。1843年11月1日には一般の貨物輸送が開始された。1873年にはマクデブルク市内の2つの駅をつなぐ路線が開業した。1876年6月1日にマクデブルク・ライプツィヒ鉄道はマクデブルク・ハルバーシュタット鉄道株式会社に継承され、1879年12月20日にはプロイセン政府により国有化され、プロイセン邦有鉄道の路線になった。

1912年5月1日にはプロイセン側でライプツィヒ中央駅が開業し、旧来のライプツィヒ側のターミナル駅であったマクデブルガー駅は廃止された。第一次世界大戦後の1924年8月30日にはドイツ国営鉄道が発足した。

1920年にはハレ - ライプツィヒ間の電化工事が開始され、1922年12月19日には電気機関車による牽引が開始された。マクデブルク - ライプツィヒ間の電化は1934年10月7日に完成した。しかしながら、第二次世界大戦後の1946年にはソビエト連邦への賠償のために電化設備は撤去された。

東ドイツ成立後にソ連から電気機関車が返還されたことに伴い、1955年9月1日にはハレ - ケーテン間の再電化が行われた。続いてケーテン - シェーネベック間は1955年12月29日、シェーネベック - マクデブルク間は1957年1月12日、最後の区間であるライプツィヒ - ハレ間の再電化は1958年12月20日に完成した。そのことで、全区間の電気運転が可能になった。1968年4月27日に貨物列車が停止信号にもかかわらず信号装置を通過して、ニームベルクマン駅で停車する貨物列車と追突した。この事故で、駅に進入した機関車と23両の貨車が大きく破壊されて、機関車に居った一人が死亡した[4]

1990年以後、マグデブルク - ハレ間が最高速度160 km/hに対応するように改修された[5]

2004年12月にハレ=ライプツィヒSバーンが導入されるまで、ハレ - ライプツィヒ間のSバーン緩行線が単線あるいは複線で、既存線路のそばに建設された。いくつかの停車駅は新たに設置されて、ライプツィヒ・ヴァーレン駅はリュッチェーナ駅施設と共に改築された。マグデブルク=ライプツィヒ鉄道本線の一部で現在、緩行線ヴァーレン線の改修とともに、2億3900万ユーロがこのプロジェクトに投資された[6]。一方、2003年にグレーバース-ライプツィヒ見本市駅間の高速線一部が開通されて、ハレ-ライプツィヒ間の距離が数キロメートルずつ短くなった。それと関連して、ヴィーダーリッチュ貨物駅 - 見本市分岐点区間は線路の撤去で単線化された。

2010年代に駅舎と乗降場の改修プログラムはザクセン=アンハルト州で実行されて、この路線の場合、2014年までチェーベーリッツ駅およびニーンベルク駅乗降場[7][8]、2015年までヴァイサント=ゴェルツァウ駅乗降場[9]、2016年までシュトゥムスドルフ駅乗降場が[10]、次々に改築された。2019年にカルベ東駅は交通弱者向けに改修されて、乗降場が高さ55 cmで新たに設置された[11]。その過程で1839年に完工した駅舎は撤去された[12]

運行形態

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マクデブルク - ハレ間はレギオナルバーンが1時間おきに運行されている。車両は東ドイツ国鉄212型電気機関車ドイツ語版に牽引されたダブルデッカー車が使用されている。

ミッテルエルベSバーンドイツ語版S1号線はマクデブルク - シェーネベック間にて運行されており、マクデブルク中央駅 - マクデブルク=ブッカウ駅間では専用の線路を走行する。車両はドイツ鉄道425形電車が導入されている。さらにエアフルト方面へのレギオナルエクスプレスが2時間おきに設定されているほか、マクデブルク - シェーネベック間にはアッシャースレーベン方面へのレギオナルエクスプレスも2時間おきに設定されている。ミッテルドイチュラントSバーンのS3号線およびS5X号線はハレ - グレーバースおよびハレ - ヴァレンにて当線を走行している。車両はボンバルディア社のタレント2である。グレーバース方面へのS5X号線は本線からエアフルト-ライプツィヒ/ハレ高速線を走行してライプツィヒ・ハレ空港に向かう。

さらにICの55系統および56系統が1時間おきに運行されており、マクデブルク中央駅、ケーテン駅、ハレ中央駅、ライプツィヒ・ハレ空港駅、ライプツィヒ中央駅のみに停車する。これらの列車はグレーバース駅 - ライプツィヒ中央駅間はエアフルト-ライプツィヒ/ハレ高速線を経由する。また、貨物輸送においても重要な役割を占めている。

地域輸送の場合、マクデブルク - ザクセンドルフ間はマグデブルク地域運輸連合(Magdeburger Regionalverkehrsverbund, marego)の運賃制が適用される区間である[13]。ヴルフェン - ライプツィヒ・ヴァーレン間の運賃制は中部ドイツ運輸連合(Mitteldeuscher Verkehrsverbund, MDV)により管理されている[14]

  • IC 55: (テュービンゲン -)シュトゥットガルト - ハイデルベルク - マンハイム - マインツ - コブレンツ - ケルン - ハーゲン - ハム - ハノーファー - ブラウンシュヴァイク - マグデブルク - コェーテン - ハレ(ザーレ) - ライプツィヒ・ハレ空港駅 - ライプツィヒ - ドレスデン。120分ごと[15]
  • IC 56: ノルトダイヒ・モーレ - エムデン - ブレーメン - ハノーファー - ブラウンシュヴァイク - マグデブルク - コェーテン - ハレ(ザーレ) - ライプツィヒ。120分ごと[15]
  • 快速列車(RE 20): ユールツェル - ザルツヴェーデル - シュテンダール - ヴォルミルシュテット - マグデブルク - ハッセルバッハ広場駅 - ブッカウ - SKET産業団地駅 - ザルプケ- 南東駅 - フローゼー - ショェーネベック - バートザルツェルメン。平日のみ60分ごとに運行[16]
  • 快速列車(RE 30): マグデブルク - ブッカウ - 南東駅 - ショェーネベック - フェルゲレーベン - グナダウ - カルベ東駅 - ザクセンドルフ - ヴルフェン - コェーテン - アーレンスドルフ - シュトゥムスドルフ - ヴァイサント・ゴェルツァウ - ニーンベルク - ツォェバーリッツ - ハレ(ザーレ)。60分ごと[15]
  • Sバーン(S 1): ヴィッテンベルゲ - シュテンダール - ヴォルミルシュテット - マグデブルク - ハッセルバッハ広場駅 - ブッカウ - SKET産業団地駅 - ザルプケ- 南東駅 - フローゼー - ショェーネベック - バートザルツェルメン。60分ごと[16]
  • Sバーン(S 3): ニートレーベン - ハレ(ザーレ) - 見本市駅 - ディースカウ - グロェーバース - グロースクーゲル - シュコイディツ西駅 - シュコイディツ - リュッチェーナ - ヴァーレン - ゴーリス - ライプツィヒ - MDR駅 - シュトェッターリッツ - エンゲルスドルフ - ヴルツェン。30分ごと。

参考文献

[編集]
  • Peter Beyer (1978). “Leipzig und Anfänge des deutschen Eisenbahnbaus. Die Strecke nach Magdeburg als zweitälteste deutsche Verbindung und das Ringen des Kaufleute um ihr Entstehen. 1829–1840” (ドイツ語). Anhandlungen zur Handels- und Sozialgeschichte (Weimar) 17. ISSN 0065-0358. 
  • Alfred von der Leyen (1912-06-22). “Zur Vorgeschichte der Magdeburg-Leipziger Eisenbahn” (ドイツ語). Zeitung des Vereins Deutscher Eisenbahnverwaltungen 52. Jahrgang (Nr. 47): pp. 765~768. 

外部リンク

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ (ドイツ語) Eisenbahnatlas 2007/2008 (1st ed.). Köln: Schwees + Wall. (2007). pp. 45, 57, 58, 130, 131. ISBN 978-3-89494-136-9 
  2. ^ Die Magdeburg-Leipziger Eisenbahn
  3. ^ Julius Michaelis (1861年9月13日). “Die Magdeburg-Leipzig Eisenbahn” (ドイツ語). Zeitung des Vereins Deutscher Eisenbahn-Verwaltungen (No. 22): p. 277. https://www.digitale-sammlungen.de/de/view/bsb10934030?page=282,283 
  4. ^ “Güterzüge stießen zusammen” (ドイツ語). Neue Zeit: p. 2. (1968年4月28日) 
  5. ^ Übrige Hauptbahnen in Sachsen-Anhalt” (ドイツ語). Ministerium für Landesentwicklung und Verkehr Sachsen-Anhalt. 2013年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月22日閲覧。
  6. ^ Neue und verbessere Nahverkehrsangebote zum Fahrwechsel der Deutschen Bahn AG in Sachsen-Anhalt” (ドイツ語). Deutsche Bahn AG. 2016年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月10日閲覧。
  7. ^ Bahnhofsprogramm Sachsen-Anhalt: Verkehrsstation Zöberitz” (ドイツ語). BahnStadt Planungsgesellschaft für Bahnhofsentwicklung mbH. 2024年10月10日閲覧。
  8. ^ Bahnhofsprogramm Sachsen-Anhalt: Verkehrsstation Niemberg” (ドイツ語). BahnStadt Planungsgesellschaft für Bahnhofsentwicklung mbH. 2024年10月10日閲覧。
  9. ^ Bahnhofsprogramm Sachsen-Anhalt: Verkehrsstation Weißandt-Gölzau” (ドイツ語). BahnStadt Planungsgesellschaft für Bahnhofsentwicklung mbH. 2024年10月10日閲覧。
  10. ^ Bahnhofsprogramm Sachsen-Anhalt: Verkehrsstation Stumsdorf” (ドイツ語). BahnStadt Planungsgesellschaft für Bahnhofsentwicklung mbH. 2024年10月10日閲覧。
  11. ^ Bahn-Report 3/2018, p. 40 (ドイツ語)
  12. ^ Modernisierung der Infrastruktur zwischen Magdeburg–Köthen–Halle” (ドイツ語). Deutsche Bahn AG. 2017年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月10日閲覧。
  13. ^ Das Marego-Netz: marego Verbundgebiet” (ドイツ語). Magdeburger Regionalverkehrsverbund GmbH. 2024年10月10日閲覧。
  14. ^ Netz- und Übersichtspläne: Tarifzonen im MDV” (ドイツ語). Mitteldeuscher Verkehrsverbund GmbH. 2024年10月10日閲覧。
  15. ^ a b c Elektronisches Kursbuch: Streckennummer 340” (ドイツ語). Deutsche Bahn AG. 2024年10月10日閲覧。
  16. ^ a b Elektronisches Kursbuch: Streckennummer 305” (ドイツ語). Deutsche Bahn AG. 2024年10月12日閲覧。

関連項目

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