コンテンツにスキップ

藤田郁代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
藤田郁代
生誕 日本の旗 日本
国籍 日本の旗 日本
研究分野 失語症神経心理学高次脳機能障害
出身校 広島大学
主な業績 失語症構文検査の開発、日本言語聴覚士協会初代会長、『言語聴覚研究』刊行
プロジェクト:人物伝
テンプレートを表示

藤田 郁代(ふじた いくよ)は、日本の言語聴覚士である。失語症の語彙・統語機能の病態と回復メカニズムの研究を専門としており、失語症構文検査などの開発で知られる。日本言語聴覚士協会の初代会長を務めた。

略歴

[編集]

広島大学文学部卒業。言語学や現象学への関心から、国立聴力言語障害センター聴能言語専門職員養成所(現国立障害者リハビリテーションセンター学院)に進む。卒業後は、国立障害者リハビリテーションセンターで言語聴覚士として臨床・研究に従事するとともに、同学院言語聴覚学科講師を務め、後進の養成に当たる。1988年に東京大学にて医学博士号を取得。その後、国際医療福祉大学言語聴覚学科・同大学院教授。

2000年に発足した日本言語聴覚士協会では、初代会長に就任し,言語聴覚分野の発展に力を注いだ[1]。2004年から学会誌『言語聴覚研究』の編集委員長[2]。さらに、『標準言語聴覚障害学』(医学書院)のシリーズ監修(初版2009年、第3版2021年)も行った。

検査の開発

[編集]

1984年、失語症の構文機能を評価する検査として、失語症構文検査を開発。以後、日本国内の病院、学校、施設で広く用いられるようになった。2016年には、改訂版が公表され、新たに標準化が実施されるとともに、小児データが追加され成人版と小児版が分離した。1993年からは、日本音声言語医学会失語症小委員会委員長として、失語症語彙検査の開発に取り組み、2000年に公表し広く利用されている。

著書

[編集]

単著

[編集]
  • 『新版 失語症構文検査』(千葉テストセンター,2016年)

共著

[編集]
  • 『日本語の文法障害の臨床:失語症・特異的言語発達障害(SLI)をひもとく』(医学書院,2023年)
  • 『失語症語彙検査 ― 単語の情報処理の評価』(エスコアール、2001年)
  • 『失語症構文検査 試案 IIA』(日本聴能言語士協会失語症検査法委員会、1984年)

共編著

[編集]
  • 『失語症臨床ハンドブック』(金剛出版、1999年)

監修

[編集]
  • 『標準言語聴覚障害学』(医学書院、2009年~2010年)
  • 『標準言語聴覚障害学 第3版』(医学書院、2021年)

脚注

[編集]
  1. ^ 藤田(2004a)
  2. ^ 藤田(2004b)

参照文献

[編集]

関連項目

[編集]